内臓脂肪を落とす“食事のコツ10”。25kgやせた医師が伝授する

日刊SPA! / 2020年1月13日 8時53分

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 年齢とともに「腹まわりが出てきたなぁ」と思っている貴兄。その腹の中に詰まっているのは、皮膚の下についた皮下脂肪ではなく、内臓脂肪の可能性が高い。「ダイエットしようかな」と考えはするけれど続かないという人も多いだろう。

 そんなメタボ予備軍のために、数々の健康番組や書籍でダイエット法を指南する工藤孝文医師が、体脂肪を減らす方法を監修。工藤医師自身、10か月で25キロのダイエットに成功して、今もキープしている(勤務医時代に92キロ→現在67キロ)。
 無理な食事制限&ハードな運動一切ナシのダイエット術、今回は「食事のコツ10」を紹介する。(以下、工藤孝文医師が監修)。

◆内臓脂肪とは? 中年のデブスパイラルを招く

 内蔵脂肪とはその名のとおり、内臓――お腹の空間内、腸の周りについた中性脂肪のこと。脂肪にはエネルギーを蓄えたり、ホルモンなどを分泌してからだの機能を調節する役割があり、必ずしも“悪者”ではない。が、内臓脂肪は増えすぎると糖尿病などの生活習慣病の引き金になり、最近では、がんや認知症のリスクを高めるとも言われている。

 加齢とともに基礎代謝が落ちるため、若い頃と同じ量を食べていれば当然太るし、内臓脂肪はつきやすくなる。加えて、内臓脂肪が恐ろしいのが、デブスパイラルのきっかけになる、ということ。

 内臓脂肪は、食欲を抑える「レプチン」や脂肪を燃焼させる「アディポネクチン」といった“痩せホルモン”の分泌を減らし、食欲を増進させる「グレリン」という“デブホルモン”の分泌を促す。
 つまり、内臓脂肪が増えれば増えるほど痩せホルモンが減り、デブホルモンが分泌される。「太ったかな」と思い始め、加速度を増して肥えていくのは、「太りやすく痩せにくい」デブスパイラルにはまってしまったからなのだ。

◆内蔵脂肪は、付きやすいが落としやすい

 日照時間が短くなると、太陽の光によって分泌が促されるセロトニンが不足しがちになる。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質で、心の安定にもかかわっている。不足したセロトニン不足を補う手っ取り早い方法が、炭水化物の摂取。秋から冬にかけて、甘いものが止まらないというのは、日照時間の低下が影響しているのだ。
 また、寒くて動くのが億劫になって太りやすいシーズンでもある。

 しかし一方で、寒い冬は体温を上げるために基礎代謝が上がるため、エネルギーが消費されやすい。エネルギーとしてまず使われるのは、皮下脂肪ではなく内臓脂肪。「つきやすいが落としやすい」というのが内臓脂肪の最大の特徴だ。

 つまり、ちょっとした食べ方や生活習慣の工夫で内臓脂肪を減らすことができるのだ。この冬、さらに内臓脂肪をため込むのか? あるいは、減らすのか?は自分次第だ。

◆内臓脂肪を減らす簡単な食事法10

1)食べる量を1割減らす

 代謝は日々、落ちているのに食べる量が変わらなければ、脂肪がつくのは当然のこと。とはいえ、極端な食事制限はストレスがたまる一方で長続きしない。まずは、「お皿にのっているものを1割減らす」あるいは、「一口残す」ことから始めてみたらどうだろう。
 残すことに抵抗感があるかもしれないが、そのときは、一緒に食事をしている人に食べる前に1割分をおすそわけするのもテ。また、間食や夜食が多い人は、その量や回数を1割減らすことを心がけてみよう。

2)食べるのはお腹が空いたときだけ

 食欲をコントロールをするのは難しい。まずは、「空腹のときに食べる」「空腹でないときは食べない」というざっくりとした習慣からはじめてみては?

「お腹すいてるのかも」と、迷ったときは食べない。食事をして空腹感が消えたら食べるのをやめる。残り物は目に入らないところに片付けるといった、小さなことが、空腹感のコントロールにつながる。

 ちなみに、「ぐー」となる腹の虫は、胃が収縮し、胃の中にある食べ物の残りカスを掃除している状態。ここで食事をしてしまうと、掃除は中断されてしまう。食事は掃除が終わってから、つまり、お腹が「グー」となってから数時間後がベストタイミングだ。

3)まず肉から食べる

 食事をするときは、「肉→野菜→炭水化物」の順番で食べてみよう。順番を変えるだけで、肥満の原因ともなる食後の血糖値の急上昇を防ぐことができるのだ。

 なぜ、よく言われる「野菜から」でなく、「肉から」なのか? 肉の脂肪は口や胃で分解できないため、胃を通過してすぐに十二指腸に送られて、いち早く、消化管ホルモン「インクレチン」を分泌する。このインクレチンによって、食欲が抑えられ、満腹感を得ることができ、自然と少食になるという効果も期待できるのだ。

 このほかにも、肉は消化に時間がかかるため腹持ちがよくなるし、たんぱく質をとることによって、筋肉量を増やすこともできる。筋肉量が増えれば基礎代謝があがり、やせ体質へと変わる。「ミートファースト」の効果はひとつではない。

4)デブ味覚をリセットする。出汁が効果的

 太りやすい人は往々にして、こってり脂っこい料理、濃い味付けを好む。こうした味を日常的に食べ続けていると舌がマヒし、より濃い味、こってりした味を求め、摂取するものすべてが高カロリーということになる。

 まずは、この“デブ味覚”のリセットがダイエットには必要で、そのとき効果的なのが出汁(だし)だ。出汁に含まれる旨味成分「グルタミン酸」は羊水や母乳にも含まれる人間が安心する味。毎朝、できれば朝食前に出汁を1杯飲むだけで、味覚がリセットされていき、満足感が得られるため食欲が抑えられる。そのほか、脂肪燃焼効果や成長作用、ストレス緩和などの効果も期待できる。

5)早食い&だらだら食いをやめる

 満腹感は食べた糖質が分解され、血糖値が上がり、脳の満腹中枢が刺激されて起こる。しかし、満腹中枢に刺激が入るまでには20分はかかるため、早食いの人はつい食べすぎてしまう。

 一方、ダラダラと食べ続けて30分以上がたつと、消化が進んで胃の中にスペースができて、「まだまだ食べられる」という信号が脳に送られてしまう。結果、こちらも食べすぎることになる。

 早食いの人は、よく噛み、できるなら一口ごとに箸を置く習慣を。だらだら喰いをしてしまう人は、満腹になったら食卓から離れるといいかも。

6)夜10時以降に食事をしない。せめて分食に

 深夜の食事は太るとはよく言われるけれど、人体のメカニズム的にも正しい話。

 人のからだには、「BMAL1(ビーマルワン)」という時計遺伝子がある。BMAL1は余った糖を脂肪に変える働きがあり、その分泌量は1日の中で変化をしている。分泌がもっとも減るのが午後14時で、16時くらいから上昇。そして、午後10時~午前2時にピークを迎える。つまり、午後のおやつよりも、深夜の夜食のほうがまちがいなく脂肪になりやすいのだ。

 しかし、仕事などでどうしても夕食が夜10時をすぎてしまう、という人もいるだろう。そういう人は、夕方におにぎりなど炭水化物を食べ、夜はタンパク質を軽めにとる分食がおすすめ。

7)甘い液体を飲まない

 缶コーヒーやジュースには、想像以上の糖質が含まれている。甘い缶コーヒーは角砂糖6個分、500ミリリットルのコカコーラには角砂糖19個分。体にいいと思われている紙パックの野菜ジュース(200ml)にも角砂糖5個分の糖質が含まれている。

 砂糖には幸福感や癒やしを感じさせるドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなど脳内神経伝達物質の分泌を促す働きがある。甘いものを食べると幸せを感じるのはそのためだが、あまりに頻繁に「甘いもの=幸せ」が繰り返されると、脳にとってこの快感がクセとなり「砂糖依存症」に陥ってしまう。
 のどを潤すには水や炭酸水を選ぶ習慣をつけたいものだ。

8)プチ断食。週1回夕食を抜く程度でもいい

 食べなければ、体に蓄えてある脂肪がエネルギーとして使われる。当然、体重も減るわけだが、断食には、「その後も体重が増えにくくなる」という効果も指摘されている。

 ため込んだ内臓脂肪のおかげで、何も食べずとも水だけで数か月は生きられるものだが、そこまでの断食は必要なし。週1回、夕食を抜く程度でも効果がある。

 断食をする前日の昼食以降はジャンクフードを避け、胃腸を整える。断食中も脱水を防ぐため、水、お茶、スムージーなどの水分をとり、断食後は汁物やおかゆから食べ始めるよう。
 もちろん、持病がある人は主治医に相談のうえで行うこと。

9)「やせフード」で満たされる

「食べてはいけない」と制限をすること、そして、その食事制限を挫折したこともまたストレスにつながる。「絶対に食べない!」とできない決意をするよりも、「お腹がすいたら食べていいもの」を決めておいたほうがダイエット効果は高い。

 おすすめなのが、前述の出汁のほか、ヨーグルトにおからパウダーを加えた「おからヨーグルト」。良質なタンパク質と食物繊維がとれるし、お腹の中で膨らむので腹持ちがいい。
 また、ガムやスルメを噛むと幸せホルモン「セロトニン」が分泌されるので満足感があるし、アーモンドなどのナッツ類やチーズ類は血糖値があがりにくく、他の栄養素も豊富だ。
 こうした「やせフード」で食欲とうまくつきあおう。

10)果物はこぶしひとつまで。

 果物にはビタミン類やポリフェノールが含まれ、健康にいい食材ではあるが、一方で、食べすぎやすく、脂肪を増やすというデメリットも。
 その原因は果物に含まれる果糖。果糖はすぐに肝臓に送られて中性脂肪に変わり、ブドウ糖のように血糖値をあげない。そのため、満腹感が得られず、つい食べすぎてしまうのだ。

 果物を食べるときは、自分のこぶし程度を目安に量を決めておこう。みかんだと2個くらい。りんごやバナナだったら半分程度が適量だ。

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 以上のような「内臓脂肪を減らす食事法10」をすべてやる必要はない。無理せず、できることを習慣にするのがダイエットの基本だ。次回は、内臓脂肪を減らす日常の行動についてご紹介する。

【監修:工藤孝文医師 プロフィール】

内科医。減量外来、糖尿病内科医。専門は糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。福岡県みやま市の自身のクリニックで診療する一方、テレビほかメディア出演多数。
『マンガでわかる ダイエット外来の医者が教える 成功率99%のやせ方』 、『ミートファーストダイエット』、『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』、『毎日100gダイエット! 内臓脂肪を減らす食べ方』など著書多数。

<取材・文/鈴木靖子>

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