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「金額は〇月〇日の見積書の通りとする」という引用文がある契約書の印紙税

相談LINE / 2018年9月13日 19時0分

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印紙税は文書課税と言われますので、実際に契約書に書かれてある内容の取引を実行するかどうかに関係なく、その文書に書かれている内容だけで課税関係を判断します。この文書課税という側面からよく問題になることの一つに、文書の引用があります。文書の引用とは、例えばある契約書において「契約金額は〇月○日の見積書の通りとする」といった形で、問題になる文書以外の文書の内容を引用することをいいます。文書の引用がある場合、引用元の文書の内容を踏まえて判断するのか、それとも文書課税という考え方から引用する文書の内容に関係なく、問題になる契約書などだけではんだんするのか、往々にして問題になります。

■大原則は引用内容が書かれているという判断

文書の引用がある場合、その大原則は「引用されている他の文書の内容は、その文書に記載されている」という取扱いになります。すなわち、先の例で言えば、契約書には〇月○日の見積書の内容が書かれている、という前提の判断になる訳です。

ただし、この大原則には一つ大きな例外があります。それは、記載金額と契約期間については、他の文書を引用しないということです。印紙税は、契約書の記載金額に応じて税額が変わりますが、その記載金額は引用元を見るのではなく、問題となる文書だけで判断することになります。

■1号文書、2号文書、17号の1文書には更なる例外がある

文書の引用に関しては、上記の記載金額と契約期間に係る例外以外の例外があります。それは、問題になる文書が1号文書(不動産の譲渡に関する契約書、運送に関する契約書など)又は2号文書(請負に関する契約書)、そして17号の1文書(売上代金に係る領収書)については、記載金額を引用するとなっているということです。

すなわち、これらの文書については、原則として見積書など引用元の文書を見て記載金額が分かるのであれば、その金額を基に印紙税が課税されます。これらの文書は印紙税が課税されるメジャーな文書なので、上記の原則よりもむしろこちらの取扱いを押さえておく必要があります。

■引用元文書が印紙税の対象であれば関係なし

ただし、この1号文書、2号文書、17号の1文書の取扱いにも実はまだ例外があり、引用元文書が印紙税の対象になる文書であれば、記載金額を引用しないとされています。このため、例えばある請負契約書が別の請負契約書の記載金額を引用していた場合、その請負契約書の記載金額は別の請負契約書の記載金額を引用しないため「記載金額なし」となります。

文書の引用については、このように例外が多数あって複雑ですので、専門家などの意見を聞いて慎重に判断しなければなりません。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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