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「相続税対策 一般社団法人設立」ーーその非営利型とは?実務でも使える?

相談LINE / 2018年6月26日 19時0分

「相続税対策 一般社団法人設立」ーーその非営利型とは?実務でも使える?

相続税対策でよく使われる一般社団法人は、法人ですので法人税が課税されます。課税方式は、原則として株式会社に対する法人税と同様であり、すべての所得に対して課税されます。
ただし、この取扱いはあくまでも原則であり、一般社団法人の中には非営利型法人と言われる類型もあります。非営利型法人に該当すると、宗教法人などの公益法人と同様に、収益事業を行っている場合に限って法人税が課税されることになります。

■非営利型法人の意義と要件

この非営利型法人ですが、一般社団法人のうち、以下のような法人を言います。

1 非営利性が徹底された法人

以下の要件を満たす法人が該当します。なお、ここでいう「非営利性」とは、利益配当などの剰余金の分配をしないことを意味します。

(1) 定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。
(2) 定款に解散したときの残余財産が、国などに帰属する旨の定めがあること。
(3) (1)及び(2)の定款の定めに反する行為などを行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
(4) 各理事について、その理事及びその理事の同族関係者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1以下であること。

2 共益的活動を目的とする法人

以下の要件を満たす法人が該当します。公益的な活動を行う会員組織として一般社団法人を活用する場合に該当することが多くあります。

(1) 会員の相互の支援など、会員に共通する利益を図る活動を行うことを主目的としていること。
(2) 定款などに、会費として負担すべき金銭の額の定め又はその金銭の額を社員総会などの決議により定める旨の定めがあること。
(3) 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
(4) 定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。
(5) 定款に解散したときの残余財産が、特定の個人などに帰属する旨の定めがないこと。
(6) (1)~(5)、そして(7)の要件の全てに該当していた期間において、特定の個人などに剰余金の分配などで特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。
(7) 各理事について、その理事及びその理事の同族関係者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1以下であること。

■実務では

非営利型法人に該当すれば、法人税の節約につながりますが、理事の3分の1超を同族関係者以外の者で固める必要がありますので、なかなかこれを満たすことは難しいです。となれば、一般社団法人は法人税の課税はあることを前提として、有効な活用方法を検討する必要があります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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