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YouTuberの衣装代が経費として認められるか判例交えて税理士が解説

相談LINE / 2020年2月25日 19時0分

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小学生のなりたい職業で上位に来るなど、近年はビジネスの形態として、ユーチューバーが注目されています。ユーチューバーの仕事としては、訴求力のある動画を撮影してアクセスを集めることが中心ですから、テレビにでる芸能人などと同様、衣装などのお金がかかる場合も多くあります。
ここで問題になるのは、この衣装費の取扱いです。

■衣装代は経費になるか

動画撮影の都合上、高額な衣装を購入する必要もありますので、一般的な感覚からすれば、これは税務上も経費になるとお考えの方が多いと思います。しかしながら、この衣装代に関しては、税務上は非常に厳しいです。

厳しい理由は、衣装はプライベートでも着用できることが多いからです。スーツを例にとるとわかりやすいですが、ビジネスで使うためのスーツであったとしても、友人の結婚式でも着ることができますから、100%ビジネスとまでは言えません。となると、経費とするのは問題がある、このような判断になります。

実際のところ、国税庁の見解としては、制服などどう考えてもプライベートでは使われない衣装に関してのみ、経費と認められるとしています。

■過去の裁判例

この点、ユーチューバーではありませんが、個人が行うライブチャットサービスの経費について、問題になった事例があります。ライブチャットサービスを行っていた方が、所得税の確定申告において衣服代や美容費を経費にしていたのですが、それがすべて税務署から否認されています。

この事例では、パソコン・ウェブカメラ購入費、ネット接続料など、誰が見ても異論のない費用は経費で問題ないものの、衣服代や美容費はプライベートな家事費であるため経費にならないとしています。繰り返しですが、ビジネスに100%必要な経費についてのみ、経費として認めるのが国税のスタンスで、それを裁判所なども容認することが多くあるのです。

■時代に即してはいない

このため、衣装代を経費にすることは極めて困難といえますが、近年はインターネットの発達などで、プライベートとビジネスの境界があいまいであると言われています。あいまいである以上、従来のように経費の範囲を限定して考えるのは時代に即しているとは言えないでしょう。

このあたり、もう少し柔軟な取扱いが認められるべきと個人的には考えています。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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