小学校で授業が再開。夏休みの宿題「絵日記」をめぐり、ひと悶着も…

日刊SPA! / 2020年8月25日 8時50分

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宿題の定番といえば「絵日記」だが…

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で長らく休校だった各地の小中高校では、ひと足早く夏休みが切り上げられ授業が再開されている。猛暑の中、子どもたちには酷かもしれないが、こうでもしないと授業の遅れは取り戻せないという教育関係者たちの思いも垣間見える。通常よりも短い夏休み期間だったが、ある「宿題」が生徒や保護者から物議を醸してしまうケースもあるという。

◆宿題の定番、“絵日記”をめぐりひと悶着

 授業が再開された千葉県内の小学校教諭・野間明彦さん(仮名・30代)が打ち明ける。

「休校期間から間髪入れずに夏休みに入ったこともありますが……。なかには、宿題を全然やってこない子もいました」(野間さん、以下同)

 また、子どもだけではなく親も出てきて「出来なかった」と詫びを入れてくる「宿題」があるという。

「“絵日記”です。夏休みはほとんどどこにも行かなかったという家庭がほとんど。絵日記に描くようなことを一切やっていないということで、どうしても出来なかったと親御さんから電話がありました」

 夏休みの宿題の定番といえば「絵日記」であり、先生たちもコロナ禍の夏休みとはいえ、特に深く思慮することもなく「絵日記」の宿題を課したに違いない。東京都内の小学校教諭・増谷祐子さん(仮名・40代)も、この絵日記のせいで、保護者から猛烈な批判を浴びたという。

「お子さんによっては、近場に旅行に行ったりしていました。自粛されていたこの親御さんが、外出した子が書いた『プールに行った』という絵日記を知ったらしく、『コロナなのに外出した子がいる』と大騒ぎしちゃって……。自粛をしない家庭の子は隔離するべきなどと学校に電話をかけてくるんです。子どもたちの間でも、一切家から出ていない子が、外出した子を責めたりして……」(増谷さん)

 思わぬところから生まれたトラブルで、ただでさえ忙しい教師たちがますます追い込まれていることも容易に想像できる。絵日記の宿題を巡るトラブルは他にも起きている。

◆「自粛してない」のツッコミも…

「毎年毎年、高級レストランに行った、海外旅行に行った、と子どもに“嘘”の絵日記を書かせる親御さんがいらっしゃるのですが……」

 関東地方の私立小学校教諭・西本香苗さん(仮名・30代)のクラスに在籍するA子ちゃんは、毎年夏休みの絵日記に、にわかには信じがたいことばかり書き、同級生を驚かせていたという。ハワイに行った、フランスに行った、豪華客船でクルーズに行ったなど……本人に聞けば言いにくそうに認めるものの、西本さんは真実を知っていた。

「親御さんが見栄っ張りで、お子さんに嘘を書かせるのです。旅行に行って美味しいものを食べた、というお子さんの絵日記を他の親御さんに褒められたことがきっかけで、そこからエスカレートしたらしいと他の先生から聞きました」(西本さん、以下同)

 今年の夏休みはわずか2週間ほどだったが、A子ちゃんが提出した絵日記は、想像通りのてんこ盛りだった。だが……。

「今年は東京で買い物をしたり、オーストラリアにも行った、という絵日記で、他の生徒から『自粛していない』とツッコミが。さらに詳しい子がいて『海外旅行にはいけないはず』との指摘が入りました。かわいそうに、A子ちゃんは行ったと言い張るしかなく、嘘つき呼ばわりされてしまい……。A子ちゃんのお親御さんに電話すると絶句していましたね」(西本さん)

「当たり前」のことができなくなってしまったコロナ禍ならではの出来事ではあるが、何もトラブルだけが起きているのではない。千葉県内の小学校教諭・細川裕太郎さん(仮名・20代)の話。

「夏休み、どこにも行けなかった子がほとんどでしたが、工夫を凝らして面白おかしく自粛期間を描く子が多く、いつもと違う日常を子どもたちなりに強く生き抜いていたことがよくわかりました。特に家庭事情を絵日記にしてくる子が目立った印象です。子どもたちにとって、改めて家族を観察する、分析するということが楽しかったようです」(細川さん)

 逆境でも怒らず腐らず、状況に応じて強く生きる。絵日記を巡る小さなエピソードではあるが、我々大人がなかなか気づかないことを、子どもたちが教えてくれているのだ。<取材・文/森原ドンタコス>

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