会社員でも確定申告は関係あり! やらないと損する節税対策

日刊SPA! / 2020年3月4日 8時53分

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 今年も確定申告のシーズンがやってきた。ほとんどの会社員は年末調整が済んでいるので「自分には関係ない」と思ってはいないだろうか? しかし、あなたの税金は、実はやり方次第でもっと減るかもしれない。お金の賢者や節税を実践している会社員の声を聞き、今から“余計な税金から逃れる知恵”を身につけてほしい!

◆会社員の節税は“2段構え”。払いすぎた税金を取り戻せ

 納税は国民の義務。とはいえ、毎月給料から天引きされる所得税と住民税の多さに奥歯を噛みしめる人は多いはずだ。会社員ならご存じの通り、そういった毎月引かれている金額は年末調整で再度計算されて、「課税所得」をベースに税金が決まる。たいていの場合は引かれている額のほうが多いので、「年末に税金が少し戻ってきて喜ぶ」というのが、会社員諸兄が毎年経験している納税パターンだろう。

 しかし、そこで満足してはいけない。あなたの税額を決める課税所得は、実はやり方次第でもっと減らせる可能性があるからだ。税理士の大河内薫氏が解説する。

「ざっくり説明すると、税金を減らす手段は『控除』と『経費』しかありません。その2つで課税所得を減らすのが節税です。そこで、会社員の節税では年末調整と確定申告の2段構えで考える必要があります。そもそも年末調整というのは、給与所得者の年間の所得税を計算するものなので、会社員の資料の出し忘れや会社の計算ミスで税額が変わります。だから、“さらに税金を安くする要素”を見つけたら確定申告をして一度払った税金を還付してもらう……というのが、節税のやり方ですね」

 そこでまずは、会社での年末調整の際に、できるだけ課税所得を減らすことが重要になる。

「社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など使えるものは漏れなく申請しましょう。さらに、投資をしながら節税したいという人は、iDeCo(個人型確定拠出年金)がオススメ」

 iDeCoとは毎月積み立てた掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減される制度のことだ。「老後2000万円問題」の際に話題になったので、昨年から慌てて始めたという人も多いだろう。働き方によって毎月の掛け金の上限が変わり、企業年金がない会社員の場合は、年間27万6000円までが所得控除の対象になる。それによって、例えば年収650万円の会社員なら、1年で8万円超もの節税になるのだ。

「iDeCoの掛け金を月払いにしていると、国民年金基金連合会から証明書が届きます。あとは年末調整の際に勤務先からもらう保険料控除申告書に書き込むだけ。デメリットは掛け金が60歳までロックされることなのですが、投資先を間違えなければ損はしづらい制度です。続いて、年末調整で対象にならない控除内容に関しては、確定申告で申請していきます」

 年末調整で対象外のものには、医療費控除や初年度の住宅ローン控除、ふるさと納税などがある。

「特に大きいのは住宅ローン控除。家を買う人はきっと調べると思いますが、初年度は確定申告が必要で、2年目からは年末調整で申請することになります。また、ふるさと納税は厳密にいえば節税ではないのですが、税金を自治体に“先払い(=寄付)”する代わりに返礼品が受け取れます。その分が実質的に節税になるというわけです」

 控除を受けるにはそれぞれ条件があるが、「確定申告って面倒くさそう」と敬遠するのではなく、まずは自分がどの控除を使えるのかをチェックすべきだろう。

◆副業所得が年間20万円超なら確定申告は必須

 また、昨今は副業解禁で副業をする会社員も多い。その場合、チェックしてほしいのは副業の年間所得額と、それが源泉徴収されているかどうかだ。税理士法人・響の税理士、佐々木丈彦氏が話す。

「まず、副業の年間所得額が20万円を超えたら、確定申告を“しなくてはいけない”と思ってください。そのうえで副業収入は『雑所得』か『事業所得』のどちらかで申告します。その際のポイントは事業所得にできるかどうかです。事業所得の場合、雑所得よりも経費にできる範囲が広くなりますし、青色申告なので最大65万円の特別控除が使えます。また、もし副業が源泉徴収されていれば、還付金が戻ることもありますから」

 さらにもう一つ、悪用厳禁だが、副業を節税に繋げる手段がある。

「副業を事業所得として申告すれば、本業と合算して『損益通算』ができます。つまり、副業での赤字分を本業の課税所得と相殺できるわけです。もちろん故意に赤字にするのはダメですが、設備投資などで一時的に赤字になったときには本業と合わせて節税できることもあるので、選択肢として覚えておくといいでしょう」

◆“情強”は血眼で課税所得を減らしている

▼こんな人は確定申告が必要

■各種控除が使える(医療費控除/住宅ローン控除/ふるさと納税、など)
■副業の年間所得が20万円超
■年収が2000万円を超えている
■2か所から給与をもらっているなど

▼会社員が使える主な節税手段

●iDeCo/iDeCoを利用したい場合、まず自分で各金融機関の申し込み掛け金と運用方法を選択する。掛け金は働き方によって変わるが、全額が所得控除の対象になり、運用益も非課税。また、60歳で受け取る際にも控除がある

●ふるさと納税/自治体を選んで寄付をする制度。家族構成や収入によって寄付できる上限額が変わり、合計寄付金額から2000円を引いた分だけ税額から控除される。ワンストップ特例という制度を使えば年末調整でも控除を受けられる

●住宅ローン控除/家をローンで購入した場合に最大500万円まで税額から控除される制度。使うには「ローンの返済期限が10年以上ある」「借り入れた人の合計所得金額が3000万円以下」「住宅の床面積が50㎡以上」など、細かい条件がある

●医療費控除/年間10万円以上の医療費を払うと所得控除される制度。控除額は医療費から「保険金などで補填された金額」と「10万円」を引いた額。また、総所得200万円未満だと対象になる条件が10万円ではなく総所得の5%になる

●副業/副業の場合、確定申告時に経費を計上して節税に繋げるのが主な手段。白色申告だと経費は「副業収入」からしか引けないが、青色申告なら副業での赤字分を本業と相殺できる。また、青色申告は最大65万円の特別控除も

【税理士・大河内 薫氏】
『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』(共著)が好評発売中

【税理士法人『響』佐々木丈彦氏】
税理士、社会保険労務士のほかAFP(日本FP協会)、DC(企業年金総合)プランナー1級(日本商工会議所)などで相談業務に従事

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>

―[会社員の節税マニュアル]―

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