コロナ感染の過去を隠すのってアリ?飲み会で打ち明けられて絶句

日刊SPA! / 2020年10月8日 8時53分

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えみさんは再度PCR検査を受けて「陰性」の結果に。日常生活に戻りつつあるが…

 東京都内では再び新型コロナウイルスの感染者数が増えている。いくら対策をしていても完全に防ぐことはできない。

 もしも陽性だった場合、他人に感染させないように徹底しなければならない。保健所や病院などの専門機関の指導に基づき、行動するべきだ。コロナ感染者も治療後は、日常生活に戻るわけだが、職場や自分自身の都合から“あえて話さない”人もいる。

◆保健所から「濃厚接触者」として電話がきた

「じつはコロナ陽性でした。現在は治療を受けて陰性となったのですが、周りにはずっと隠していましたね」

 うつむきながら打ち明けるのは、長澤えみさん(26歳・仮名)だ。彼女はいわゆる“夜の街”、繁華街のバーで働いていた。

「緊急事態宣言で休業の要請が出たときも 、店は開いていました。私はレギュラー出勤。週5勤務の契約ですが、正社員というよりバイトに近い立場。だから出勤しないと、1円ももらえない。コロナの感染が怖いと思いつつも、生活ができなくなる怖さが勝って出勤していました」

 毎日の検温や消毒、手洗い、うがいには気をつけていたというが、ほどなくして体調に変化が起きる。

「急に熱が39度以上出たんです。私は風邪を引きやすいタイプだし、コロナの疑いって『37.5度以上の発熱が4日以上続く場合』と報道されていたから、どうなのかなって思いながら1日休んだら、翌日に保健所から電話がかかってきて。私は友人の濃厚接触者だったみたいです」

◆まさかのコロナ陽性、職場の対応は…

 保健所の指導の元、PCR検査を受けたところ、えみさんは陽性。「まさか自分が……」と肩を落とした。

 そして、保健所から濃厚接触者と判断された従業員のみに連絡がいったという。えみさんは指導に従って真っ先に職場に連絡したが、オーナーの反応は意外なものだった。

「じつは、従業員全員が濃厚接触者というわけではなくシフトが何日も被ってない人は、濃厚接触者には該当しないそうなんです。従業員4人のうち2人だけが濃厚接触者でした。オーナーからは『申し訳ないけど、休業になったら(店の)家賃が払えないからこのことは絶対に黙っていて欲しい』と頼まれたんです。沢山お世話になったし、ずっと赤字だったのも見てきているんで、ここで店を閉めて業者に頼んで消毒するのは厳しいんだろうなって。私がコロナだったことは同棲中の恋人にしか話しませんでした」

 その後、えみさんはコロナ陽性者用のホテルで隔離生活を余儀なくされた。

「治るまでホテル暮らしをしていたんですが、仲のいいお客さんには『おばあちゃんやおじいちゃんがいるから繁華街での仕事を止められてる』ってことにしておきました。まあ、勘がいい人は気がついていたんじゃないかと思いますけど。とにかく夜の店に対する圧力が強かったですからね。オーナーだって、もっと国が保障をしてくれたりすれば、こんなことはしなかったと思います」

 えみさんはオーナーの肩を持ちつつも「判断が正しかったとは思っていない」と話す。だがその間、多くの飲食店が売り上げが立たず、閉店に追い込まれた。なんとか営業を続けてきた店もあるが、これは氷山の一角に過ぎないのかもしれない。

◆コロナ陽性だった過去を言わずに飲み会に参加はアリ?

 東京都では飲食店の時短営業の要請も解除され、久々に飲み会を行ったという人も少なくないはずだ。しかし、そこで“コロナ意識”の違いが浮き彫りになることもある。竹山沙代さん(30歳・仮名)が憤る。

「緊急事態宣言前はよく集まっていたメンバーと久しぶりに女子会をしたんです。参加者のひとりであるA子が、ほろ酔いになってきたところで『そういえば私、コロナだったんだ~』と言い放ったんです」

 彼女の爆弾発言に、女子会メンバーだけではなく、付近の客まで凍りついた。

「あまりのことに飲んでいたビールを吹き出しました。隣の隣の席のお客さんもこっちむいてヒソヒソ話を始めて、雰囲気は最悪でした」

 A子の友人がコロナの陽性になり、濃厚接触者と判断された。PCR検査を受けたところ自分も陽性だとわかった。味覚や嗅覚に異常はなく発熱もほぼなかったそうだ。

 彼女はコロナ軽症者用のホテルでしばらく療養していたようだが「無料でホテルに泊まれてゆっくり出来たから良かった」と呑気な様子だったという。

「本人は『もう無症状だし、大丈夫だよ~』と笑っていたんですが、そんなの聞かされたこっちの身になって欲しい。驚いたのはいつ陽性になったかうろ覚えで。『もう3週間ぐらい経ってるから平気』とか。このご時世だし、女子会の日程を決める段階とかで自分の状況を話すべきですよね」

◆コロナ意識の違いに愕然

 事前に聞かされていたら、竹山さんは女子会には参加していなかったという。もしも自分が感染してしまったら、夫の仕事や職場にも迷惑がかかってしまう可能性があるからだ。

 不幸中の幸いは、妊娠中の友人がつわりで不参加だったことだと言う。

「体調が良ければ顔を出したい、と言ってましたが、本当に来なくて良かった。ただでさえ精神的にナイーブな時期だろうから。コロナ意識に関しては、人それぞれ行動の基準が違うので……。常に自分が感染している可能性があって、相手にも移してしまうリスクがあるということを忘れちゃいけない。ただ、A子が、妊娠中の友人が来るかもしれないのに何も考えていなかったのが怖いですね」

 もはや新型コロナウイルスは、いつ、どこで、誰が感染してもおかしくない状況だ。通勤通学、会社、学校……日常生活のなかで、たとえ感染しても100%“自業自得”とも言えない。

 自分が感染したら、身近な人が感染したら……。どのように振る舞うべきか。これは他人事ではないのだ。<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。Twitter:@sally_y0720

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