ソニーの電気自動車だけじゃない!CESで見えた2020年以降の技術トレンド

日刊SPA! / 2020年1月15日 15時54分

写真

ソニーが公開した電気自動車のコンセプトカー「Vision-S」

―[デジタル四方山話]―

 毎年、1月にラスベガスでは家電・技術見本市であるCES(シーイーエス)が開催される。160以上の国や地域から4500以上の企業が出展し、17万5000人以上が来場する世界最大規模のイベントとなっている。50年以上の歴史を持ち、現在では家電の見本市に加え、先端技術がお披露目される場ともなっている。

 CESでは数えきれないくらいのプロダクトが公開されるのだが、なかでも話題を集めたのがソニーが発表した電気自動車のコンセプトモデル「VISION-S」。33個のセンサーを搭載し、社内外の状況を把握できるようになっている。もちろん、エンタメやオーディオにこだわっており、後部座席を含めて映画を楽しめる。ソニーが車を作り始める、ということではないが、今後のクルマに不可欠な最先端の技術を持っていることはアピールできただろう。

◆ベンチャーから大学まで日本からも多数参加。注目株は?

 日本から参戦しているのは大企業だけではない。多数のベンチャーがブースを構えていた。「JAPAN TECH」には、株式会社All You Need Isの次世代型筋力トレーナー「Higatrec」、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学の植物生体情報計測用無線リアルタイムモニタリングシステム、株式会社toyouの熱中症対策を行えるセンサー「ロブセンス」、クリエイティブテクノロジーLABの静電気で吸着するバンドを備えるセンサー「ESC BIO-SONAR」、ITD Lab 株式会社の4K-CMOS 自動補正付きステレオカメラ、SENQのスポーツにおけるインテリジェントプラットフォーム、株式会社マクアケからは手間から解放されるIoTメジャー「hakaruno」、合同会社サウザンスマイルズの身体情報を取得するゲーム機、アースエンジニアリング株式会社の水素を含む蒸気を作り出すスイソニアの9社が参加していた。

 すでに製品化されているものだけでなく、その前段階のプロダクトが多いのもCESの魅力だ。

 奈良先端科学技術大学院大学のブースでは、時間同期式のプロジェクターカメラシステムを利用し、皮下の血管を可視化する技術や植物の葉を生きたままモニタリングする技術をを展示していた。類似のプロダクトよりも高精度の映像を撮影できるのが特徴だ。

 ここで目立っていたのが「Higatrec」。なんと、CES 2020 Innovation Award を受賞している。

 「Higatrec」の見た目はスポーツジムにあるようなトレーニングマシンだが、IoTデバイスで、コンピューター制御されている。ダンベルでは実現できない高効率のトレーニングを実現でき、もちろん記録も可能。バーから手を放しても落下しないので事故も起きない。アシストなしでもトレーニングできるので、人手でもかからない。ブースでは実際に体験できるので、いつも人が並んでいるほどの人気ぶりだった。

 JETROが主導するJ-Startupには29社が出展。リアプロジェクションでキャラクターを投影し、コミュニケーションを楽しめる「Gatebox」や、無指向性マイクを利用して特定方向の音だけを聞こえるようにするヒアラブルデバイス「able」などが展示されていた。

 今年は、セックステック、セクシャルヘルスといったプロダクトも多数公開されている。とはいえ、目立っているのは女性向け。スマホと連動するIoTデバイスで、デザインもクール。最初はなんのプロダクトかわからなかったほどだ。

 筆者はラスベガスには頻繁に来ているのだが、CESの時期は航空券もホテルも高騰するので、今回が初参加となる。現地で多数の経営者と交流する機会があったが、彼らもCESでとても大きな刺激を受けていた。業界向けのイベントなので、気になる展示があれば、話を聞くだけでなく、もう一歩踏み込んで商談も可能。実際、多数のブースで商談している様子を見かけた。

 CESは消費者向けテクノロジー業界に関係のある18歳以上の個人向けのイベントで、一般公開されていない。とはいえ、自動車、住宅、不動産、食品といった業界の視察や新規事業開発、コンサルティング、経営者といったテーマでのツアーも企画されており、エンジニアでなくとも幅広い方が参加している。料金は早割で100ドル、セッションやカンファレンスに参加したい場合は700ドル~となっている。興味のある方は、ぜひ来年のCES 2021への参加を検討してみてはどうだろうか。CES 2021は、1月6日から9日までの予定だ。

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2年前に海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げ、現在販売中

―[デジタル四方山話]―

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング