安全なマスクをどう選ぶ? メガネがくもる、デザイン重視…の危険性

日刊SPA! / 2020年8月13日 15時51分

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 ユニクロやミズノ、青山商事など、様々な企業からマスク製造への参入が相次いでいる。一方、政府は7月末に8000万枚の“アベノマスク”追加配布を発表したが、「必要ない」などの声が噴出して断念した。

 深刻な「マスク不足」に悩まされていた時期もあったが、今は豊富な数と種類のマスクが店頭に並ぶようになった。いったい私たちは、何を基準に着用するマスクを選べばいいのだろうか。

「otonadekodomo」という子供服ブランドを展開する傍ら、「otonadekodomoマスク」を今年4月に販売し、100万店舗が登録する巨大通販サイトBASEで総合ランキング1位を獲得した株式会社オーチ代表の赤尾翼氏に話を聞いた。

――そもそも、どうしてマスクを製造しようと考えたのでしょうか。

赤尾翼氏(以下、赤尾):私は子供がいて、子供用マスクの質に不安を感じたのがきっかけでした。

 キャラクターものとか、子供が気にいることを重視して安全性を考慮していないマスクが多くて、子供が安心して外出できるマスクを作りたいと思ったんです。

 アパレルをやっている関係で中国の医療用マスク製造工場と繋がりがあり、1月ごろから製造販売の準備を始めました。徐々に主製品の子供服が売れなくなってきたので、いいタイミングだったと思います。

 私がマスクのデザイン変更を求めると「ウィルスのカット率が低くなるぞ」と言われたりして。工場とオンラインで何度もやりとりを重ねて試行錯誤するうちに、自然とマスクに詳しくなっていきましたね。

――安全性の高いマスクとはどんなマスクでしょうか。

赤尾:マスクを作っていくうちにわかったのは、どの企業も生地に関してはウィルスを通さないようにこだわって作っているということ。水着素材やエアリズムなど、企業がマスクを販売するときにPRするのは生地ですよね。

 なので、安全性という点で考えるとあまりマスクの生地の質に不安を感じる必要はないという学びがありました。

 私がマスクを選ぶ際に一番重要だと思うのは、自分の肌とマスクの間に隙間ができていないかという点です。いくら生地の良いマスクをしていても、隙間ができてしまっては空気感染や飛沫感染を防ぐことはできません。

 N95(医療用として国から認可が下りているマスク)を長時間つけた人の顔は、肌とマスクの境界線が圧迫されて赤くなります。それくらい、マスクと肌との隙間が危険だということです。

「マスクをしているとメガネが曇る」というような人は自分のマスクを見直したほうがいいと思います。立体的で肌との隙間ができないマスクを着用してほしいですね。

 あと、繰り返し使うマスクであれば洗い方も重要です。ウチのマスクのように防水であれば比較的簡単にウィルスが洗い流せますが、そうでない場合は各メーカーのサイトや記載を見て洗い方を把握したほうがいいでしょうね。

◆「なんとなく」マスクをつける人たち

――しかし、街を歩いていると、大体の人がこだわりなく不織布マスクをつけている印象を受けます。

赤尾:そもそも不織布マスクというのは、他人にウイルスを飛ばさないためにつけるもので、自分を守るためのマスクではないんです。

 マスクをつけないまま外出するのはエチケット的にまずい、というような理由でなんとなくつけてる人がほとんどなのではないでしょうか。

――アベノマスクやユニクロなど、他社が製造しているマスクをどう思いますか。

 アベノマスクに関していうと、不織布マスクと一緒で「自分を守る」という意味では機能しないと思います。

 肌とマスクの隙間をなくすためにマスクの面積というのは大事な要素なんですが、つけている人のアゴがマスクから出ているのを見ると心配になりますね。

 ただ、マスクを配ることによって国民にマスク着用を意識づけるという意味では効果があったのかもしれません。

 ユニクロさんに関しては、最初に「蒸れないマスクを作ります」と言っていましたが、開発は相当難しかったんじゃないでしょうか。

 蒸れないためには生地を薄くする必要がありますが、その安全性が下がってしまう。通気性と安全性の両立を目指した結果、ユーザーの期待より分厚く、蒸れやすくなってしまったんだと思います。

◆ちゃんと品質表示したマスクを選んでみる

――ユニクロを筆頭に、アパレル業界からの参入が多く見られますね。マスクに対するノウハウがあるのか、不安を感じる人もいると思います。

赤尾:実は、マスクって医療用の認可を得ずに「雑貨」として販売することができるので、参入するハードルは高くないんです。

 逆に、医療用の認可を得るのは条件も厳しく長期間を要するので、ウチも含めてほとんど全てのマスクは「雑貨」として販売されています。

 品質表示の必要もありません。なので、ビジュアルや生地を重視しすぎるあまり機能性が疎かになったマスクを販売するアパレルブランドもあるのが現実です。商品パッケージに品質表示を記載しているかをチェックすれば、そのマスクがどれだけ安全性に自信があるかわかるかもしれません。

――マスクの需要はこれからも高まっていくでしょうか。

赤尾:マスクはもはや日本の文化ですし、コロナが完全に終結するとは思えない。ワクチンが開発されていない中でできるのは、飛沫感染や空気感染を防ぐことだけです。

 マスクブームを経てお客さんのマスクに対する目も厳しくなると思うので、いずれは医療用として認可されることを目指して頑張っています。必要とされ続けるものを作りたいですね。

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 取材中、赤尾氏のメガネは一度も曇ることはなかったが、不織布マスクをつけた私のメガネは曇っぱなしだった。今やどこでも簡単に購入できるマスク。そのマスクが自分を守ってくれるものなのか、しっかりと見極める必要があるのかもしれない。

【赤尾翼】
株式会社オーチ代表。「大人が着たくなる子ども服」をコンセプトに、ブランド「otonadekodomo」を展開。今年の4月から「otonadekodomoマスク」の販売を開始し、通販サイトBASEで総合ランキング1位になり話題を集める。otonadekodomo公式通販サイト

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