観光ビザ解禁のサウジアラビアではSPA!の持ち込みが違法だった

日刊SPA! / 2020年1月14日 15時51分

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スーク(市場)。女性の姿がまったくない

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 2019年9月27日から日本を含む、49の国と地域を対象に観光ビザの発給が解禁されたサウジアラビア。これまで巡礼ビザの対象となっているイスラム教徒、駐在もしくは出張のビジネスマン以外の入国は厳しく制限されていたため、この観光ビザ解禁のニュースは世界中で大きな話題となった。

◆観光ビザがオンラインで申請可能に

 筆者はちょうど2019年~2020年の年末年始を使って世界一周の旅を計画しており、せっかくなのでサウジアラビアに立ち寄るルートに変更。観光ビザもいちいち大使館に行く必要もなく、オンラインで簡単に申請手続きができた(※空港到着時のアライバル申請も可能)。

 まず手続きに必要なアカウントをビザ申請サイトで発行。すぐに承認コードが送られるため、それを打ち込んでログインすれば申請手続きの画面に移る。あとは顔写真の画像をアップし、氏名や生年月日、住所やパスポート番号、サウジアラビアへの出入国予定日、滞在先などの情報を入力すればOK。

 イメージとしてはアメリカへの渡航に必要なESTAの登録作業に似ており、そこまで難しくはない。日本語の表記こそないが、記入方法などについて細かくアドバイスした外部サイトも複数あり、そちらを参考にしてもいいだろう。

 ちなみに観光ビザで滞在可能な日数は90日で、有効期限は発行から1年間。料金はビザ代と渡航者に義務づけられている医療保険料、それに税金5%と手数料込みで合計463.44リアル(※約1万3350円)はちょっと割高。オイルマネーで潤っているのだからもう少し安くしてもいいと思うのだが……。

◆水着グラビアが載っている雑誌の持ち込みも刑罰の対象

 今回はサウディアというサウジアラビアの国営航空会社でUAEのアブダビから紅海に面した大都市ジェッダを訪問。ただし、ビザ申請サイトの服装に関するガイドラインのページには、外国人男性でもハーフパンツなど肌の露出が多い格好をNGとの注意書きがあった。

 でも、こうした規制は服装だけではない。例えば、アルコールの持ち込みも禁止されており、アブダビでの搭乗手続きの際に「手荷物にアルコール類はありませんか?」と聞かれたほど。イスラム圏の国々への渡航は比較的多い筆者だが、こんなことを聞かれたのはこれが初めてだ。

 さらに同国では水着やヌードなどが載っている動画や画像、雑誌などの所持も違法。抜き打ちでスマホやタブレット、PCの画像を徹底的に調べられる場合があるそうで、日本出発前に見つかったらヤバそうな画像を片っ端から外付けハードディスクに移した。ほかにも出国時に空港で購入した週刊SPA!を持っていたが、グラビアページのグラビアン魂がサウジ的にはどう見ても違法なのでアブダビを発つ前に処分。今後、旅行でサウジに行く人は、服装やお酒以上に注意すべきポイントかもしれない。

 だが、結果的には何事もなく無事にサウジアラビアに入国できた。ホテルに着いたのはすでに夜だったため、チェックイン後に食事を兼ねて近くをブラブラした程度だったが、繁華街は夜でも人通りが多くにぎやかだ。

 けれど、見かけるのは圧倒的に男性ばかり。サウジアラビアでは宗教的な理由から女性の行動が制限されていることは知っていたが、夜の繁華街は男同士のグループばかりでまるで男子校のような雰囲気だった。

◆サウジアラビアでは街中の写真撮影に要注意

 翌日は早めに食事を済ませ、朝のうちからジェッダ市内を観光。

 滞在日数はわずか2日だったので一部しか回ることができなかったが、海上モスクとして有名な「フローティングモスク」を見学し、個性的な出窓の建物が印象的で世界遺産に指定されている「歴史地区(旧市街)」を散策。途中、地元のショッピングモールにも寄ったが、日中ゆえか家族連れが多く、アバヤと呼ばれる頭から全身を覆った真っ黒な民族衣装を着た女性もたくさんいた。

 しかし、事前にホテルの従業員や利用したタクシーの運転手から「写真を撮られることを極端に嫌う女性が多く、風景を撮影しただけでも勘違いされてトラブルになることがある」と言われ、街中では写真をほとんど撮れずじまい。一方で食品や雑貨などが販売されている市内のスーク(市場)でも日中でも見かけるのは男性ばかり。国として本格的に観光客を受け入れるようになったとはいえ、やはり諸外国とは勝手が違うようだ。

 また、違うといえばトイレ事情も大きく異なる。男性用でも小便器を置いてあるところは少なく、女性用のように個室が並んでいるところが多かったのだ。しかも、日本の和式便所のようなトイレが結構な割合を占めており、国の玄関口でもある空港にもそうしたトイレが並んでいたのには驚かされた。

 けれど、そういう部分も含めて文化の違いであり、逆に新鮮に感じたのも事実。住むとなると大変だが、旅行先としてここまで文化の近いを体感できる国もそう多くはないだろう。

 個人旅行をするにはハードルが高いが、観光ビザ解禁で旅行会社のツアーが増えるのは確実。海外でもほかの国では味わえない経験ができるはずだ。<TEXT/高島昌俊>

【高島昌俊】
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。現在、自腹ビジネスクラス世界一周(3周目)の旅を実践中。旅の模様は日刊SPA!にて随時配信

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