衰え知らずの武豊の「逃げ」に注目! G1・チャンピオンズカップ予想

日刊SPA! / 2019年11月30日 8時29分

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1月23日に年間100勝を達成した武豊騎手。衰えを知らぬベテランの妙味ある騎乗に期待(写真/産経新聞社)

 先週のジャパンカップの記者会見で、思わずニヤけてしまう一幕があった。

――Who is the best young jockey in Japan at the moment?
(今の日本で一番乗れる若手騎手は誰だい?)

 記者にこう問われると、一瞬間を置いたその男は、こう答えて笑った。

――It’s me.
(僕じゃないかな)

 こんなウィットに富んだ答えをしたその“若手”こそ、日本競馬のレジェンド武豊騎手(50)である。

◆衰え知らず、4年ぶりの年間100勝到達

 大レースになるとどうしても話題性のある外国人騎手の話ばかりになってしまいがちだが、武豊騎手が相変わらず元気だ。先週の土曜日には4年ぶりに年間100勝到達。毎年のように勝ち続けることはもちろん凄い、だが50歳にして再び上昇するのは、ある意味それ以上に凄いことではないか。

 そして、冒頭のインタビュー内容もあながち冗談とは思えなかったのが、ジャパンカップでの騎乗ぶりだ。今年はマカヒキに騎乗しての参戦となったが、2016年のダービー馬ながらその後フランスで勝利を挙げて以降3年以上勝ち星から見放されており、当日は12番人気。ほぼノーマークの状態だった。

 しかし、レースでは出遅れるとすぐにインに進路を切り替え、14番枠からラチ沿いに馬を寄せていく。そして道中は最後方をゆったり追走すると、直線の半ばから斜めに進路を取り大外へ持ち出し、最後は猛然と伸びて来た。さすがに上位勢とは力の差があったものの、大健闘の4着。この4着は騎手の力以外何物でもなく、改めてレジェンドの凄みを見せつけられた。武豊騎手自身、年齢のことを問われるのはあまり好まないようだ。冒頭のやり取りも笑顔で答えてはいたが、半分本気なのではないか。

◆逃げ切りが武豊騎手の必勝パターン

 そんな武豊騎手には、必勝パターンがある。それは、“逃げ”である。記憶に新しいところでは、やはりキタサンブラックとのコンビだろう。同馬の4歳時から手綱を握ると、以後引退まで12戦でコンビを組み、天皇賞(春)やジャパンカップ、有馬記念といったビッグタイトルを、巧みなレースコントロールによって先手を奪いそのまま逃げ切ってみせた。

 その他、海外でも活躍したエイシンヒカリやトウケイヘイローといった馬たちとのコンビでも、逃げる作戦で素質を開花させている。並み居る外国人ジョッキーが腕っぷしの強さで馬をコントロールすることを得意とする一方、武豊騎手は馬をリラックスさせ気分よく走らせることに長けている、そんな印象が強い。

 さて、今週末はダートの王者決定戦・チャンピオンズカップ。例年通り各路線から豪華メンバーが揃ったが、その中で武豊騎手が手綱を取るのがインティだ。

◆逃げ馬が内枠を連れて来る

 インティは今年破竹の7連勝でフェブラリーSを制している5歳馬。その際も武豊騎手の手綱による逃げ切り勝ちで、同コンビではこれまで7戦5勝2着1回というほぼ完ぺきな成績を残している。

 インティの持ち味は好スタートから天性のスピードを生かした逃げ。ダートは芝に比べると差し追い込みが利きづらく、いち早く先手を取ってマイペースに持ち込めれば、逃げ切りの可能性は高くなる。今回は無敗の3歳馬クリソベリル、フェブラリーSでインティに迫ったベテランのゴールドドリーム、デットーリ騎手が騎乗するオメガパフューム、デビュー以来13戦で一度も4着以下がない超安定のチュウワウィザード、昨年2着でスミヨン騎手が騎乗するウェスタールンドなどなど、並み居る強豪が揃った。その中で、果たしてどこまで粘れるか? 絶好の2枠4番を引いたので、あとはマイペースの逃げに持ち込めるかどうかに注目したい。もしスンナリ先手を取れるようなら、フェブラリーSの再現、そして春秋のダートG1制覇もありそうだ。

 ちなみに、もしインティが逃げ切るとしたら、相手には内枠の馬を狙いたい。というのも逃げ切りが決まるとそのヒモ(2~3着)には内枠を連れてくることが多いためだ。フェブラリーSでは2着に3番枠のゴールドドリーム、3着に2番枠のユラノト。キタサンブラックが逃げ切ったG1でも、天皇賞(春)では2着に3番枠のカレンミロティックが13番人気を覆し激走、引退レースの有馬記念でも2着には3番枠のクイーンズリングが8番人気の低評価ながら食い込んできた。

「逃げ馬は内枠を連れて来る」

 この法則は、武豊騎手の逃げ切りを狙う場合には必ず覚えておきたい。

◆チャンピオンズカップのイチオシ穴馬

 それでは最後に注目の穴馬を挙げたい。

 今回面白そうなのは、横山典騎手が騎乗する7番のワンダーリーデル。直近4レース連続で好走しているが人気になりにくいタイプで、前走の武蔵野S制覇も9番人気の伏兵だった。実績という点ではここまで挙げた馬たちと比べると見劣る面はあるが、砂を被っても平気なタイプの実戦型。今回も恐らく人気にはならないだろうが、末脚は強烈なので上手く馬群を捌ければチャンスがありそうだ。

 今年は上位勢の層が厚く、恐らく極端な波乱は望み薄。上手く伏兵馬を2~3着あたりに絡めて、中穴配当を狙って行きたい一戦だ。

【TARO】
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。最新の著書に『万馬券の教科書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。

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