メルカリで後払いサービスを悪用した詐欺発生。「損害賠償も」とPaidy側

日刊SPA! / 2020年1月15日 15時52分

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※画像は「メルカリ」のホームページより

 フリマアプリ「メルカリ」で今、トラブルが発生している。それはオンライン通販の後払い決済サービスを悪用した詐欺で、購入者は出品者への代金の他、決済サービスへの支払いを強いられてしまう仕組みだ。SNSでは「詐欺に遭った」という投稿が相次いだ。

 メルカリは売りたいものを気軽に出品でき、ちょっとした小遣い稼ぎになる。また、購入者にとっても「店に売られていない珍品」を探す絶好の場でもあったが……。

◆急成長の後払いサービス「Paidy」を悪用した詐欺が発生

 2019年のフィンテック業界で最も注目を集めたのは、「Paidy」(ペイディー)というサービスだった。Paidyと提携するオンライン通販サイトで買い物をし、「Paidy翌月払い」を選択すると支払いを翌月10日(口座振替は翌月12日引き落とし)までに先送りすることができる。クレジットカードを使いたくない時に重宝するサービスで、去年はヤマダ電機、ビックカメラ、そしてAmazonとの提携を開始した。

 また、Paidyは去年11月、シリーズC投資ラウンド156億円の資金調達にも成功している。まさに明け方の東の空を駆け上る太陽のような勢いだ。しかし、そのPaidyの仕組みが悪用されている。

◆「メルカリ×Paidy詐欺」の手口

 メルカリを介して商品を売ろうとしている出品者Aは、実はその商品自体を持っていない。どこかから拝借した画像だけを使ってメルカリで購入者を募る。売買契約が成立すると、出品者Aは購入者Bの個人情報を得ることができる。これを使って、Paidy翌月払いで第三者(Amazonやヤマダ電機など)の通販サイトから商品を手配する。

 商品は購入者Bの自宅に配送され、その後出品者Aはメルカリでの商品代金を得る。しかし、Paidyへの支払いはどうなるのか?

 Paidyは出品者AのメールアドレスとSMSに請求を送るが、彼はそれを無視する。すると今度は、商品を配送した先の住所にコンビニ振込請求書が届くという仕組みだ。「商品を配送した先の住所」とは、このカラクリについて何も知らない購入者Bの自宅である。

 つまり、購入者Bは二重の支払いを強いられてしまうのだ。もちろん、出品者Aは一切の元手なしに代金だけを詐取する。

◆「請求先住所=商品購入者の自宅」ではない

 ここで注目すべきは「請求先住所」である。Paidyの場合、この請求先住所と他の顧客情報(電話番号、メールアドレスなど)との照合がまったく行われていないという指摘がある。

 試しに筆者もAmazonのプラットフォームからPaidyの新規会員登録を実施してみたが、電話番号とメールアドレス、そして請求先住所を書き込んだあとは携帯電話へのSMS認証だけで登録が済んでしまった。

 電話番号の所有者と請求先住所の世帯主が同一人物なのか、という確認はとくになかった。金融サービスにしては本人確認がかなり簡単だ、という印象は否めない。いずれにせよ、「請求先住所の住人=商品購入者」とは限らないということで、Paidyはそれを事前に想定できなかったようだ。

 Twitterを始めとするSNSでは、Paidyに対する批判も相次いでいる。

◆CtoC(個人対個人)サービスの落とし穴

 Paidyがヤマダ電機、ビックカメラの通販サイトとも提携していることは先述したが、この記事を執筆している1月14日現在、両社はPaidyによる後払いを休止している。また、Paidyも14日付けでプレスリリースを発表、「全社を挙げて対応している」とコメント。

「弊社としましては、詐欺に関する被害届を警察に提出する予定であり、今後警察の捜査に全面的に協力すると共に、悪意ある者に対しては損害賠償を請求する所存です。弊社としましては、今後不正利用防止策の見直しを行い、再発防止を徹底してまいります。同時に、当面は被害拡大を防ぐため、悪用の懸念が高いお取引における『Paidy』決済サービスのご提供を一旦制限、もしくは停止いたします。本件の対応が完了次第、早急にサービスを再開させていただく予定です」(プレスリリースより)

 残念ながら、オンラインの世界にも詐欺師は存在する。メルカリとはCtoCのオンライン通販サービスで、即ち「個人対個人」である。信頼ある大手の業者が商品を出している、というわけではない。それを踏まえた上でメルカリを利用するべきであり、どうしても不安であれば大手企業直営のオンラインサービスで商品を入手する方法が一番手堅い。<文/澤田真一>

【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』

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