結婚した相手が発達障害だとわかったら…夫婦で共倒れになる可能性も

日刊SPA! / 2019年3月7日 15時54分

写真

※写真はイメージです

 過去2回にわたり大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。第3弾となる今回は「発達障害という診断名がついていない人々」の苦悩を追った。

◆「普通のこと」ができない日々にいら立つ本人と家族

「結婚する前は『ちょっとマイペースなところもある』くらいの認識でした。私も常に誰かと一緒にいたいタイプではないので、それくらいがちょうどよかったのですが」

 昨年、結婚相手の発達障害の傾向に気づいたという森田明憲さん(仮名・36歳)。交際時は細かく連絡することを求めない今の奥さんのスタンスはむしろ好ましく感じられていたという。

「でも、結婚して初めて妻の生活能力の低さに気づいたんです。料理は好きだけど、洗い物は溜め込む。洗濯物は洗って干すまでできるけど、そのまま放置。あとは物を捨てるのが苦手で服やら物やらが全然整理できていない。家事については注意すれば、その都度なんとかやってくれるのですが、すぐに逆戻り。残業で疲れて帰ってくると、声も出ないほど散らかっていて、本人は『掃除しようと思って……』と言っていたので、もうついカッとなって、怒鳴りつけてしまっていました」

 そんな最中にテレビで紹介されたことでADHDの存在を知り、その可能性を疑ったという。

「センシティブな内容なため、まずは自分ひとりで調べましたが、しっくりくることだらけでした。手を打つなら早いほうがいいと考え、すぐに妻にも相談。取り乱すかもと思っていたのですが、妻自身も『“普通の奥さん”が当たり前にやっていることができない自分はおかしいのではないか』という意識はあったようで、想像以上に淡々と受け入れてくれましたね」

●ADHD(注意欠陥・多動性障害)……不注意や、多動・衝動性がある。予定のダブルブッキングや遅刻など、ケアレスミスが発生しやすい。また、思ったことをすぐ口に出してしまうケースもあるため、人間関係のトラブルに繫がることも

 夫婦での話し合いはスムーズに進んだ森田さんだが、病院で思わぬ診断を受けることになる。

「精神科に行って、今の状況を説明しても『大学を卒業して、仕事もできているのだから、あなたは抑うつですよ。ADHDは子供の病気です』と言われました。納得がいかなかったので、先日、ネットで見つけた発達障害専門の病院に行ったら、やっと『ADHDとASDの可能性がある』と言われ、まずは投薬で様子を見ることに。診断が確定していなくても、いきなり薬が処方されることにも驚きましたが、改善傾向にはあるので、今後、改めて病院に行って診察を受ける必要はないかもしれないと思っています」

●ASD(自閉症スペクトラム障害)……相手の目を見て話せない、冗談や比喩が通じないなど、コミュニケーションにおいて困難が生じる。また、特定分野に並々ならぬこだわりを持っている場合もある

 森田さん夫妻のように社会生活は送れていても、家庭内で問題が発生する場合は珍しくない。

「小さな子供が泣いていようが、意に介さず読書を続けていた旦那。もう絶対に理解できない存在だと確信した」(32歳・主婦)

「私たち夫婦はともに発達障害の傾向を自覚しているので、連絡事項や約束事は文字にして残すことにしているが、時々、このルール自体を忘れてしまうことがある」(34歳・公務員)

 そんな家庭で起こる問題について発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏は「ある程度の社会性を兼ね備えたグレーゾーンの方は、特に真面目さや規範意識を病的に抱えていることがあるので注意が必要」と警鐘を鳴らす。

「『家族はこうあるべき』という考えに縛られずにお互いに自分のペースとスペースを確保する仕組みがあったほうがいい。また、パートナーの発達障害をきっかけに『カサンドラ症候群』と呼ばれる不安障害や抑うつ状態、PTSDなどの症状が出るケースも珍しくないので、共倒れを避けるためにも一定の距離感は必要です」

― 発達障害グレーゾーン ―

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング