インスタグラムがステマの温床に!? 商品欲しさに簡単に話に乗るケースも

日刊SPA! / 2019年8月28日 15時51分

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※画像はイメージです。以下同

 都内某所で開催されたある新商品の発表会にて、メディアから派遣された記者やライターの横で、若い女のコたちがスマホでパシャパシャと撮影を始めた。インスタグラマーと呼ばれる人たちだ。彼女たちは主催者から呼ばれたらしい。今や世の中に影響力をもっているのは雑誌や新聞、テレビだけではないという証拠だろう。

 そんなインスタグラムだが、最近はおかしな投稿も増えている。かつてSNSで蔓延していた“病魔”が再発しようとしているのではないか?

◆インスタグラムに“ステマ”が増加しつつある!?

「××から発売されたニューファンデ! すっぴん風メイクに欠かせない☆」

 東京都内の芸能事務所に所属しているというモデル・ルカさん(19歳・仮名)のインスタグラムの投稿は、大体このような具合だ。新しいファンデーションを買ったところ、思った以上に良い商品であり、フォロワーのみんなに知らせたくなった……。若々しく、可愛らしい投稿だなと見ていたが、どうもおかしい。

 投稿文がまるで同じような女のコが、他にも多数いるのだ。みな若くおしゃれな雰囲気で、モデルやタレントの卵といったプロフィール文。業界で流行っている噂の化粧品なのか? それにしても、文章まで被ることはあり得ないだろう。

「ステマですよ、また最近流行り出してるんです」

 こう証言するのは、都内の大手芸能事務所の関係者。数年前、某タレントがブログでステルスマーケティング、いわゆる“ステマ”を行なっていたとして、世間から袋叩きの目にあったことを覚えている人も少なくないだろう。

 実際にはギャラが支払われていたり、または商品をタダで受け取ったりして「宣伝」をしているのに、視聴者や閲覧者に「広告」であることを隠して情報発信したうえ、それが詐欺まがいの商品だったことから大騒動になったのだ。

 以降、大手ブログサイトをはじめ、ネットメディアでも“記事広告”には【広告】【PR】【プロモーション】などとわかるように表記を付けることが決まりとなっている。現在、多くのSNSでも広告には何かしらの表記が付けられているが……同氏によると、なぜかインスタグラムにはあからさまなステマがまかり通っている現状があるという。

 ブログのブームが過ぎ去り、若者たちはツイッターとインスタグラムを併用している人がほとんどと言えるが(フェイスブックはおじさんばかり)、ツイッターには140文字という文字数制限がある。そこで、長文を投稿する際にはブログの代わりにインスタグラムを使うという若者も増えてきた。そんななかで、かつてブログに蔓延していたステマがインスタグラムで再発しつつあるのだろうか。

 こうした背景には、言うまでもなく、淡い夢を抱いた若き女のコたちを利用し、姑息なやり方で商売をしようとする大人たちの存在がある。冒頭のルカに話を戻そう。

「事務所から言われてやってるだけ。とりあえず商品くれるって言われたから。欠かせない商品かって? ウチが使ってんのは全然違うメーカーのやつ。だって、『すっぴん風メイクに欠かせない』って書かないとダメだって言われたから」(ルカさん)

 ルカによれば、この投稿に関する報酬はゼロ。商品がタダでもらえるといううまみは確かにあるが、彼女は商品を撮影して投稿した後、それを愛用することはなく、ゴミ箱へ投げ入れたという。

◆DMやコメントで「インスタグラマーにならないか?」

 しかし、当時はあれほど叩かれたステマが、なぜ再び……。前出の大手芸能事務所の関係者が話す。

「最近は、有象無象の自称“芸能事務所”や“関係者”たちが、インスタを使って『インスタグラマーにならないか?』とスカウトしまくっています。こうしたオファーを受け取って、多くの女性は悪い気分にはなりません。ギャラがなくとも商品がもらえれば簡単に乗ってしまう。スカウトされた、という高揚感もあるでしょう。こうしてただ、商品を配るだけで口コミマーケティングができてしまうわけですから、今、モラルなき手法に手を染める企業が後を絶ちません」(大手芸能事務所の関係者)

 そんななか、大手事務所に所属するタレントやモデルたちでさえ、担当マネージャーが目を離した隙に、こうした業者の甘言に惑わされ、うっかりステマ投稿をしてしまう例もあるという。管理が甘い弱小事務所に所属する女のコたちならば、尚更のことだ。彼女たちが軽い気持ちでステマに加担させられているのが実態であり、その数は増え続けているそうだ。

「ただ、文言や撮影場所が同じだったり、あからさまにステマとわかる雑な投稿が目立つ。女のコたちには酷ですが、そんなに簡単に有名人や芸能人にはなれないし、悪い大人に使われるだけ使われてポイ捨てされるだけでしょう」(同上)

◆線引きが曖昧、“本当に好きな商品”ならアリ?

 インスタグラムにおいては「ステマかそうでないかの線引きが曖昧な状況にある」と話すのは、企業の広告やタイアップ、PR案件を中心に活動するライター。

「最近は、新商品のメディア発表会に足を運ぶと、雑誌やWebメディアの記者やライターに混じってインスタグラマーが参加していることも多いです。こちらが一眼レフで撮影している横で、スマホを使ってパシャパシャ。それをインスタグラムに投稿しているようです。聞けば、主催者である広告代理店やPR会社から直接呼ばれるみたいです。僕らライターからすると、本音としては複雑ですが……。ただ、後から彼女たちのアカウントを調べてみると、実際にそのジャンルでは人気のようで、投稿に対して数万人のフォロワーから“いいね!”やコメントがたくさんついていました」(広告・PR系ライター)

 前出のルカのケースは明らかに“なんとなく”やっていることが透けて見えた。こちらは主催者から呼ばれたとはいえ「好きだからやっている」そうだ。また、「ギャラは受け取っていない」らしい。もしも本当ならば、ステマではなく、健全なPRの一環とも言える。

 一方で、インスタグラマーを使ったSNSマーケティングを手掛ける会社の関係者が言う。

「実際にインスタグラムで多くのフォロワーを抱え、インフルエンサーと呼ばれるクラスになると、1回の投稿で数十万円のギャラが発生することもあります。ただ、今はフォロワーもそこまで馬鹿じゃないので、下手な商品を載せるとコメントで突っ込まれることもあります。うちはタイムラインの“世界観”に合う案件しか受けませんし、本人が本当に気に入った商品しか載せないように徹底していますね。なので、うちがやっていることはユーザーを騙しているわけではないので、ステマとはまったく違いますよ」(SNSマーケティング関係者)

 ギャラが発生している以上は広告だろうが、本当に好きなものを紹介しているだけだからステマじゃない、ということらしい。

 インスタグラムに限らず、多くの若者たちがSNSを利用するようになり、ステマと疑われる投稿であっても、ひとつひとつの投稿を精査して削除したり、アカウントの凍結をする、というのはSNS運営側にとっても現実的には難しいことなのかもしれない。

 とはいえ、かつてブログのステマ事件で詐欺被害者が出たことの二の舞にはならないことを願う。<取材・文/森原ドンタコス、藤山六輝>

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