減価償却が可能な飲食店等の内装工事。耐用年数と注意点を税理士が解説

相談LINE / 2019年6月6日 19時0分

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テナントを借りてビジネスを行うことは多いですが、飲食店などはそのテナントに多額の費用をかけて内装を行う必要があります。このような内装を一般的には造作などと言いますが、造作も固定資産として減価償却の対象になります。言い換えれば、造作を行った段階でその費用の全額を経費にすることはできません。
減価償却の場合、問題になるのは耐用年数です。耐用年数に応じて経費にしますので、その年数は短い方がいいですが、賃借した建物にした造作については、原則として、その建物の耐用年数や使用材質などを踏まえて、合理的に見積った耐用年数で減価償却をしなければならないとされています。

■特例的な耐用年数

建物の耐用年数は他の固定資産よりも長いですから、上記の合理的に見積もった耐用年数も長いことが通例です。となると経費にするのが大変ですから、特例として以下のような賃借した建物については、賃借期間を耐用年数とすることができます。

1 建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないものであること
2 造作について、買取請求などをすることができないものであること

更新ができなければ、契約期間しか造作も使えませんし(1の要件)、自分が行った造作について、貸主に買取請求もできないのであれば、固定資産としての財産価値も乏しいですから(2の要件)、このような特例が設けられています。

■定期借地権との関係性

ところで、契約の更新ができないという点において、同様の性格をもつ定期借地契約との関係性についてよく質問を受けます。定期借地契約は、建物を建築する目的で土地を借りる借地契約の一種ですが、その契約に基づく定期借地権は、通常の普通借地権をは異なり、契約期間内で終了し更新することができません。こういう制限がありますので、相続税の財産評価でも、普通借地権とは異なる評価方法が採用されています。

定期借地権は契約期間満了で終了しますので、定期借地権が付された土地に建てられた建物は、その満了をもって原則として取り壊さなければなりません。となると、上記の造作と同様に、契約期間を耐用年数とすることができないか問題になります。

■定期借地権のある土地の建物は対象外

この点、国税の内規によると、上記のような定期借地権が付された土地に建てられた建物について、造作と同じような取扱いはできないとされています。このあたり勘違いしやすいですので注意してください。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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