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判断を誤ると大きな不利益になるエアコンの資産区分「器具備品と建物附属設備」

相談LINE / 2018年12月21日 19時0分

判断を誤ると大きな不利益になるエアコンの資産区分「器具備品と建物附属設備」

エアコンは酷暑が連年続く昨今、ビジネス上必要不可欠な資産と言えますが、このような耐久消費財は法人税法上減価償却資産として取り扱われます。減価償却資産は、取得価額の全額を一時に経費とせず、その耐用年数に応じて少しずつ経費としますが、エアコンはその耐用年数が6年とされていますので、原則として6年にわたり経費とします。

■エアコンの資産区分は通常「器具備品」

ところで、減価償却資産については耐用年数だけでなく、その資産が建物、器具備品、機械装置など、どの種類の減価償却資産に該当するかも重要になります。この理由は、資産の種類によって減価償却費の計算が変わるとともに、減価償却資産の種類によって特別償却という特例的な減価償却計算ができる場合があるからです。

エアコンについては、原則として器具備品という種類に区分されることになっています。

■ダクトに接続して広範囲に冷却するエアコンの取扱い

ところが、エアコンの種類によっては、それが建物附属設備という種類に区分される場合があります。建物附属設備とは、エレベーターのように、建物に付随する資産を言います。国税の通達において、以下のような定めがあります。

冷却装置、冷風装置等が一つのキャビネットに組み合わされたパッケージドタイプのエアーコンディショナーであっても、ダクトを通じて相当広範囲にわたって冷房するものは、「器具及び備品」に掲げる「冷房用機器」に該当せず、「建物附属設備」の冷房設備に該当する。

通常、エアコンは器具備品に該当する訳ですが、ダクトを通じて建物全体を冷却するような場合には、冷房設備という建物附属設備に該当することになります。冷房設備の場合、その耐用年数は15年ないし13年となりますので、通常よりも長い期間をかけて経費としなければなりません。加えて、建物附属設備に該当すると、減価償却の方法が定額法という不利な方法になりますので、更に不利益が大きくなります。

■判断基準としては

このように、同じエアコンでも建物附属設備に該当するか器具備品に該当するかで大きな差が出る訳ですが、その判断は専門家でも難しいです。一概には言えませんが、建物附属設備というからには、原則として建物に接着している資産を意味しますので、簡易に取り外せるエアコンであるかどうか、といった観点が一つの判断基準になります。このため、取り外しが困難な場合には、専門家に相談して慎重な対応をするべきでしょう。


■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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