閉店危機から復活を遂げたカレー専門店。苦難の連続だった味の再現

日刊SPA! / 2019年10月17日 8時30分

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白身魚のカレー&キーマ&MIX豆

 ピンチをチャンスに変えるには何が必要か? どん底から這い上がった男たちが語る。

◆復活を遂げた人気店を直撃!

 店主が高齢になり、閉店を余儀なくされる人気飲食店が増えるなか、閉店危機から奇跡の復活を遂げた名店も存在する。新宿でリニューアルオープンした「FISH」は六本木でおよそ30年にわたって人気を集めたカレー専門店。サラリーマンを中心に熱い支持を受けていたが、’17年6月に閉店した。その際、FISHの味を後世に引き継ぎたいと手を挙げたのが同店のファンで、飲食店を経営するたるたるジャパンの齊藤崇氏だった。

「ほかにもいくつか手を挙げていたそうですが、齋藤は前のオーナーとお酒を酌み交わして信頼関係を築き、ウチが屋号やレシピを引き継ぐことになりました」(たるたるジャパン・マネージャーの大木時哉氏)

 新生FISHは、閉店から1年後の’18年6月に新天地・西新宿でリニューアルオープンに漕ぎ着けたが、そこまでは苦難の連続だった。

「レシピをもとに、六本木時代の料理長が教えてくれるとはいえ、その味を安定して再現するのは大変でした。玉ねぎの炒め方ひとつでも違うと、まったく異なる味になってしまい、納得の味を再現するまで1年はかかりました」

 より多くの人に名店の味を届けたいという使命のもと、大木氏たちはカレー作りに邁進している。

●白身魚のカレー&キーマ&MIX豆(1350円)……多くの人が注文する人気メニューが、3つの味が楽しめる3種コンボのカレー。それぞれ味わったあと、カレーやトッピングを混ぜて食べるのも楽しい。名物の白身魚のカレーのほか、六本木時代のチキンカレーや大辛チキンカレーも人気

◆歴史の重みを感じながら人気店を継承

 北千住の足立市場内で営業する「しいはし食堂」はまだ復活を果たしてからの日が浅い。前店主が30年にわたって営業を続けていたが、高齢のため’18年に店を閉めることに。そして、前店主と共通の知人がいた現店主の永瀬英一氏が引き継ぎ、’19年3月に再オープンした。

 永瀬氏は、「長年、熊本料理のお店で働いていたのですが、独立を考えていたんです。そのとき、ここが閉店することを聞き、縁を感じてやってみようと決断しました」と当時を振り返る。

「ただ、最初は不安でしたね。歴史と多くの常連を持つお店を継承することで、前のお店と味を比べられるんじゃないかなって……。でも、復活したんだと喜んでくれる人や、店主が代わっても変わらずおいしいと言ってくれる人が多くて、ホッとしました(笑)」

 すぐそばの市場で仕入れた新鮮食材を使ったアジフライ定食やまぐろ刺し定食などは今も昔も変わらぬ人気とのこと。

「市場関係者はもちろん、朝はタクシーの運転手。昼は近所のサラリーマン。土曜日は休みの日の家族が早い時間に食べに来たり……おいしい食事を求めて訪れるさまざまな客層を満足させるこの店をこれからも守っていきたいです」

●アジフライ定食(900円)……足立市場から仕入れているアジは、新鮮で身がふっくらとしている。馬すじ煮込み定食(900円)やだし巻き卵(500円)も、店主おすすめの逸品。単品を定食にできるほか、定食を単品で頼むことも可能

 閉店の危機を乗り越えてリベンジを果たした名店たち。そこにもそれぞれの再起の物語があるのだ。

※価格は取材時のものになります
<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[逆襲で切り返す技術]―

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