沖縄県は年収が全国ワーストでも幸福度1位。年収200万円でも楽しく生きる

日刊SPA! / 2020年11月11日 15時50分

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 コロナショックの出口すら見えないなか、年収300万円どころか、年収200万円台が当たり前の社会が訪れようとしている。もしも貧困に陥ってしまったとき、我々はどうするべきなのか? 慶應大学大学院の前野隆司教授と自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連氏に話を聞いた。

◆「幸福」と「収入」は、学術的にも決して比例しない

 年収200万円と聞いて「不幸」と感じた人こそ不幸なのかもしれない。幸福学を研究する慶應大学大学院の前野隆司教授はこう解説する。

「都道府県別の幸福度を調査した時、もっとも幸せだったのは平均年収・失業率ともに全国ワーストの沖縄県でした。次いで鹿児島県、熊本県、宮崎県と平均年収が高くない地域が上位を独占。つまり、年収と幸福度には大きな相関関係はないということです」

 特に、他者との比較や消費欲からもたらされる優越感には際限がなく、脆くはかないという。

「お金、社会的な地位、ブランド品といった”地位財”から得られる満足度は持続力が低く、愛情、自由、健康、社会への帰属意識などの”非地位財”からもたらされる心の充足は長続きするという研究結果が発表されています。また、笑顔を意識するだけで免疫力がアップして健康的になり幸福度が高まるという研究結果もあります。幸福を得るためには、お金が必要とは限らないのです」

 地位や財産を追い求めるあまり身近にある幸せを逃しては本末転倒だ。

◆もし貧困に陥ったら……

 お金に頼らない自由な生き方と言えば聞こえはいいが、今回のコロナ禍によって自営業者が窮地に陥ったように、貧困に陥るリスクも高い。だからこそ、社会保障に頼ることが必要な時代でもある。そこで、もしもの時のサポートについて、生活困窮者の支援を行う自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連氏に話を聞いた。

「まずリアルタイムで困窮されている方は、コロナ対策の給付金や支援制度を活用すべき。若者を中心に給付金の未申請があるとの報道もありましたが、すでに自己責任で論じることのできる時代ではないので、『社会保障制度を利用するのが恥ずかしい』と感じる必要はありません」

 今の日本では「家賃」の負担がもっとも大きい。その点、「住居確保給付金」は最長9か月の給付が可能だ。

「貧困ともっとも密接に結びつくのが『住居』『家賃』。もやいでも、新たにアパートを借りるまでのシェルター事業や住まい探しの相談フォームを開設しています。ただ、我々のようなNPOを継続運営するのにも、寄付や事業委託や事業化が必要。

 だから支援団体も都市部に限られてしまい、地方のサポートにまで手が行き届かない現状があります。地方では行政が唯一の窓口のところもいまだに多い。ただ、『生活困窮者自立支援窓口』『社会福祉協議会』など頼りづらい名称でもあるので、そこで二の足を踏まずに、まずは相談だけでもしてみてください」

 追い詰められたら一人で抱え込まないことも、これからの時代のニューノーマルだ。

◆生活困窮者への支援制度
※取材時の情報。詳細は厚生労働省の公式ホームページをご確認ください

▼求職者支援制度(給付金職業訓練)
失業保険を受給できない求職者に向けた受講料無料の職業訓練制度。各都道府県のハローワークが管轄のため、学べる分野は地域差がある。条件はあるが3~6か月に及ぶ職業訓練中は月10万円の給付金と交通費を受け取れる。※条件は、本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月25万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下など。

▼総合支援資金特例貸付
生活再建を目的とした生活費用の貸付金制度。新型コロナウイルスの影響による失業者が主な対象。貸付金は月額20万円で期間は3か月(+3か月の延長も可能)。無利子で保証人は不要。受付は12月末までを予定。返済期限は10年以内。※単身者は月額15万円。

▼住居確保給付金
新型コロナウイルスによる収入減少世帯への家賃補助制度。給付金は住居の家賃のみが対象。期間は原則3か月間だが、2回まで延長が可能で最長9か月給付を受けられる。1回あたりの支給額の上限は市区町村ごとで異なる。※一人暮らしの場合、横浜市は上限5万2000円、東京都23区の場合は5万3700円。世帯の人数が増えれば上限も上がる。

▼緊急小口資金特例貸付
新型コロナウイルス感染症対策の一環。無利子で保証人も不要。貸付金額の上限は20万円。受付期限は12月末の予定で、返済期限は2年以内。所得の減少が続き、住民税の非課税世帯となった場合、償還は免除となる。

【前野隆司氏】
慶應大学大学院教授。慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。近著に『幸せな職場の経営学』(小学館)。

【大西 連氏】
「特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい」理事長。新宿ごはんプラス共同代表。近著に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)がある。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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