45歳以上はクビ!? NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中

日刊SPA! / 2019年4月23日 8時54分

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※写真はイメージです(以下、同)

◆70歳までどう粘るべきか?

 時代の変わり目に合わせるかのごとく、企業の“人切り”が急速に進む昨今。その犠牲になろうとしているのが45歳以上の会社員たちだ。「人生100年、70歳まで現役」が標準化されようとしている現代においてあまりに早いタイミングでの会社からの不要宣告をどう乗り切るべきなのか?

◆なぜ今、45歳以上がターゲットなのか?

 今年3月、富士通は45歳以上のすべてのグループ社員を対象に、早期退職を募ることを公表。昨年6月にはNECが3000人規模での早期退職者を募集、今年2月にはカシオ計算機でも同社初となる早期退職者募集を発表するなど、大手上場企業で早期退職者募集が相次いでいる。名だたる大企業でリストラが頻発する内情を企業情報に精通する人事ジャーナリストの溝上憲文氏は次のように解説する。

「昨今、経営の立て直しを図るため、多くの企業が構造改革を行っています。ただ、うまく機能しているとはとても言える状況ではありません。富士通は昨年にも5000人規模の配置転換を実施しましたが、より抜本的な改革のため、さらなるリストラに至りました」

 さらに、これら大規模なリストラを一時的なものだと考えるのは早計だと、溝上氏は続ける。

「リストラには中毒性があります。一度、大規模なリストラを行うと、その場しのぎとはいえ、『あの会社は再生しようとしている』と株主や世間からの評価は高まります。昨今の経営者は、従業員よりも株主を大事にするので、一時的にでもそうした世間の評価を得るために、今後もリストラを行う企業は増えていくと考えるのが自然です」

 そして、多くの企業で早期退職のターゲットとなるのは、「45歳以上」。なぜ、こうも45歳以上は会社から狙い撃ちにされるのか。

「いまだに年功序列が根強い日本の大手企業では、40代以上の給料は割高。高賃金低貢献の中高年がいなくなれば、短期的に人件費は大幅にカットできます。年齢の分布で考えても45~60歳はいまだに多すぎる。この世代を一気に減らし、組織の新陳代謝を図る狙いもあるでしょう」(溝上氏)

 一方、経営コンサルタントの中沢光昭氏は、「45歳は『見切られるタイミング』」と続ける。

「構造改革を図る上では、社員に新しいビジネスモデルに順応してもらう必要があります。40代前半までならまだポテンシャルにも期待できますが、45歳以上にもなると、伸びしろは望めないですし、新しい職種への配置転換を迫られても対応できない。柔軟性に欠ける45歳以上はさっさと切ってしまいたいというのが企業の本音です」

◆モチベーションの低さも影響

 加えて、中沢氏が問題視するのが、オーバー45歳世代の「モチベーションの低さ」だ。

「45歳以上はひとつの会社に長くとどまることを美徳としてきた最後の世代です。そのため、転職が当たり前になっている下の世代に比べると、向上意欲が薄く、『適当でいいよ』『仕事がつまらない』などと口にするやる気のない社員が多い。モチベーションが低い人間がいると、そのやる気のなさが周囲に伝播して、職場の作業効率が著しく下がってしまう。“不良債権化”した45歳以上は、経営者から見ると、いないほうが圧倒的にマシな“腐ったミカン”なのです」

 とはいえ、昨今のリストラ事情をまとめてみると、意外にも募集定員を超える応募が殺到している会社が多いことにも驚かされる。

「アベノミクスの影響もあり、多くの企業はまだキャッシュを持っている。超優良企業では億超えの退職金が支払われたなんて話も耳にします。それはさすがに極端な例だとしても、組織の改革を急ぎたい会社がかなり高額な割増退職金を用意しているケースも少なくない。場合によっては、会社にしがみつくのではなく、40代のうちに割増退職金がもらえるようになったら、転職して新天地を探すのが得策かもしれません」(中沢氏)

<リストラを発表した主な東証一部上場企業>

1 NEC

’18年6月29日に発表。対象は間接部門やハードウェア部門の一部に在籍の45歳以上、勤続5年以上の社員。11月時点で2170人が応募

2 エーザイ

’18年10月25日に発表。対象は45歳以上の従業員。当初、約100人の応募を想定したが、1月時点で当初の予定の3倍となる300人が応じた

3 千趣会

’18年10月26日に発表。今回の希望退職者の対象となるのは、45歳以上の正社員および契約社員。募集人数は280人を予定している

4 日本ハム

’18年10月31日に発表。対象者は45歳以上の社員で、全社員の1割に当たる200人の早期退職者を募集した。応募期間は今年5~6月

5 昭文社

’18年12月13日に発表。対象は45歳以上の同社ならびに国内グループ会社の従業員。人数は、全従業員447人のうち80人程度を想定

6 アルペン

今年1月9日に発表。対象は45歳以上64歳未満の社員。約300人の退職者を募集したが、全従業員の1割を超える355人の応募が集まった

7 カシオ計算機

今年2月4日に発表。対象となるのは45歳以上の一般社員と50歳以上の管理職。応募者数は156人で、想定した応募人数200人を下回った

8 協和発酵キリン

今年2月5日に発表。対象は45歳以上で勤続5年以上の全社員。実際に希望退職に応じたのは296人。6月末での退職を予定している

9 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス

今年2月14日に発表。対象となるのは、勤続1年以上で45歳以上の社員。募集人数は、間接部門を中心に700人程度を予定している

10 富士通

’18年10月に、全グループで5000人規模の配置転換を発表。今年3月の早期退職者の募集には、3月19日の時点で45歳以上の社員のうち2850人が応募

【溝上憲文氏】

人事ジャーナリスト。雑誌記者を経て、独立。経営、人事、雇用、年金を中心に執筆活動を行う。著書に『非情の常時リストラ』(文春新書)などがある

【中沢光昭】

経営コンサルタント。投資会社、経営コンサルティング会社で企業再生などに従事後、独立。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社刊)がある

※週刊SPA!4月23日発売号「45歳以上はクビ!の恐怖」特集より

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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