安倍総理の健康不安で高まる、河野太郎首相の待望論!?

日刊SPA! / 2020年8月26日 8時51分

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写真/産経新聞社

 国会が閉会しているにもかかわらず、妙に永田町が騒がしい。2つのニュースが住人たちの話題をさらっているためだ。ご存じ、野党合流と安倍首相の体調不安説だ。

◆新党合流を決断しかねる議員たち

 8月19日、立憲民主党と国民民主党は解党したうえで合流新党を結成することを決定した。ただし、玉木雄一郎・国民民主代表は「合流しない」と明言。大半が立憲と合流して新党メンバーは無所属グループ20人を含めて150人程度に、“玉木新党”は10人程度になる、というのが大方の予想だ。が、実際には今なお新党合流を決断しかねている議員が多いという。国民民主関係者が話す。

「立憲との合流組はできれば党の資金をすべて新党に持参したい。それで反合流派が少数派工作を繰り広げています。分党の際、政党助成金は議員数に応じて配分されますが、仮に玉木新党組が5人未満となれば政党要件を満たさず、すべてのカネを持参できる。水面下でカネの争奪戦が繰り広げられているので、玉木代表は記者会見で『内ゲバをするぐらいなら、全額国庫に返したほうがいい』とけん制したのです。

 ただ、5人に満たない可能性は限りなく低い。民進党時代からの支持基盤である連合が割れているからです。もともと、連合は日教組や自治労など公務員の労組からなる総評と民間企業系労組からなる同盟の2つを中心に4団体が合流して結成された組織ですが、同盟系には電力総連などが含まれており、立憲が掲げる『即時原発ゼロ』とは相いれない。共産党に対するアレルギーも強い。立憲と合流しても連合の支援が受けられるかわからず、頭を悩ませている議員が多いのです」

 背景にあるのは次の衆院選に対する危機感だ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が話す。

「6月に国民民主は独自に世論調査をやったのです。すると4回生クラスのベテランは順当に勝てても、若手や比例選出は全滅に終わる可能性が高いと判明。だから、若手を中心に合流を求める声が高まった。一方、玉木代表は新型コロナ対策でいち早く10万円の一律給付を提案するなどして、政策提案型の野党としての自信をつけた。この温度差が合流組と玉木組を生んだのです」

 鈴木氏曰く「立民の選対幹部は150人規模の合流新党で衆院選を戦えば、共産党との選挙協力で130議席以上を獲得し、自民党を単独過半数割れに追い込むことも可能だと分析している」とか。だが、政治ジャーナリストの藤本順一氏は、その見方に懐疑的だ。

「今回の合流新党は、攻めの合流ではなく、自分たちの議席を守るための合流にすぎないからです。いまだ候補者のいない選挙区がいくつもある状況では、政権交代など期待できない。実際、毎日新聞の世論調査では、新党に『期待が持てる』と回答したのは17%にとどまっています」

 藤本氏は「そもそも、立民合流新党は戦う相手の顔も見えていない」とも主張する。リンクするのが、安倍首相の健康不安説だ。

「連日のように病状に関する噂や憶測のメールが流れてきます。持病の潰瘍性大腸炎が進行したと言われていますが、8月25日の自民党役員会を中止し、27日に予定されていた連続在職日数記録が歴代最長となることをお祝いする会も延期されたため、相当、病状は悪いという見方が広まっている」(二階派議員)

◆臨時代理は菅官房長官で総裁選前倒しなら河野首相?

 すでに報じられているとおり、安倍首相は8月17日に7時間にもわたる検査を受けた。その後、公務に復帰したものの、健康不安を払しょくするような言動は見せていない。おのずと現実味を帯びてきたのが、内閣総辞職と早期解散だ。

「公務を続けるのが難しいようであれば、9月の内閣改造前の総辞職と臨時代理を置いての政権継続が考えられます。臨時代理を置く場合は麻生太郎副総理か菅義偉官房長官のどちらかと言われていますが、麻生氏と二階俊博幹事長が疎遠なことを考えると、菅氏で落ち着く可能性が高い。

 一方、総辞職ともなれば来年9月の自民党総裁選を前倒して実施するパターンと、小渕首相が倒れたときのような“密室談合”で次期総理・総裁を決めるパターンがあります。ポスト安倍の有力候補は岸田文雄政調会長と石破茂・元幹事長ですが、麻生氏が支持する岸田氏は選挙の顔とするには弱すぎる。

 片や石破氏は党員には人気があっても、議員の支持が広がらず、安倍首相と麻生氏から毛嫌いされている。総裁選に出馬しても、緊急性を伴うことを理由に党員投票を省略されたら首相の目はなくなる。菅氏の線もありますが、官房長官という首相の女房役である以上、共に身を引くのが筋。ワンポイント起用の可能性はあっても、前倒しの総裁選を経ての首相というシナリオは考えにくい」(藤本氏)

 そこで急浮上してきたのが、なんと河野太郎首相待望論だという。

「陸上イージスの撤回で決断力を示して以降、評価は急上昇。安倍首相も早くから、次期候補に河野氏の名前をあげていたとされています。麻生氏は『河野はまだ早い』と否定的ですが、安倍首相が次期候補に求める外交と安全保障の双方に精通しているうえ、菅氏とは当選同期で、甘利明氏や小泉進次郎氏を含めた神奈川県勢。派閥を跨いで自民党若手議員からも河野押しの声が高まっていることを考えれば、十分、現実味のある話です」(同)

 河野首相の下での解散総選挙となれば、対安倍シフトを敷いてきた立憲および立憲合流新党には打つ手がない、というのが藤本氏の見方。「10月に来年の五輪中止が発表され、11月にトランプ大統領が敗れる可能性があるだけに、その前の秋解散の機運が高まっている」(鈴木氏)ようだが、“大きな塊”となる野党はどう戦うのか? 秋の永田町を注視したい。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!8月25日発売号より

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