ビジネスホテルの困った客たち。電気ケトルの“ヘン”な使い方を…

日刊SPA! / 2019年5月1日 15時54分

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写真はイメージです(以下同じ)

 客商売である以上、困ったお客というのは必ずいるもの。店舗や運営会社のスタッフもその辺は承知しているが、そんな彼らでさえ予測できないトンデモ行動をやらかす客もいるようだ。

◆電気ポットや電気ケトルで料理する客が増えている?

 ビジネスホテルチェーンに勤める中野良晴さん(仮名・32歳)は、客室に置いてある“ある備品”について「ヘンな使い方をしているお客さんが増えている」と話す。

「それは電気ケトルです。水を温めてお湯にするのが本来の用途ですけど、なぜか調理器具として使うお客さんが増えているんです」

 実は、電気ポットや電気ケトルを利用した調理法は、インターネットのレシピサイトに数多く紹介されている。確認してみたところ、ゆでたまごのような単純なものだけでなく、煮物や茶碗蒸し、パウンドケーキといった多種多様なメニューのレシピまである。

「レシピが公開されいること自体は別にいいと思うんです。でも、問題はそれをホテルの備品である電気ケトルで使うこと。百歩譲って料理に使ったとしてもまだちゃんと洗ってくれていればいいんです。しかし、なかには調理に使ったまま放ったらかしにされていたケースが何度もありました。

 この場合、客室清掃のパートの方がポットの洗浄を行うのですが、調理に使った汚れは脂やぬめりがあって軽く水洗いする程度じゃ落ちないんです。そこで時間が割かれてしまうため、結果的にルームクリーニングの作業全体が遅れることに繋がるわけです。こういうことは言いたくありませんが、本当に迷惑です」

◆電気ケトルでしゃぶしゃぶやキムチ鍋をする客も

 実際に中野さんが確認したのは、インスタントラーメンやうどん、パスタを茹でるのに使用されたケース。麺などがポット内に残っていたという。

「この程度ならこちらも問題にはしません。許せないのは電気ケトルを容器代わりにして食べている宿泊客がいたこと。ただし、もっと驚いたのは電気ケトルを使ってしゃぶしゃぶをしている人がいたことですね。ゴミ箱にはスーパーで売っているお肉用のパックが捨てられていて、お湯が残っていたケトルの内側をのぞくと肉カスと白菜が浮いていました。けど、一番ひどかったのはキムチ鍋に使われていたときですね。『洗っても臭いが残っている』とのことだったので、予備の電気ケトルと交換することになりました」

 これらはすべて本部に報告しているそうだが、系列のほかのホテルからも似たような事例が複数寄せられているとか。

「ただ、調理に使ったことで電気ケトルが壊れたというケースは今のところないようです。そのため、“調理などに使用しないでください”といった注意書きはしていません。常識的に考えて普通はそのくらい分かるものですけど、実際に料理している人がいるわけですからその点は不安はあります。そのうち電気ケトルでカレーやシチューを作る人が出てくるんじゃないかって(笑)」

◆調理目的の使用で故障した場合は損害賠償請求も

 ちなみに各メーカーの電気ポット、電気ケトルの説明書を調べてみたが、調理用に使えることを謳っている製品は1つも確認できなかった。それどころか「本来の目的以外には使わないでください」といった内容の注意書きがちゃんと書かれていた。

 これについて家電に詳しいライターは、「茹でる程度ならともかく料理した場合、塩分などが機械をダメにする場合があり、故障を引き起こす可能性は非常に高い」と指摘。

 中野さんのホテルでも明らかに調理目的の使用により電気ケトルが故障した場合は、宿泊客に損害賠償請求を行うことも検討しているという。

「客室に置いてある電気ケトルは1個3000円程度と安いですけど、それでもホテル側が購入すれば大きな負担になりますから。調理に使いたいのであれば、自宅でやればいいんです」

 当たり前のことだが、ホテルの電気ポットや電気ケトルを使って料理をするのは絶対にやめよう。<TEXT/トシタカマサ>

― シリーズ・店員が語る困ったモンスター客 ―

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