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セルフメディケーション税制と医療費控除の違いや注意点を税理士が解説

相談LINE / 2019年1月31日 19時0分

セルフメディケーション税制と医療費控除の違いや注意点を税理士が解説

平成29年1月1日より、セルフメディケーション税制という税制が導入されています。これは、現在もある医療費控除の特例として設けられた制度です。一定の医療費を支払った際に、確定申告で所得税の控除が認められる医療費控除は、原則として生計を一にする親族が1年間で支払う医療費の合計が10万円以上の場合に対象になります。言い換えれば、10万円の足切りに満たない場合は医療費控除が受けられない訳で、このような場合にも受けられる控除として、このセルフメディケーション税制が創設されたのです。

■セルフメディケーション税制とは

セルフメディケーション税制は、市販されるスイッチOTC薬品という医療用から一般用に転用された医薬品の購入に対して認められるものです。その購入額が、生計を一にする親族が年間12000円を超えて購入した際に、12000円を超えた部分の金額(上限金額:88000円)について所得控除を受けることができます。

なお、この制度の対象になる上記の薬品については、セルフメディケーション税制の対象になる旨のマークが原則として記されています。

■「健康の保持増進及び疾病の予防への取組」が必要

セルフメディケーション税制の適用にあたり、忘れてはいけないのは、「健康の保持増進及び疾病の予防への取組」が必要になるということです。医療費控除は、医療費を支払えば対象になりますが、セルフメディケーション税制については、上記の医薬品を購入しただけでは足りず、健康の保持増進と疾病の予防に取り組んでいることが控除の条件になるとされています。

この取組みですが、具体的には以下のいずれかを受けている必要があります。

1 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)
2 予防接種
3 定期健康診断(事業主健診)
4 健康診査
5 がん検診

なお、確定申告時には実際に「健康の保持増進及び疾病の予防」に取り組んでいることを証明する必要があるため、検診や予防接種を受けたときの領収書や結果通知表などを確定申告で提示又は提出等する必要があります。

■医療費控除とは選択制

セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例ですので、確定申告ではどちらか一つの制度しか使えず、いずれか一つを選択適用することになっています。加えて、一度した選択は変更できませんので、慎重に選びましょう。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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