拳銃、ドラッグ、違法コンテンツ…今さら聞けないダークウェブのキホン

日刊SPA! / 2019年3月20日 15時53分

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ダークウェブの一例。拳銃が5万円程度で手に入る。支払いはビットコインが主流

◆~柳谷智宣の「デジタル四方山話」第40回~

 情報漏洩事件などが起きると、その情報を取引する場所として「ダークウェブが利用された」と報道されることがある。ただ、このダークウェブとは何か、というのがわからず質問をしてくる人が多い。筆者もテレビ出演時に紹介する際、内容がわかりにくく伝えるのに苦労することがある。そこで今回はダークウェブのキホンをご紹介したいと思う。

◆ダークウェブはどこにある?

 まず、ネットワークの世界で、みなさんがGoogleで検索できるウェブサイトは全体の1%以下の表面のみとなっている。これをサーフェスウェブと呼ぶ。もちろん、これも膨大なサイバー空間なのだが、その他99%を占めるのがディープウェブとなる。ここには一般ユーザーはアクセスできない。プライベートサイトもあるが、主に企業や研究機関が使うデータベースが占めているのだ。

 Googleからは検索できなくても、URLさえわかれば一部のディープウェブにはアクセスできるかもしれない。しかし、ほとんどはセキュリティがかけられている。例えば、Gmailのフロントはサーフェスウェブにあり、我々は検索してアプローチできる。しかし、個人のメールのデータはディープウェブに存在して、外部ユーザーはアクセスできないというわけだ。

 ここまでは怪しくもなんでもなく、我々は膨大なデータベースを基盤としたネットワークの表面を利用させてもらっているという話。ただ、このディープウェブのごく一部に存在するダークウェブというところが、世間をにぎわすことがあるのだ。

◆そもそもダークウェブって何のこと?

 ダークウェブはTor(The Onion Router)と呼ばれる仕組みでアクセスできるサイト群のことで、表示するには専用のツールが必要になる。エッジやサファリといったブラウザーではアクセスできないのだ。通信は暗号化され、高い匿名性が得られるのが特徴。例えば、ダークウェブにあるFacebookなら、国民のネット接続を監視する国からでも利用できる。情報の暴露サイトであるウィキリークスもダークウェブ上にあり、匿名性を確保している。しかし、違法コンテンツを扱う場所として利用されることも多い。

 御多分に漏れず、ボリュームが大きいのはポルノ系コンテンツだが、それ以外にもドラッグや銃器、コンピュータウィルスといったコンテンツが堂々と売られている。取引所から盗まれた仮想通貨や、企業から漏洩した個人情報などを取りきする場としても活用されている。基本は英語だが、ごく一部に日本語のサイトもあり、普通にドラッグが販売されていた。受け取り場所や価格、携帯電話番号も明記されており、確かに闇を覗いた感じだ。

◆ダークウェブを利用するとどうなるのか?

 警察庁の情報技術犯罪対策課にお話を伺ったことがあるのだが、ダークウェブを使っていようが、何かを販売したり金銭の授受が行われれば、特定できる可能性はあるという。現に日本でも、振り込め詐欺に使われる銀行口座を売り渡そうとした人や、コンピュータウィルスのカスタマイズキットを購入して作成したウィルスをLINEの知人に売った人、児童ポルノを販売した人などが逮捕されている。

 FBIも摘発に躍起になっており、ダークウェブで違法コンテンツを扱うマーケットをいくつもつぶしている。匿名性が明確に破られたわけではないのだが、わきの甘い使い方をするとダークウェブでも捕まってしまう。ダークウェブという響きに魅了され、違法コンテンツを利用するのは避けるべきだ。たぶん、目的の情報にアクセスできず時間を浪費したうえ、摘発されるリスクだけが残ることだろう。

【柳谷智宣】

お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2年前に海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げ、現在販売中

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