食べログの点数操作はある?「間接操作はできます」と広告マンが明かす

日刊SPA! / 2019年10月13日 15時55分

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食べログのHPのキャプチャ画面より

 実際に飲食店を訪れた人が書いたレビューを見て、お店を選べるという利便性が人気だった食べログ。だが現在、そのレビューや点数づけされた評価の信頼性に、ヒビが生じている。

◆勃発した「食べログ3.8問題」とは何か

 きっかけは10月5日、Twitterに飲食店が投稿した「食べログの評価3.8以上は年会費を払わなければ3.6に下げられる」という疑惑が話題になったことだった。この問題をあるブロガーが検証し、クイックノートというプラットフォームで「食べログ3.8問題を検証」というブログを発表した。内容は、大阪と東京の店で、食べログでの被評価数が一定数以上ある店舗の点数を分布図、グラフ化して検証したもの。そのグラフでは、点数が3.6に偏っていることが一目でわかり、ネット上で大きな物議を醸した。

 評価は人それぞれなので、点数にバラつきがあってしかるべきだが、「ここまで点数に偏りが起こるのか?」とツイッターでは喧々諤々の事態に。そして10月9日、タイミングよく公正取引委員会が定例会見で、「食べログ」「ぐるなび」などを含むグルメ情報サイトの実態調査を始めたことを明らかにした。内容は運営会社が顧客の飲食店に不当な契約条件を押し付けていないかを調べるというものだった。

 翌10日、食べログを運営する株式会社カカクコムは「『食べログ』に関する一部報道について」という声明文を発表。「食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ない」と、疑惑を否定している。

 しかし、この一連の騒動で、食べログユーザーの信頼度はガタ落ち。そもそも、「食べログは点数操作をしていないが、間接的な点数操作はできる」という声も目立つ。今回は実際に、食べログ内での評価を上げる仕事をしている人に話を聞いた。

◆業者による「間接的な操作」の手法とは

 告白してくれたのは、Web広告会社で働くAさんだ。

「食べログは代理店を通じて飲食店から広告を出稿してもらうので、営業は代理店任せなんです。その契約内容、方法はさまざまで、代理店によって飲食店への営業方法が異なります。要は、何をやってもいいと思っている代理店が存在するということ。

 例えば、自社で抱えた”食べログで影響力のあるライター”を派遣して、その飲食店で飲み食いさせ、食べログに書き込ませる。そして食べログの点数を上げ、代理店は飲食店から利益を得る…といった手法が使われることもあるのです。ウチはWeb広告会社ですが、ミッションは『飲食店の売り上げを上げること』なんで、同じようなやり方をして店の評判を上げて、お店から契約料を頂くという手法を取っている同僚もいて……。

 直接ではないが、間接的な点数操作を許してしまっている食べログも甘いですし、無理やり食べログ経済圏で稼ごうとしている業者も悪だと思いますね」

 食べログでは、不正を防ぐために、投稿数の多さなどからレビュアーの影響度を判定しており、総合点への反映度が変わってくる。それを逆手にとって、「食べログの点数を上げるために、グルメインフルエンサーを紹介します」と堂々とHPに書いている業者もある。食べログ側も以前から「やらせ業者対策」を講じているが、手法が巧妙化して、いたちごっこの様相だ。

 では、信頼度の低下を、ユーザーはどう見ているのだろうか?
 長らく食べログの有料会員だったが、今回の騒動で食べログに対して怒りを覚えているユーザーの声も聞いた。

◆食べログを使いまくったユーザーの違和感

 専門商社に勤める都内在住の清水健太さん(仮名・27歳)は、新卒で就職した4年前から食べログに登録している、半古参ユーザーだ。

「端的に言えば、ハズレの店を死んでも引きたくないので、食べログに課金してお店選びをしていました。食べログを有料登録する前はいろんな居酒屋広告に惑わされて、カピカピの刺身出すところとか、内装がしょぼすぎるハズレの店をよく引いていたんです。でも、食べログに有料登録してからはそれがなくなり、確かな恩恵を受けれたのがよかったんです」

 彼が言う確かな恩恵とは、
①検索した店を評価点数でランキング表示できる
②一定の点数より高い店をマップ表示して、近くの良いと思われる店がすぐわかる

 この2つの機能が便利だったという。

「特に会社の飲み会で、状況に見合った良い店をとてもスマートに予約できるので、幹事をよく頼まれる若手としては重宝したんです。幹事を経験した友人や先輩も言っていますが、食べログの点数が3.5以上の店であればハズレはないと確信していたので、店選びが精神的に楽だったんですよね」

 その食べログの恩恵を受けていたことで、これまでもたびたび騒がれていた食べログの悪い評判は、聞かないふりをしていたという。だが今回の一件で、その怒りを抑えられなくなったと清水さんは言う。

「良い店にたくさん行けたのは確かですが、2、3店舗くらい、点数は3.5以上あるのに明らかに違和感のある店がありました。内装は安っぽいし、個室の壁が薄くてうるさい、料理も『これ、素材大丈夫?』と思ってしまうようなお店です。大事な宴会の幹事をやったときにそういった店に当たってしまったので、そこそこ恥をかいた覚えがあって。そのときに非常に違和感を感じましたね。これどう考えても2.2くらいだろと。そういう経験もあったんで、食べログには『裏切られたな』という思いでムカついてます」

 食べログの有料登録は「もうやめる」と言う清水さんだが、「それでもなんとしてでもハズレを引きたくないので、他の優良なグルメサイトを探して登録する」そうだ。

 人間の「おいしいものが食べたい」という欲求に応えるビジネスなのか、その欲に付け込むビジネスなのか、今が潮目となりそうだ。

<取材・文/日刊SPA!編集部>

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