マツダMX-30がRX-8以来の観音開きカーになった理由

日刊SPA! / 2020年11月8日 8時51分

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MAZDA MX-30

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆カーマニアの戯言

 当連載をご愛読いただいているみなさまは、お気づきでしょう。やたらとマツダ車の登場機会が多いことに。だからといってマツダから広告をもらってるわけでも接待されてるわけでもなく、単に広島の小さな自動車メーカーが好きなだけ。だから、いろいろ文句を言いたくもなったりするわけです。で、今回はMX-30という新型SUVに言いたい放題! すべては愛ゆえに!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆マツダの特攻! 実用性より個性を重視した、MX-30は売れるのか?

 マツダがまた新しいSUVをリリースした。車名はMX-30。昨年CX-30が出たばっかりだけに、カーマニアでも混乱してしまうが、この2台、何が違うのか?

担当K:MX-30のことを一切予習せずに試乗会に行きましたが、ドアが観音開きなんですね!

永福:その先は言わなくてもわかってる……。RX-8を思い出したんだろ?

担当K:もちろんです! おかげで忘れようとしていたRX-8熱が再燃しました!

流し撮り職人(以下、職人):RX-8の観音開きは、ちゃんと意味があったんですよ。スポーツカーだけど4ドア扱いになるので、アメリカで自動車保険料を安くできたんです。

永福:へえ、それは知らなかった。

職人:2ドアだと保険料がハネ上がっちゃいますから。でも、今回のMX-30の観音開きは、なんか意味あるんですか?

永福:少なくとも機能面では無意味どころかマイナスだな。後席の乗り降りが、めちゃめちゃ不便だから。

担当K:フツーの家庭では、10人に1人も奥さんの賛成を得られないでしょうねえ、このドアじゃ。ほんと目的は何なんでしょう?

永福:ズバリ! 個性だそうだ。

職人:え、ええっ……。

担当K:そう来ましたか!

永福:そう言われたら納得だろ? 確かに個性的だから。

担当K:いくら個性とはいえ、思い切りましたね。一般家庭がどこまでクルマにデザインを求めているのか……。これは試金石ですね!

永福:まあ、売れないだろう。でもいいんだよ! マツダもそれは覚悟の上なんだから!

職人:覚悟の特攻ですか……。

◆断然軽快に走るマイルドハイブリッド

担当K:個人的には観音開きは好きですし、MX-30は走りもすごくよかったんですよ。まず、マイルドハイブリッドがすごくイイ!

永福:CX-30のフツーのガソリン仕様より、断然軽快に走るよね。

担当K:マイルドなハイブリッドだから、燃費はちょっとしか良くならないんでしょうけど、出足がいいしエンジン音がやたら気持ちいいし、乗り心地も超絶イイ!

永福:超絶まではいかないだろ。まだ2年前に絶版になったプレマシーの域には達してない!

担当K:またプレマシーですか……。乗ったことないんですよ。そこまで言われると乗ってみたくなるなあ。

永福:乗ったら驚くよ。こんなに走りのいいクルマがこの世にあったのかあ!って。プレマシーを知らずしてカーマニアを名乗るべからず!

担当K:それ、話を盛ってません?

永福:でもMX-30の乗り味は、最近のマツダ車のなかでは一番プレマシーに肉薄してる。今のマツダ車のなかでは一番いいんじゃないか?

◆MTがない!

職人:問題はMTがないことです!

担当K:えっ! マツダなのにMTがないんだ!

職人:個性を謳いながらMTがないのは、どうなんでしょう……。

永福:MT乗りたけりゃ、中古のセブン(RX-7)でもエイト(RX-8)でも買えばいいじゃんかよ!

職人:エイト、欲しいなあ……。

◆2年後のロータリー復活が正式にリリース

担当K:僕もロータリーエンジンのクルマは究極の夢です!

永福:おめでとう! 2年後のロータリー復活が正式にリリースされたよ! レンジエクステンダーEVの発電機を回す動力源として!

担当K:えっ、やっぱりそれ?

職人:ガックリ……。

永福:マツダによると、一定の回転で回せば効率がいいってことだけど、にわかには信じられん。

担当K:おむすび(三角の形をしたローター)が回る限り、燃費はムリじゃないですか?

職人:同じおむすびなら、やっぱりエイトを探しますか……。

担当K:もちろんですよ! あのキイィィィィ~ンって回転音、魂の叫びが忘れられません。

永福:中古フェラーリを買うより10倍はバクチだと思うけど……。

担当K:これも覚悟の特攻です!

◆【結論!】

MX-30は内外装も走りもステキで、値段も意外に安くてお買い得。後席の乗降性を除けばすべてイイ! そういうクルマがどれくらい売れるのか? そして復活するロータリーは本当に効率がいいのか? 固唾を呑んで見守りましょう!

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

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