今さら聞けない「アードベッグ」の魅力 深みがある世界観はほかにはない…

日刊SPA! / 2019年6月7日 15時54分

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1974年の原酒を使っている「アードベッグ プロヴェナンス」の味わいは感動の極みでした

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第51回 ―

「アードベッグ」はスコットランド・アイラ島のアードベッグ蒸留所で作られているシングルモルトウイスキーです。アードベッグ・デーというお祭りが毎年行われ、そこで限定生産のアードベッグを公開。発売前に味わうことができます。

 日本では5月31日と6月1日に開催されたのですが、飲食店経営者向けの先行イベントに招待されたので行ってきました。

◆経営がうまくいかず閉鎖したこともあったアードベッグ

 アイラ島南部にあるアードベッグ蒸留所は、1815年に設立されました。経営がうまくいかず1980年代に閉鎖されましたが、1997年にグレンモーレンジ社が買収し復活します。

 1998年から蒸留を開始し、2004年に6年熟成の「ベリー・ヤング」、2006年に8年熟成の「スティル・ヤング」、2007年に9年熟成の「オルモスト・ゼア」、2008年に10年熟成の「ルネッサンス」を発売し、きちんとした道を歩んでいることを全世界のアードベギャン(熱狂的なアードベッグファン)に示し、満を持して2008年10月「アードベッグ 10年」を発売しました。

「アードベッグ」は筆者が一番好きなシングルモルトウイスキーであり、筆者も自称アードベギャンです。蒸留所が一度閉鎖される前の昔のアードベッグも、扱っているお店に伺っては飲ませてもらっています。

 とはいえ王道は「アードベッグ 10年」。4000円くらいで買えるのですが、本当に美味しいです。アイラウイスキーらしいヨード香や燻製香はもちろん、コーヒー、柑橘類、チョコレート、薬品といった香りも感じされます。味わいは濃厚で複雑。甘やかですが、フィニッシュはドライです。「煙い」ことは確かですが、深みのある世界観はほかにありません。原料の大麦はポートエレンで作られ、ピートを効かせて仕上げています。

◆アードベッグ・デー2019で披露された限定品の味わいは?

 アードベッグ・デー2019の会場は、代官山のモンスーンカフェでした。カーニバルにぴったりの会場で、中央には演奏ステージが。トリニダード・トバゴの美しい音色を奏でるスティールパン・バンド、STARS ON PANの演奏が披露されました。

 そして、紹介された今年の限定品は「アードベッグ ドラム」でした。アルコール度数は46度と限定品にしては低めです。そしてなんと、ラム樽フィニッシュしているとのこと。熟成期間などは非公開でしたが、デメララの樽を使用しているそうです。1杯だけ試飲できたので、さっそくいただきました。

 香りも味もがっつりラム酒のイメージがあります。もちろん、アードベッグですが、その印象を薄くするほどラムが強く、とてもユニークな味わいです。ストレートでゆっくり飲んでいると、複雑な美味しさが広がり、楽しめます。

 希望小売価格は1万2960円で、6月1日発売。とはいえ、すでにほとんど売れてしまっているようです。入荷しているバーは多いので、見かけたらぜひチャレンジしてください。限定ボトルなので、なくなったら終わりです。もちろん、原価BARにも入荷します。

 ちなみに、現場では「スランジヴァー」といって乾杯していました。筆者も気恥ずかしいながらも、「スランジヴァー」で乾杯。これはゲール語で、「健やかに!」といった意味で乾杯の挨拶として使われています。正確な発音とはほど遠いのですが、細かいことをお酒の場で気にしても仕方ありません。本日のスコッチウイスキーでの乾杯のかけ声は、「スランジヴァー」でぜひ!

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2年前に海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げ、現在販売中

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