上沼恵美子に噛みついた久保田らを「俺は批判できない…」と元M-1ファイナリスト

日刊SPA! / 2018年12月5日 22時4分

◆死ぬ気で戦って審査される側の思い

 次に「審査」される側の出場者の気持ちに寄り添ってみたい。

 選ばれた7人の審査員のそれぞれの「基準」が事前に告知されることなどは当然ない。だから、大ウケしたが、点数が低いという場合でも、「なぜ低かったのか?」が明確にならない。決勝戦を戦ったメンバーならば、番組の中で審査員のコメントがあったり、ほかのコンビとの点数の比較で、なんとなく審査員の「基準」や「傾向」が読み取れたりすることはあるが、準決勝までは合格者の発表のみで終わるのだ。

「なぜ落ちたのか?」を自分自身で考えて、答えを導き出し、来年に向けてまた1年間、死ぬ気で戦うのだ。導き出した答えが合っていて、1年後に決勝メンバーになるという「ある程度の成功」があればまだいいが、また準決勝敗退、もしくはそれ以下の成績に終わることになれば、何が正しいのかがいよいよわからなくなる。

 俺自身も、「M-1グランプリ」第1回大会で最終決戦まで残り、優勝まであと一歩のところまで迫ったが、夢は叶えられなかった。悩んで苦しんで考え抜いて導き出した漫才を引っさげて挑んだ第2回大会で、2年連続決勝進出。しかし、点数は伸びず、CM中に親しくさせていただいていた審査員の島田紳助さんから「あんなネタしかなかったんか!!」と叱責された。

 そこから迷走が始まり、「M-1」ラストイヤーで俺たちコンビは、最終的に「ボケ」と「ツッコミ」を入れ替えて挑み、3回戦で落とされた。追加合格で辛くも準決勝まで進出できたが、結局、敗退。俺の「M-1グランプリ」はそうして幕を閉じた。

「自分の好きなお笑いをやればいいのだ」。こういうことを言う人はいる。実際、本当にそうだとは思うし、それで優勝できたコンビは本当に幸せなコンビだと思う。しかし、ネタ番組が少なく、テレビに出るチャンスすら少なくなった昨今で、とてつもなく大きい優勝の「恩恵」を簡単に手放すことなどできるはずがない。だから、「合わせよう」とする。自分を殺してでも「合わせよう」とするのだ。

◆敗退して泣く芸人の前で、俺は審査員を批判した

 今年、とある事務所から一人の女性芸人を見てほしいと依頼された。彼女はとても才能があり、劇場でもしっかり笑いをとっている。しかし、コンテストでの結果は芳しくなく、廃業も考えていた。「自分を殺してでも売れたいです」。彼女は、俺にそう言った。

 毎週、ネタを見た。彼女も毎週、さまざまなパターンの新ネタを持ってきた。絶対、本人はやりたくない「リズムネタ」も持ってきて、披露した。彼女のキャラクターにあっておらず、見ているこっちが恥ずかしくなる出来だった。そこから2人でさらに何十時間も話し合った。導き出したキャラクターをひとつのパッケージに特化させたネタを作り、「女芸人No.1決定戦 THE W」に挑んだものの、準決勝で敗退した。

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