38万円で買ったセルシオのその後 オークション評価4.5点のクルマはどうなった?

日刊SPA! / 2019年4月21日 15時50分

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さようなら、そしてありがとう、38万円のセルシオ

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。腕時計は買った値段と同額か、高く売るのがモットーの私ですが、クルマに関してはそうはいきません。私は、腕時計もクルマも好きなのですが、買った値段と同じ額で売るのが難しいクルマの場合、いかに「購入金額-売却額」の差を少なくするかということを重視しています。

 幸いにして今の時代、総額50万円以下で手に入るクルマでも、ありとあらゆる性能が新車と比べて遜色ないモノが多くあります。

 私が免許を取った2004年頃だと、総額50万円以下のクルマは“それなり”でしたし、私の親世代が免許を取った1970年代に至っては、そんな選択肢はなかったことだと思います。ましてや私の祖父母世代ともなれば、18歳頃の中古車はオオタという聞き慣れないブランドでした。

 こうしたクルマに限らず、新しいモノは登場から時間が経てば経つほど進化のスピードは遅くなります。

 例えばパソコン。90年代は、新製品が3年ぐらいで使い物にならなくなるのが当たり前でした。それに対して、今の時代は10年ぐらい前のパソコンでも日常用途において難なく使うことが可能です。

◆どう見ても38万円の激安には見えなかったセルシオ

 そんな時代のおかげで、ありとあらゆる性能が高いセルシオを、たったの38万円で買うことができ、私は大変満足していたのです。セルシオは、動力性能でも快適性でも、どの方向から見ても、今の時代に新車販売されるクルマの多くを上回っていると感じました。

 ダメな点は、燃費の悪さだけと言えるでしょう。しかし、それが最も大きな問題で、燃費重視の現在においては、セルシオの4.3リッターV8エンジンは敬遠されてしまうのです。そのため、これだけ凄い性能を持ったクルマでも需要があまりなく、たったの38万円で買うことができました。

 しかし、そんなに気に入っていたセルシオを、私は先日売却しました。

◆なぜお気に入りのセルシオを手放したのか?

 売った理由は、次のクルマを見つけてしまったからです。オークション代行で、「評価4.5点以上、20年前の年式、低予算」という無理難題な条件で探していたため、落札までには時間がかかるだろうと考えていたのですが、意外にもそんな条件のクルマを早く落札できてしまったのです。

 まさか次の日に売ることになるとは想像もしていない私は、銀座ロオジエの前に停めて、「38万円で買ったのにサマになる」などと考えていました。

 ところがどっこい、次の日に新しいクルマが決まってしまったため、数日のうちにセルシオを処分しなければ、クルマの置き場所に困る次第となったのです。そこで、仕方なくお気に入りのセルシオを売却するという決断になるわけですが、高く売るために売却方法を考えなくてはなりません。

 以前の記事でもお伝えしたように、クルマの売却には様々な方法があります。今回の場合、すぐにセルシオを処分しなければいけなかったため、売却方法はいくつかに絞られることになります。

 考えた結果、最初に買取店に査定してもらい、納得いく金額に達したらそこで売却。思ったより安かったら、オークション代行業者を使おうと考えました。ちなみに、オークション相場より多少安かったとしても、手間などを考えると買取業者に売却するのが私は良いと思っています。

 そして今回、何人かの業者がセルシオを査定してくれたのですが、彼らがセルシオに付けた点数は4.5点。こんなにきれいなセルシオは珍しいとのことで、頑張ってくれる業者が複数いたのです。

 結局、私はセルシオを10万円で買取業者に売ることに決断。次のクルマが決まった翌日、セルシオは引き取られていくこととなったのです。

◆売却したセルシオはどうなったのか?

 以前は、「3年乗って18万円で売却する」と考えていたセルシオですが、結果的には「2年乗って10万円で売った」ということになりました。ヤフオクなどを使えば、18万円以上で売却することもできたかと思いますが、セルシオというクルマのキャラクターからして、個人売買はあまり向いていないと感じます。

 なお、10万円という額ですが、次のクルマもお買い得なため、目標との差額「8万円」のマイナスは、全くストレスなく受け入れています。

 この10万円という売却額は、4.5点のセルシオとしては「安いのでは」とも思いますが、現在セルシオは底値であるため、10万km以上の程度の悪い個体でも、4.5点というように程度が良くてもたいして相場が変わらないとのこと。買取業者はオークションの相場まで見せてくれたため、これは真実だと思います。

 そんなセルシオは、その後、30万円台で売りに出されているようでした。

 元所有者としては、4.5点というキレイさだけでなく、スマートキー、本革シート、エアシート、ノンスモーカー仕様(メーカーオプション)、クリアランスソナーなどのメーカーオプションがてんこ盛りだったという点も魅力的だと思います。

 セルシオといえば、オプションが標準装備でいろいろついてくるというイメージがありますが、この3代目セルシオはそのオプションをたくさん選べました。。

 それにもかかわらず、バネサスのB仕様を選んだという点から、このクルマを新車で購入した方は、かなりのエンスーだと思います。ボディーカラーの薄緑からも、そういったエンスー的センスを強く感じます。

 ですから私は、次のセルシオのオーナーも、たった30万円台という金額でこれだけ良いセルシオを手にできて幸せだろうと思いました。実際、私が2年乗っていて不具合はまったくなく、「いずれは、ここを直さないとならない」という箇所もありませんでした。

 その後、中古車情報サイトからこのセルシオは削除されたため、無事に売れ、きっとどこかで元気に過ごしているのだろうなあ、と思っていました。

 そんなとき、私の手元に「名義変更未完了に対応する書類」が送られてきました。名義変更されないまま4月をまたぐと、今年度の税金が私に送られてくるため、それを転送するための書類でした。

 なんとなく名義変更されていなかったら嫌だと思った私は、現在の名義の確認をすることにしたのです。

 陸運局へ向かい登録証明を取得。その結果無事に名義変更されていることがわかりました。ただ、その名義はどうやら業者さんの様子。抹消登録されていたことから、誰かの愛車となったわけではなかったようなのです。

◆38万円のセルシオの最後。これが現実でした……

 そこでその業者に電話をして、セルシオの今後を確認してみました。ダメ元で電話してみたのですが、驚愕の事実が判明。

 なんとあのセルシオを、解体して部品として販売するというのです。

 どんなに良い車でも、不具合がなくても、需要がなければ相場は下がります。以前であれば、「他に不具合がなくても、エアサスの修理に40万円」というように、大きなマイナスポイントがあったから解体されるということはありました。また、きれいな個体でも、走行距離が多めの車両は、そういった対象だったと思います。

 しかし、私が所有していたセルシオは、走行距離5万km台。欠点がなくとも、良い中古車の供給が多い現在では、たとえ銀座が似合う高級車だったとしても、解体される運命なのです。

 どこも不具合がなく、オークション評価4.5点というほどきれいなセルシオは、もはや解体したほうが高く売れる……。これが現実でした。

【斉藤由貴生】

1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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