都知事選“大本命”小池百合子、学歴詐称疑惑とコロナ対策で身内からも不満噴出

日刊SPA! / 2020年6月22日 15時45分

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6月10日に会期末を迎え、小池都知事は都議会自民党へ挨拶に。その笑顔とは裏腹に、鈴木章浩幹事長との間には隙間風が……

 首都・東京のリーダーは誰になるのか? 7月5日投開票の都知事選に注目が集まっている。夏の首都決戦とくれば熱い戦いが期待されるもの。だが、今回に限っては少々しらけムードにあることは否めなそう。小池百合子都知事の圧勝がほぼ確実されているためだ。自民党都連関係者が話す。

「メダリストでスポーツ庁初代長官を務める鈴木大地さんや経産省幹部と結婚された菊池桃子さん、東京が地盤で選挙に強い丸川珠代(参院議員)、松岡修造さん、果てはホリエモンを立てた場合を想定して世論調査を繰り返したのですが、誰も小池氏に勝てなかった。トリプルスコアで負けると予想される方が大半でした」

 立憲民主党関係者も嘆息する。

「当初、蓮舫副代表(参院議員)は出馬する気満々でした。世論調査では小池さんに惨敗することは明らかでしたが、負けても衆院への鞍替えができるので。ただ、コロナ禍で選挙活動が制限されることを考えると、衆院選に支障をきたすほどの大敗が予想されるようになって見送りへ。元文科事務次官の前川喜平さんの名前も浮上しましたが、負け戦とわかってて出る人なんて見つかりませんでした

 そんな戦に名乗りを上げているのは、立憲民主・共産・社民が支援を表明している元日弁連会長の宇都宮健児氏と日本維新の会推薦の前熊本県副知事・小野泰輔氏、告示日直前に出馬表明したれいわ新選組代表の山本太郎氏、ホリエモン新党で話題づくり勤しむN国党首・立花孝志氏を含めた計22人。

 だが、現職と戦うには力不足は否めない。都政担当記者が話す。

「宇都宮さんは’14年の都知事選で舛添要一さんにダブルスコアで敗れ、’16年は鳥越俊太郎さんとの野党分裂選挙を避けるために出馬を取りやめた。今回も国民民主が宇都宮さんへの支援を拒否するなど、野党の支持が固まらないかった。

 一方、小野さんは圧倒的に知名度がなさすぎる。12年にわたって蒲島郁夫熊本県知事を支えた実績はありますが、今回、副知事辞職にあたって蒲島さんを支援してきた自民党熊本県連と喧嘩して、維新を頼った経緯があります。吉村洋文大阪府知事の人気にあやかろうと考えたのは明らかですが、実は国政での勢力拡大を期する維新と利害が一致している。すでに年内にも実施されると囁かれている衆院選で、東京6区から小野さんが出馬することが内定していると聞いてます。

 都知事選は知名度アップを目的とした地ならしということ。立花氏に関しては、先日の港区長選でホリエモン新党の候補者が供託金没収の大惨敗を喫していることから、いわずもがなです……」

 後出しジャンケンで出馬を決めた山本太郎氏に対しては、身内とも言える左派からも批判の声が上がっている。立憲民主関係者が話す。

「当初からうちの執行部が山本氏擁立に動き、国民民主の小沢一郎さんが無所属の野党統一候補として出馬するよう説得を続けていましたが、『れいわ公認候補じゃないとイヤだ』と言い張り、その話は立ち消えになった。にもかかわらず、出馬表明した宇都宮さんへの支援をうちが打ち出したら、山本氏は宇都宮さんに『出馬を辞退してほしい』と直談判に行ったとされている。

 大阪の吉村知事など、コロナ禍で新たな”総理候補”が現れて自分の存在感が薄れてしまったことに、山本氏は危機感を募らせていたようです。仮に宇都宮さんを上回る票を獲得したとしても、分裂選挙の戦犯として批判の的になるだけ。宇都宮さんに水をあけられたら、左派のプリンスとして求心力低下は必至。どちらにしても、山本氏の存在感は今後、薄れていくでしょう」

 野党がバラバラなら小池圧勝も致し方なしか。ただし、小池氏に死角がないわけではない。一つには、“身内”からも噴き出した不満だ。都民ファースト関係者が話す。

「自民党の二階俊博幹事長との距離の近さを警戒している都議は少なくありません。小池さんの元秘書の荒木千陽都議は『絶対に自民党に頭を下げて推薦をもらうようなことはやめてください。私たちは来年の都議選で自民党と戦わなくてはならないんですから!』と、小池さんにものすごい圧をかけ続けていました。

 6月12日の出馬会見で『推薦をもらわない』と明言しましたが、自民党から推薦が出たら『応援しない』と話す都議も多かったんです。コロナ対策への不満を漏らす都議もいる。出馬表明に合わせるかのように、ステップ3への移行を発表したことに対して、時期尚早では?と不安を露わにする人もいた。実際その後、都内の感染者数は毎日2桁を記録して、感染第二波の疑いが生じています」

◆いつまでも消えない学歴問題

 ジャーナリスト・石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』(文藝春秋刊)で詳述された学歴詐称疑惑については、国立カイロ大の声明と卒業証書の公開により払拭したかに見える小池氏。だが、都民ファ都議からは「会見終了後に卒業証書のコピーを配るのにとどめ、証書に関する質問を受け付けなかったため、完全に幕引きを図ることができなかった。

 それどころか、首席卒業について『昔の話なので一つひとつは覚えていない』と発言して、かえって疑いを強くさせてしまった」という声も。いつまでも消えない学歴問題に、いら立ちを隠さない関係者も少なくないのだ。
 
 そんな身内に燻る不満に加えて、小池氏の不安材料となるのがコロナ対応だ。前出・都政担当記者が話す。

「都知事が出馬表明して以降、新規感染者数が20人を下回ったのは1日だけ。平均して30人以上おり、当初の東京アラート発出の目安となっていた『直近1週間平均の一日当たり新規感染者数20人以上』を超えています。夜の接待を伴う飲食店でのクラスター発生が、感染者数を押し上げているかたちではありますが、今後、第2波が本格化するようなら、自粛を解除した都知事の責任が問われるのは必至。小池さんにとっての都知事選最大の強敵はコロナと言って間違いないでしょう」

 そのため、注目は小池氏が獲得する票数に集まっている。

「小池都知事選の前回の獲得票数が290万票で、自公推薦の増田寛也さんが180万票でした。コロナ禍の影響で投票率が下がる可能性があることを差し引いても、400万票超えで圧勝する可能性は十分あります。一方で、300万票を大きく割ってくるようならば『小池人気失速』と報じられてもおかしくない。

 その小池氏の得票を左右しそうなのが、左派分裂の影響で2番手候補にも急浮上している維新推薦の小野さんです。吉村人気で維新の支持は東京でも広がって浮動票が流れやすいうえに、検察庁法改正案などで自公政権から距離を置くようになった保守層の受け皿にもなりえる。吉村府知事が応援演説に入るようなら、さらに票の上積みが予想されます」(国民民主幹部)

 夏の激闘は間もなく決着する。

取材・文/2020都知事選取材班 写真/時事通信社

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