コロナに便乗する悪徳飲食店…写真も限定メニューもすべて嘘!

日刊SPA! / 2020年4月1日 15時53分

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酒好きで飲み歩くのが趣味の筆者・吉沢さりぃ

 小池百合子東京都知事が緊急会見を行い「感染拡大の重要局面である」と語気を強めて言った。3月26日には近隣4県の知事とテレビ電話で会談し、人混みへの不要不急の外出自粛や、「換気の悪い密閉空間」「多くの人の密集」「近距離での会話」の条件が重なる場所を避けることなどを改めて呼びかけている。

 そんななか大打撃を受けている飲食業界。繁華街では閑古鳥が鳴いており、大手の飲食チェーン店ですら客足が遠のいている。個人店が経営難に陥り閉店するケースも見られるが、時短営業や割引キャンペーンを行うなど、なんとか持ちこたえようと必死になっている状況だ。

 しかしながら、今でも怒りが収まらない……。

 多くの飲食店がコロナ不況を打開しようと真っ当に営業していることを前置きするが、なかにはコロナに便乗して同情を誘いながら、客をナメている“残念”な店もあるのだ。今回は、筆者が都内某所の繁華街で実際に体験した出来事を話そう。

◆コロナ不況で苦しむ飲食店がTwitterで続々とSOS

 Twitter上には飲食店関係者の「コロナの影響で予約が減った」という嘆きの声が多数見られる。いつものように眺めていると、ひと際目につくツイートがあった。それは“3月限定”の文字とともに、いかにも美味しそうな焼き肉の写真が添えられ、破格の値段で提供するというものだった。そのなかには、普段はあまり食べられないような高級部位も含まれている。また、店内はオシャレで綺麗。

 どう考えてもお得。酒飲みで肉好きの筆者は迷わず、地元の女子会グループLINEにスクショを送った。

「これ! 行きましょうよ!」

 全員のテンションが上がり、ものの10分以内に“再来週の月曜日に4人で行く”ことが決まった。私はただツイートを見つけて提案しただけなのに褒め称えられ気分も良かった。大好きな友人と集まれる、そして美味そうな肉が食える、酒が好きなだけ飲める。しかも3000円で。コロナ不況で苦しむ店のためになればと思っていた。

 しかし、それは悲劇の始まりだったのだ。

◆入店後に違和感、載せていた店内写真と違う…

 その女子会を楽しみにしつつも別の女友達と飲む機会があった。彼女はデザイナーでもろにコロナの煽りを受け、仕事が暇だと嘆いていた。その時、ふいにあの店がよぎった。女子会同様、スクショを送ってみると彼女も快諾してくれ、当初より早く焼肉屋に行けることになった。

 TwitterのDM(ダイレクトメール)でも予約を受け付けてると書いてあったが、コロナ騒動の渦中とはいえ、当日予約は難しいだろうと思い、直接電話をかけてみた。すると、21時からなら可能とのことだった。店側からは「当日なのでキャンセルはお控えください」と再三念を押された。

 そして、実際に繁華街まで足を運んでみると、なんだか嫌な予感がした。通りにはキャッチの姿が多く、つまりルール無用の悪質な店がある場所ということの証左なのだ。

 ドアを開けた瞬間、不安が的中したことを悟った。まず、壁がおかしい。おかしいというより、Twitterに載せていた店内写真とは全く異なるのだ。

 若者たちが綺麗な写真を撮り“映え”と表現するが、当初期待していた映えどころの話ではない。そもそも違う店なのである。

 21時に予約してあることを告げると、不可解なことが起きる。店員は「すいません、ちょっと待ってください」と謝るだけで、席まで案内される気配がない。

 我々の前には、3組計10人の待ち人がいる。そして、15分が過ぎた。ここは繁華街であることから、飲食店ならいくらでもある。普段なら諦めて他店に行っているところだが、それでも待った理由は2つ。Twitterに載せていた肉の写真が豪華だったこと。そして、「お待たせしてスイマセン! サービス致します!」という店員のひと言だった。

 それから待つこと20分。予約した時間からは30分も待たせれたが、ようやく空腹の我々は席に案内された。もはや予約をしてもしなくても変わらないんじゃないか。座席数と予約数が明らかに合っていない。

 でも良いのだ。美味しければ。そう思い返し、席についた。

◆期待していた肉の高級部位が食べ放題メニューにない

 着席すると、私たちは「ウーロンハイ2つ!」と威勢よく頼んだ。

 寒い。店内が寒い。さらに、鉄板には全体的に汚れが目立つ。ツイートの効果なのか、店は大繁盛だったが、皿洗いが足りていないのかもしれない。この店で本当に厚切り牛タンが食べれるのか……という不安がよぎる。友人も「ここ、本当に大丈夫なのかな?』と苦笑していた。

 サービスの肉が届く。薄っぺらい牛タン数枚に、てんこ盛りになったピンクの肉。全く何の肉だかわからなかったが、やたらピンクだから、おそらく豚だろう。

 ウーロンハイに口をつけるが、マズい。焼酎と烏龍茶を混ぜただけのシンプルなお酒のはずなのに、人生で初めてウーロンハイをマズいと思った。友人が「これ無理、消毒の味がする」と顔をしかめる。そのウーロンハイを一口飲んだだけで、我々はハイボールを頼んだ。

 そのうちに焼いていた牛タンと豚が焼けた。友人の感想が全てを物語る。

「何の肉かわからないけど、お腹が空きすぎて、食べれなくもないけど、でも、美味くは……ないよねぇ?」

 他の肉を頼もうとメニューに目をやると、唖然とした。Twitterに載せていた高級部位がないのだ。

 もうここまで読めばおわかりかと思うが、ハイボールも飲めたものではなかった。大酒飲みで大食いの我々だが、会計をすることにした。2人で6000円ちょっとだが、結局、期待していた高級肉は1枚も食べれず、酒もほとんど飲んでいない。もちろん、その後の女子会はキャンセルすることにした。

 暗い気持ちで店を出る。筆者と友人は、飲み直すためにラーメンチェーン店「天下一品」に入った。このときほど、ウーロンハイが美味いと思ったことはない。温かいラーメンが身に沁みた。

 Twitter上には、飲食店に限らず、今回のコロナ禍で閉店せざるをえなかったという投稿も複数見られ、それが大きな話題となることもある。そんななかで、応援したいという人の気持ちを踏みにじるようなやり方はどうかと思う。

 苦肉の策だったのかもしれないが、やはり客としては納得がいかないものだ。<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。Twitter:@sally_y0720

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