山本太郎、1か月半「住所不定」だった…落選後から引っ越しまでの経緯

日刊SPA! / 2019年11月24日 8時50分

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山本太郎

 今夏の参院選、比例代表で約228万票を獲得し旋風を巻き起こしたれいわ新選組。その立役者である山本太郎代表は、自身は落選したものの特定枠を利用して2人を当選させた。落選に伴い、山本氏はそれまで住んでいた議員宿舎を退去することになったが、新居の入居審査に落とされ続けているというツイートが話題を呼んだ。住居不定のまま暮らす実体験を振り返りつつ、漂流する中高年への救済策を尋ねた。

◆1か月半「住所不定」住まいは権利だ!

──まず、落選後から引っ越しまでの経緯を教えてください。

山本:国会議員は、国会議事堂のすぐ隣の議員会館内に事務所を与えられていますが、これは落選から4日以内に退去。そしてその3日後には、議員宿舎を明け渡さないといけません。麻生太郎さんみたいな大豪邸に住んでいる人と違って、資産のない私には、周辺相場の3分の1程度の家賃で住める議員宿舎は大助かりでしたが、落選に伴い退去命令、いきなり宿なしです。

 そもそも普通に考えたら1週間で新居と事務所を見つけるのはかなり難しい。現実的には選挙期間中から次の家を探し始めないと無理な話なのですが、私自身は受かるつもりで選挙やっていましたから、引っ越しの準備などまったくしていませんでした。

──その後、何度も新居探しの際に審査で落とされたそうですね。

山本:政党の事務所と自分の新居探しを並行して進めて、事務所のほうはなんとか物件が見つかりました。ただ、新居候補は審査の途中でお盆休みが重なり、お盆が明けると大手不動産会社から何件もお断りの連絡がくる始末……。

 ようやく良い物件を見つけたと思ったら、今度は「オーナーが海外にいるから連絡がつくかわからない」と言われたこともあり、今思えば遠回しのお断りですよ(苦笑)。こっちは必死で、「最近まで国会議員をしていて、自分が党代表で2人の現役の議員がいる。滞納の心配はありません。党職員として給与も支払われます」と説明をしてもダメでしたね。

 完全な迷惑な客扱い。「何でダメだったんですか?」と聞いても「お答えできません」と教えてくれませんから、酷いものですよ。

──住所不定の期間はどのくらいあったんでしょうか。

山本:約1か月半ですね。選挙期間中から泊まっていたビジネスホテルにず~っと住んでいました。実は過去にも“漂流”経験はありました。東日本大震災での原発事故をきっかけに、私が反原発の発言をするようになってから、どんどんメディア出演の仕事がなくなりました。収入も激減です。

 でも、全国に支援者も出てきて、「うちの地域で原発の話をしてよ、食事代くらいしか出せないけど!」なんてお声がかかり、実際に行ったら本当にもらえるのはお食事代程度(苦笑)。だから泊まる宿は支援者の家や民宿、いい時でビジネスホテルなどでした。明日はしっかり布団で寝られるのかな?なんて毎日不安がつきまとっていた。

 だから「2日泊まっていいよ」なんて言われると、安心感でいっぱい。そうした全国の人との交流を通して、原発だけではなく貧困、労働の問題が見えてきて、本腰を入れて1年半ほどそれらについて聞いていて回り、結果として立候補するキッカケに。

──その全国行脚は、’13年の参院選で初当選に結びついている。

山本:そうですね。当選して自分専用の宿舎を得て、畳に寝転がった瞬間に、「よかった……。これで宿が確保できた……チェックアウトから解放される」と心の底から安心感でいっぱいでした。確かに関西に実家はあるけど、この年齢で自分の住まいがないのは、やっぱり辛いですよ。今SPA!さんが取材されてる「中高年漂流」の皆さんも辛い。国は支援するべきです。

◆一度底まで落ちたら抜け出せなくなる世の中はおかしい!

──今回の漂流者はロスジェネ世代が中心でしたが、政府は今年6月の経済財政諮問会議「骨太方針2019」にて、ロスジェネ30万人の正規雇用を増やす就業支援策を発表しました。

山本:焼け石に水で、政府のパフォーマンスにすぎないですね。スキルアップの研修や名ばかりの正社員にするような支援は、対症療法にすぎません。まずは、住まいがないと始まらない。履歴書も書けませんから。住まいを確保し、住所を持たないと仕事に就けないので根本的な解決にはならない。

 そのために、私は「公共住宅の拡充」を政策に掲げています。新規国債を発行して、中古マンションや空き家を国が買い上げ、住居が必要な全世代に安い家賃、または一定期間無料で住めるようにするのが最善策。それ以外の解決策はありませんよ。

──中高年の漂流者の中には、生活保護や公共住宅を利用することを恥だと思う人もいました。

山本:日本人らしい奥ゆかしい感覚ですが、それは生活保護のスリム化をうたう自民党が、「生活保護受給は恥」という概念を国民に植えつけたからです。メディアの生活保護バッシング、一時凄かったですから。

 そのため、貧困は自己責任だという風潮が日本にははびこっています。でも、一度底まで落ちたら抜け出せなくなるような世の中はおかしい。公共住宅も含め、生活保護だけでなく複数のセーフティネットを拡充し、国民が積極的に制度を活用できるように仕組みを整えるべきなのです。

──漂流経験者、山本太郎氏が彼らを救う一手を期待したい。

【山本太郎】
’74年、兵庫県出身。高校時よりタレント活動をしていたが、’12年、政治活動を開始。’13年、参議院選挙で東京選挙区で当選。’19年、政治団体「れいわ新選組」を立ち上げ代表に就任、今夏の参院選に10人の候補者を出した

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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