毎日ダルいのは、運転中の姿勢や通勤靴のせいかも。“健康残高”を増やす習慣

日刊SPA! / 2020年8月4日 15時50分

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「あぁ、通勤って、こんなにしんどいものだったんだ…」
テレワーク中に、たまに通勤すると、そう感じないだろうか? 今まで気づかなかった、からだへの負担――。

 私たちは、朝起きてから夜寝るまで、数え切れない行動をしている。からだにとってマイナスな行動も、プラスな行動もある。それらを数値化して、「健康残高」という独自のアイデアを提唱しているのが、整形外科医の山田英嗣医師だ(やまだ整形外科院長)。たとえば通勤でヘトヘトになるなら、何かがあなたの「健康残高」を減らしているのだろう。

「健康残高は、加齢によって少しずつ減っていきます。その一方で、毎日の生活で、健康残高を増やすこともできるのです。私自身これを実行して、25年間、風邪ひとつひいていませんよ」(山田医師、以下同)

 勤務医時代からのべ80万人を診療したという山田医師、その経験則から数十項目を点数化している。たとえば「朝食前の散歩や運動」は「-2点」など、「えっ、健康にいいんじゃないの?」と驚くものも。その点数表とともに、解説した著書『免疫力を上げる「健康残高」の増やし方』を最近上梓した。

 今回は、整形外科医の専門である「姿勢」を中心に、通勤のシーンについて話を聞いてみた。
(カッコ内の点数は、山田医師のメソッドによる加点・減点)

◆通勤や移動は、革靴でなくスニーカーで

 山田医師は、家にいる時以外は、ほぼスニーカーで過ごしているという。学会やパーティでも、移動はスニーカーで、会場についてから革靴に履き替えるとか。

「歩くことは『運動』なのですから、『運動靴(スニーカー)』を履くべきなのです(+2点)。それを、革靴やパンプスで1日中歩いている(-1点)としたら、からだのあちこちに支障が出るのは当然のことです。
 アスファルトを革靴やヒールで歩くと、かなりの衝撃がかかり、その衝撃は足裏から膝、腰、背骨、首を通って、脳へ伝わっていきます。
 スニーカーで歩くことは、脳を守ることでもあるのです」

 特に、つま先が細い、とがったデザインの革靴・パンプスは避けるべき。
 靴をスニーカーに変えただけで、脚まわりの痛みや、偏頭痛、肩こり・腰痛などが軽減した患者さんも少なくないという。

◆可能なら車通勤に。階段よりエスカレーターを

 通勤電車のからだへの負担は、特に都会なら、誰しも痛感するだろう。立ちっぱなし、押し合いへしあい、暑い…。
 山田医師は、もし可能なら、電車よりも自動車や電動自転車での通勤(+2点)を勧める。「常に、からだにとって楽なほうを選ぶのが、健康残高を減らさないためのカギ」だというのだ。

 同じ理由で、「階段とエスカレーターがあれば、迷わずエスカレーターに乗りましょう(+1点)。駆け上がったりもしないほうがいい」という。
 これは意外! 階段を駆け上がるほうが、運動になって健康によさそうなのに…。しかし、山田医師の患者のなかには、「運動信仰」でウォーキングなどを無理に続け(-1点)、衝撃によって膝や腰や首がボロボロに傷んでいる人が多いという。
 エスカレーターで「からだに楽をさせるべき」というのが、山田流だ。

◆車を運転するときは正しい姿勢で

 自動車通勤のほうがからだが楽だとはいえ、運転するときに正しい姿勢でなければ台無しだ(もちろん通勤にかぎらず)。では、山田医師が言う、運転時の正しい姿勢とは?

<運転するときの正しい姿勢>
・お尻は、座席のやや前方に置く
・そこから上半身を自然に後ろに倒していき、シートバックに背中をつける
・自然に後頭部をヘッドレストにあずける

 この姿勢だと、ちょっと寝そべっているように見えるが、首も腰もすごく楽なのだ。

<運転するときの間違った姿勢>
・シートバックに腰から背中をしっかりつけ、90度の角度で座る
・頭がヘッドレストから遠く、揺れるような状態

「間違った姿勢だと、発進時や運転中に頭の揺れが大きくなり、首へのダメージも大きくなってしまいます。肩こりや頭痛、耳鳴りなどを引き起こす可能性もあります」

◆人に追い抜かれるぐらい、ゆったり歩く

 山田医師から見ると、正しい歩き方ができている人は本当に少ないそう。歩くときの姿勢について、詳しくは同書を見てほしいが、ひとつには「歩くスピードが速すぎる」のが問題だという。

「早く歩こうとすると、上半身が前に倒れ、『前傾姿勢で歩く』ことになります。これは、重心がつま先にかかり、からだにさまざまな負荷をかけてしまうのです。

正しい姿勢とは『かかと重心』であり、それは歩く時も変わりません(+3点)。最初にかかとをそっと着地させ、次に足裏全体をゆっくり地面に下ろしましょう。
かかと重心だと、早くは歩けませんが、それでいいのです。周りの人にすごいスピードで追い抜かれるほど、あなたの健康残高が上がっていく、くらいに考えましょう」

 山田医師のメソッドは、上記以外にも食事やメンタルなどすべての生活習慣にわたる。
 貯金残高を気にするように、毎日の健康残高を意識すれば、病気を寄せ付けないからだになれるというわけだ。

【山田英嗣 やまだ・えいじ】
1964年生まれ。名古屋大学医学部卒、大学関連病院などで整形外科医として勤務後、名古屋大学大学院で遺伝子操作の研究に携わる。ATP分解酵素の制御タンパクをマウスでクローニングすることに世界で初めて成功。1999年、名古屋市内にやまだ整形外科を開業。著書に『免疫力を上げる「健康残高」の増やし方』がある

<文/日刊SPA!取材班>

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