入社初日に職場から姿を消した新入社員。会社支給のガラケーにご立腹…

日刊SPA! / 2020年7月21日 8時52分

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今では珍しくなったガラケー

 コロナウイルス感染者がいま再び急増している。新入社員たちは、ようやく6月から出社できたと思いきや、またテレワークに戻るのか……。先行きが見えないなかで不安な日々を過ごしているかもしれない。しかしそれとは無関係に、毎年すぐに辞めてしまう新入社員もいる。退職理由も様々だ。

◆退職理由は“ガラケー”!? 入社初日に失踪した新入社員

「ヘアスタイルが派手、茶髪で夜の接客業をしていると言われても不思議に思わない雰囲気でした」

 保険関係の仕事をしている菅野梢さん(仮名・30代)が、入社初日に辞めた新入社員についてこう振り返る。

「第一印象は若いなぁ~でした。朝の朝礼が終わり、彼は研修担当者に職場を案内してもらったりしていて、時折笑い声も聞こえてきたので、楽しんでいると思っていました」(菅野さん、以下同)

 その後は会社携帯の説明や今後の研修など、ひと通りの流れを説明。和やかな空気に包まれており、彼が真面目で熱心なことに菅野さんは感心したという。

「私は、彼を横目で見つつ、安心して自分の仕事に集中することができていました」

 ランチタイムになり、その日はみんなで食べようと会社の外にあるイタリアンレストランでランチを食べることになったそうだ。この時も、彼は楽しそうに趣味の釣りや登山について熱く語っていたと話す菅野さん。

 しかし、ランチタイムが終了した後、事件は起こる。

「臆することなく人の輪に入ることができる性格に『大丈夫だろう』と思っていたのですが。レストランから会社に戻ろうとした時、『忘れ物をした』と彼が言い出したのです。特に気にも留めず、私たちは先に戻りました。しかし、彼は午後になっても会社には戻らず、電話をしても出ない状況でした」

 上司も彼に連絡したのだが、やはり繋がらなかった。そして、日を改めようということで話がまとまりかけたところ……突然会社の電話が鳴り響く!

「電話の相手は新入社員からでした。上司が何事かと聞いたところ、彼から返ってきた言葉に衝撃を受けました。『会社携帯がガラケーだったから持ち歩きたくない。それを強要されるのであれば辞めてしまう方がマシだ』と。そういう結論に至ったようです」

 さすがに、上司もこんな社員は初めてだと溜息をついていた。

「たかが携帯……それも会社のものなのに、なぜガラケーではいけなかったのかは未だに謎ですね」

 彼にとっては「スマホ」と「ガラケー」の違いは重要だったのだろう。

◆「私にはサラリーマンは合いません」転職回数は数知れず…

「私には、どうもサラリーマンは合わないみたいなんですよね~」

 学生時代のアルバイトを含めて100社以上も転職経験があるという森幹夫さん(仮名・40代)。彼は、自分自身が「すぐに辞める新入社員」だったという。

「工業高校電気科を卒業後に勤めた会社は、3か月ももたないで退社しました。その後、2年間は職人として工事現場でかなり頑張りましたよ」(森さん、以下同)

 そして、いくつかの会社を転々とし、電気工事の現場代理人として正社員で働き始めた。そこで辞めるまでの経緯について赤裸々に話す。

「内勤勤めは困ることがたくさんありました。今までは、外で動き続ける仕事ばかりでしたので、図面を描いたり、事務仕事をしたり……。僕にとっては苦痛な仕事内容でした」

 森さんは、慣れない仕事からよく窓の外を眺めては「自分は何をしているんだろう」と考え、ボーっとしていたという。

「日々、自分のおこなっている業務に対して『向いてないな』と感じていました。なので、時々現場に視察に行くことが楽しかったですね」

 仕事がアウトドアからインドアに変わり、とにかく椅子にずーっと座り続けていることを苦痛に感じた森さん。そんな姿勢で仕事にのぞんでいたせいか、やらかしてしまった経験も多々。

「現場への視察は上司と共に行くのですが、退屈すぎて助手席で眠ってしまい、よく足を蹴られて怒られました(笑)」

 そんな森さんにとって一番困った仕事が電話対応だったそうで……。

「私は、もともと口が悪いので、お客様と普通に会話していてもクレームになってしまうんですよね。基本的に誰に対しても、半タメ口なのでほぼ不可能でした。相手が官庁のお偉い方のときは、専務から30分以上説教されたこともありました。特に新人研修もありませんでしたので本当に大変だったと記憶しています」

 客からわからない言葉が出てきたときは、むしろ客から教えてもらうことにもなり、通常10分の会話が倍以上掛かってしまうこともあったという。

 とはいえ、電気工事という職種は嫌いではなく、明るく職場を和ませるヒューマンスキルが備わっていたと自認する森さん。たくさんの同僚や先輩、上司たちに可愛がられていたという。しかし結局は、「自分にはサラリーマンは無理」ということで退職を決意したのだ。

 職場に告げると、退職することを引き止められた森さんだが……。当時は若かったし、辞めることを押し通したようだ。その後は、職人として現場に戻ったと苦笑いしながら話すのだった。

――業務内容や社風など、入ってみなければわからないことも多々ある。慣れるまで頑張るのか、それとも早めに見切りをつけるのか。正解は、本人にしかわからない。<取材・文/chimi86>

【chimi86】
ライター歴4年目。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。Instagram:@chimi86.insta

―[モンスター新入社員録]―

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