日米は戦わされた? アメリカの保守派が唱え始めた「スターリン工作史観」――評論家・江崎道朗

日刊SPA! / 2017年12月6日 8時33分

【江崎道朗のネットブリーフィング 第26回】

トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

◆なぜ日本だけが非難されるのか

 もうすぐ12月8日、真珠湾攻撃の日を迎える。日本のテレビでは、「日本の軍部が無謀な戦争を始めた」みたいな調子で報じるが、当のアメリカでは、この真珠湾攻撃について多様な見方が存在している。

 1941年12月7日(現地時間)、日本軍が真珠湾攻撃をした当時、アメリカのルーズヴェルト民主党政権は「卑怯な騙し討ち」と非難した。日米両国が懸命な戦争を避けるための外交交渉をしていたのに、日本がいきなり真珠湾を攻撃してきた、というのだ。

 しかし、日米交渉の経緯について知られるようになるにつれ、日米交渉を潰したのは、ルーズヴェルト民主党政権側であったことが知られるようになっていく。

 1948年にアメリカの著名な歴史学者チャールズ・ビーアド博士が『ルーズベルトの責任』(邦訳は藤原書店、2011年)を書き、「時のルーズヴェルト大統領は暗号傍受により日本軍による真珠湾攻撃を知っていたのに、対日参戦に踏み切るため、わざと日本軍攻撃のことをハワイの米軍司令官に知らせなかった」と批判する。

 このビアード博士の本について、翻訳家の足羽雄郎氏から聞いた一つのエピソードを紹介したい。

 1995年夏のことだ。足羽氏が東京・池袋のサンシャインビルの西北側にある公園を歩いていると、何かを探している一人の外国人がいた。話しかけると、東京裁判で死刑にされたA級戦犯の元処刑場を探しているところだ、という。

 ウェン・コーエンと名乗る彼は、アメリカ国籍の詩人であった。高校時代、日本が一方的な侵略国だと教えられ、自分でもそのように信じていたが、大学に入って、図書館でたまたまビアード博士の本を見つけて読んだところ、目の覚めるような思いをしたという。

「ルーズべルト大統領が勝手に戦争を仕組み、日本に押し付けたことを知り、仰天の思いであった。アメリカが無実な日本の指導者を処刑してしまったことに対し、一アメリカ人として心より日本人に詫びたい。日本に行ったら、是非とも処刑場跡を訪れ、処刑された人々の霊に詫びたいと思っていたが、今日それが実現出来て、大任を果たした思いである」

 こう語った彼は、処刑場跡に建っている記念碑の碑文について説明を求めた。碑の前面には、「永久平和を願って」と刻まれており、その後ろには、極東国際軍事裁判で有罪の判決を受けた人々の処刑の一部がここで執行されたことや、「戦争による悲劇を再びくりかえさないため」記念碑を建立したことが書かれている。

日刊SPA!

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