「新型ヤリスvs新型フィット」は例えるなら「カプセルホテルvsアパホテル」のようなもの

日刊SPA! / 2020年3月15日 8時51分

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近所のディーラーで新型ヤリスに乗ってきました!

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

 世の中、新型コロナウイルスに激震中で、クルマどころの騒ぎじゃないが、クルマ業界は新型ヤリス対新型フィットという、日本を代表する小型車のニューモデル対決に粛々と沸いている……と言っておこう。

 新型フィットのプレス試乗会は、2月の最終週に行われたためギリギリ開催されたが、新型ヤリスのほうは3月だっため、あえなく中止されてしまった。そこで、近所のディーラーで実車を見て試乗してみました。

◆新型ヤリスと新型フィットは価格も性能もガチンコ!

 この2台、価格はほとんど同じ。ハイブリッドモデルのエントリーグレードの価格を比べると、

新型ヤリス HYBRID X(FF)199万8000円
新型フィットeHEV BASIC FF 199万7600円

 たったの400円しか違わない。

 ガソリンモデルは排気量が違うので単純比較はできないが、とにかく「値段は一緒!」と思っていい。

 乗り味はどうかというと、これも意外と似通っている。どっちもボディも足回りもしっかりしていて、小型車だけど走りは一級品だ。どっちも先代モデルに比べると、(ヤリスの場合はヴィッツから車名が変わった)、欧州車みたいなカッチリした走りをしてくれる。

 燃費は、ハイブリッドモデルに関しては、ヤリスのほうが2割ほどいいようだ。しかし、実燃費でリッター24km(ヤリス)vsリッター20km(フィット)の戦いってのは、金額にすると微々たるもので(月々数百円)、そこを気にするならカーシェアリングがオススメ。なにせクルマを買うと200万円は飛んでいくわけですから。

◆新型ヤリスと新型フィット、一番の違いは……

 この2台、実は一番違うのはインテリアの雰囲気だ。

 新型フィットは、インテリアにこだわっている。謳い文句は「日常がもっと心地よくなるように」だが、実際、シートや内張りはどこも自然素材っぽくてやさしい。例えればIKEAの家具っぽいと申しましょうか。決して高級じゃないけど、センスがよくて、癒される雰囲気だ。あるいはアパホテルですかね。アパホテルのインテリアは癒し感にこだわっていて、なかなかいいと思うのです。

 で、対するヤリスはどうかというと、車内に乗り込んで絶句した。

 この、ものすごい樹脂むき出し感! 写真ではわかりづらいけど、金型でスポーンと成形した樹脂をそのままバコーンとはめ込みました!としか言いようがない。謳い文句は「日常に感動を与える上質で心地よい空間」だが、実際は低価格大量生産の権化。自分がコンビニ弁当になった気分になる。宿泊施設ならカプセルホテル? 最近のカプセルホテルはもっとオシャレだろうと思いますが。

 これで値段が同じなら、どう考えてもフィットの勝ちだ。

◆それでも売れ行きはいい勝負になると予想する理由

 ちなみに室内の広さもフィットの圧勝。特に後席や荷室の余裕の差は相当デカい。ヤリスは広さを捨ててスポーティなスタイルを優先したので、確信犯なんだけど、値段が同じなら広いほうがいいって考えるのが人情でもある。

 それでも、トヨタの販売力はすさまじい。ホンダと比べると営業マンの力量の差もデカい。トヨタの接客は本当に隙がなくて、おもてなし感がスバラシイのだ。対するホンダは、どこかお高いと申しましょうか。一度トヨタでクルマを買ってしまうと、もうその安心感から逃れられず、他メーカーとの比較すら考えなくなる。

 どちらも月販目標台数は1万台。単純な商品力ならフィットの圧勝だけど、売れ行きはいい勝負になるでしょう。

取材・文/清水草一

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

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