ラグビーW杯日本大会のポイントを総まとめ。ポスト五郎丸の注目選手は?

日刊SPA! / 2019年8月30日 8時50分

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 ラグビーW杯がやってくる! 国内はおろか世界中を騒がせた「南アフリカ戦の奇跡」からはや4年、史上最強との呼び声の高い日本代表は、アジア初となる自国大会で過去最高の成績を残し旋風を巻き起こせるか?

◆再び世界を驚かす! ホームで“ジャパン”の快進撃はなるか?

 前回’15年大会は、強豪南アフリカから金星を奪ったほか、その立役者となった五郎丸歩(今回不選出)のボールを蹴るときの独特のルーティン「五郎丸ポーズ」が大きな話題となったラグビー日本代表。自国開催となる今回は予選プールで3勝(1敗)した前回以上の成績が期待されるが、果たして決勝トーナメント(ベスト8)に進出し新たな歴史を刻むことはできるのか。

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<9/20(金)~11/2(土)全国12会場で計48試合が開催>

① 札幌(プール戦2試合)
② 釜石(同2試合)
③ 熊谷(同3試合)
④ 東京(日本×ロシア、準々決勝・3位決定戦等 計8試合)
⑤ 横浜(日本×スコットランド、準決勝・決勝等 計7試合)
⑥ 静岡(日本×アイルランド等 プール戦4試合)
⑦ 豊田(日本×サモア等 プール戦4試合)
⑧ 大阪(プール戦4試合)
⑨ 神戸(同4試合)
⑩ 福岡(同3試合)
⑪ 熊本(同2試合)
⑫ 大分(同3試合、準々決勝2試合)
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 ’01年からラグビーの撮影を始め、W杯取材は日本大会が5度目というフォトグラファーの長尾亜紀氏は予戦プール突破に向けては、初戦のロシア戦がカギだと話す。

「前回大会の経験者が多いとはいえ、自国開催のプレッシャーは想像がつかない。選手もスタッフも、誰も経験したことのない状況下で、どう戦うのか。ただ、そこで勝たないことには始まりません」

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<出場20か国とプール分けを知る>

●POOL A
日本(9位)
アイルランド(3位)
スコットランド(8位)
ロシア(20位)
サモア(16位)

●POOL B
ニュージーランド(2位)
南アフリカ(4位)
イタリア(13位)
ナミビア(23位)
カナダ(21位)

●POOL C
イングランド(5位)
フランス(7位)
アルゼンチン(11位)
アメリカ(14位)
トンガ(15位)

●POOL D
オーストラリア(6位)
ウェールズ(1位)
ジョージア(12位)
フィジー(10位)
ウルグアイ(19位)

※カッコ内は世界ランキング(8/25現在)

<日本代表プール戦のスケジュール>

① 9/20(金)19:45~ vsロシア(東京スタジアム)
② 9/28(土)16:15~ vsアイルランド(静岡・エコパスタジアム)
③ 10/5(土)19:30~ vsサモア(豊田スタジアム)
④ 10/13(日)19:45~ vsスコットランド(横浜国際総合競技場)

※各プール上位2チームが決勝トーナメントに進出。予選プールは勝利チームに4点、引き分け2点、負ければ0点となる勝ち点によって順位を決定。勝ち点には勝敗以外にもボーナスポイントとして4トライ以上挙げた場合に1点、負けた場合でも7点差以内であれば1点が与えられる ※決勝トーナメントは10/19(土)~。日本1位抜けの場合はプールB2位と。同2位抜けの場合はプールB1位と対戦
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 また、長年ラグビーをウオッチしてきたライターの齋藤龍太郎氏は、プール戦ではいかにボーナスポイントを取るかも大事だとした。

「今の日本が(プールA最強の)アイルランドと戦えないかといえば、そんなことはない。ただ前回大会で、日本は3勝しながらスコットランドにボーナスポイントの差で敗れています。ロシアとサモアには2勝するだけでなく、4トライ以上を挙げて勝利し、ボーナスポイントが欲しいところです」

 7月末から8月上旬にかけて行われたW杯に向けた強化試合ではフィジー(〇34-21)、トンガ(〇41-7)、アメリカ(〇34-20)と3連勝した日本代表だが、この強さは本物なのか。

「この時期に調子がいいのは逆に不安(苦笑)」と長尾氏が言えば、齋藤氏は「好調なのは確かだが、強化試合の結果はW杯とは別物。本番前に手の内を見せすぎてしまったということでなければいいのですが」と、強化試合の勢いそのままでW杯に勝てるかといえばそんなに簡単ではないとした。

◆“過去最強”の日本代表。注目すべき選手は?

 それでも、9大会連続でW杯に臨む日本代表の強さは過去最強との声は多い。そんななかで注目すべき選手は誰なのか。

 長尾氏はまず、ウイングの松島幸太朗(26歳)は注目の一人とした。

「ベタですが、プレーに派手さもあって何かをやってくれそうな気配がある。スピードもあるし、年齢的にも26歳と一番いい時期」

 そして、ベテランのトンプソン・ルーク(38歳)のプレーも見逃せないとする。

「代表から引退していましたが、今年に入って本格的に復帰。ラインアウトでも、196cmの長身でボールの受け役として彼の存在は大きく、欠かせない選手」(長尾)

 ちなみに、日本代表の最年長出場記録を更新中のトンプソンは、今大会に出場すれば日本史上最多タイの4度目のW杯出場となる。

 一方、齋藤氏はキッカーで攻撃の司令塔でもある田村優(30歳)に触れないわけにはいかないと言う。

「最近はキックの精度も高まっていますし、競った試合では彼の足(キック)でどれだけ得点を稼げるかが勝敗に大きく関わってくるはずです」

 もちろんW杯だというのに日本戦しか見ないのはもったいない。

「チケットはかなり売れているみたいですが、人気のカードでも運がよければリセールがあるかもしれない。個人的にはイングランドやウェールズの試合で見られるファンの大合唱がオススメ」(長尾氏)

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<日本戦以外の注目カード>

① 9/21(土)18:45~
ニュージーランド vs.南アフリカ(横浜国際総合競技場)

② 9/29(日)16:45~
オーストラリア vs ウェールズ(東京スタジアム)
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「最大の注目は、オールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)。試合前のニュージーランドの先住民族、マオリ族舞踊が起源のウォークライ・ハカを見るだけでも価値がある。それにハカには、『カ・マテ』と『カパ・オ・パンゴ』の2種類があり、通常プール戦ではカ・マテをやるのが一般的ですが、強豪南アフリカ戦ではいきなりカパ・オ・パンゴをやるかも。W杯のハカは、通常のテストマッチとは気迫が違うので必見」(齋藤氏)

 日本代表の動向はもちろん気になるが、せっかくの機会に世界最高峰のラグビーやその周辺に漂う文化に触れてみるのもいいかもしれない。

◆品切れはNG! ビールとラグビーの絆

 開幕まで1か月を切り、試合会場を中心に密かに心配されているのが“ビールが品切れにならないか”という問題である。

 なぜかといえば、ラグビーが盛んな国ではビールを片手に試合を観るのが一般的。特に英国系のファンはビールをよく飲むことで知られ、過去の大会ではビールの品切れが続出し、不評を買った例もある。

「前回’15年イングランド大会では、メイン会場となったトゥイッケナム・スタジアムのそばに『ザ・サード・ハーフ』という仮設の2階建てのパブが造られていました。つまり前半、後半が終わった後は、『ここで飲みましょう』ということ。“第3ハーフ”はビール片手に試合を語る。信じられないほどの人口密度で盛り上がっていました」(齋藤氏)

 大会を盛り上げるためには、日本代表の躍進とともにビールの“活躍”も必須といえそうだ。

<取材・文/栗原正夫 写真/長尾亜紀>
※週刊SPA!8月27日発売号「ラグビーW杯をツウぶる7の方法」特集より

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