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生命保険を節税対策として生前贈与する際の最も賢い方法と注意点

相談LINE / 2017年10月10日 19時0分

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個人が被保険者の死亡等に伴う生命保険金を受け取った場合、その課税関係は、保険料を負担する者と受取人によって、以下の通りに区分されます。
(1)保険料負担者=被保険者、保険金受取人=相続人等の場合
受け取る相続人等の相続税の対象になる
(2)保険料負担者=保険金受取人以外、保険金受取人=その他の個人の場合
受け取る保険金受取人の贈与税の対象になる
(3)保険料負担者=保険金受取人 
保険金受取人の所得税の対象になる(一時所得)

■最も税務上有利な受け取り方法は?

受け取る保険金額や保険金受取人の所得金額などにもよりますが、多くの場合、上記のうち最も税負担が少なくて済むのは、一時所得として所得税が課税される場合です。相続税や贈与税は累進課税で高い税率となることが多いものの、一時所得は50万円の控除と2分の1課税で済むため、相続税や贈与税に比して税額が少なくなることが多いからです。

■節税の方法として

この一時所得課税の有利性を踏まえて、よくやる節税が以下のような保険料に相当する金額の贈与です。こうすれば、実質的に親(被保険者)が保険料を支払っているにもかかわらず、子(保険金受取人)が支払ったことになるため、一時所得の課税対象になり得るからです。

1 親(被保険者)が保険料に相当する金額を子(保険金受取人)に贈与する
2 1の保険料相当額の金額は贈与税の非課税となる、110万円に留めておく
3 子は贈与を受けた金額により、保険料を支払う

なお、保険料負担者を子にする関係上、保険契約の契約者も子にすることが一般的です。

■国税は当然に

このような節税はよく見られますが、安易な節税に対して国税は厳しい対応をします。この点、国税の内規を読みますと、親(被保険者)が子(保険金受取人)に対して贈与した、贈与契約が有効に成立しているかで判断をすることとし、その契約が有効に成立していないのであれば、実質的に親が負担したと判断する、と解説されています。

このため、贈与契約が成立しているかどうか、贈与契約書などのきちんとしたエビデンスを残しておく必要があります。

■具体的には

生前贈与が認められた過去の裁決例などを見ますと、①支払いの都度親が保険料に相当する預金を引き出し、その後子が管理している口座に入れた上で支払ったこと、②親が生命保険料控除の対象にしていないこと、③贈与税の申告をしていること等が、贈与契約が成立している証拠として取り上げられています。

このような節税を実行するにあたっては、これらの点に注意して、慎重に対応する必要があります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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