平均価格は2000円以下。アフターコロナはLCCのセールで賢く旅行
日刊SPA! / 2021年2月23日 8時50分

コロナによって苦境に立たされる航空各社。LCCは格安セールで驚きの価格で航空券を販売することも……
◆セールが頻発するLCCがやはり狙い目か
緊急事態宣言が昨年に続き出され、GO TO トラベルも停止された。しかし、こうした状況において、利用者が激減したエアライン各社の航空運賃の動向が気になっている人も多いのではないだろうか。利用者が減れば、需要喚起でセールが頻発するのが常だからだ。今回お伝えする話題は2つ。1つはセールキャンペーン販売の多いLCCの年間販売状況を前年と比べてみたこと。そしてもう1つは、コロナ下においてどのように飛行機でお得に旅行するか……である。こうした事情を航空ジャーナリストとして取材を続ける筆者、北島幸司が解説する。
2020年12月5日で事業廃止をしたエアアジアジャパンを除くと、日本のLCCはピーチアビエーション、ジェットスタージャパン、スプリングジャパンの3社となる。各社、国際線の路線を縮小し、国内線の運航に傾注している。そのため、国内線の需要を喚起しようと各社はセールを頻発させたのか。コロナ禍前の2019年と2020年の各1年間で、セール回数、最安値と片道運賃を比較してみた。なお、このセールは比較しやすい固定運賃の最安値のみ比べたもので、セール回数の少ない%引きのものは入れていない。
◆LCCのセールを比較してみた
ピーチアビエーションは2019年に29回のセールを行った。最安値は7月に出した390円で、年間平均のセール価格は1,386円となる。これが2020年になると、3月に出した888円を最安値に年間22回。平均セール価格は1,686円である。
ジェットスタージャパンは、2019年に31回のセールを行い、7月には7円という最低運賃を出した。年間平均セール価格は、1,560円となった。2020年は、セール回数は33回と増える。7月に出した8円が最低で、平均セール価格は1,775円となった。
スプリングジャパンは、2019年に12回のセールを行い最安値は4月と8月に出した737円となる。年間平均セール価格は、1,755円だった。2020年になるとセール回数は5回。最安値は11月の1,680円だった。平均セール価格は2,716円となった。
全体を俯瞰すると、コロナ禍の2020年は前年よりもセール価格は上がったという結果となった。セール回数は、ジェットスタージャパンのみが2020年に増えているが、3社とも最安値と平均価格ともに前年のほうが若干安かったという結果だ。
◆2021年春からお得な航空券&旅行プラン
これは、コロナ禍において緊急事態宣言やGO TOトラベルなどの政府施策の影響が大きく出ていると言える。エアラインにとっては、空席のまま飛ぶよりも、安くても埋めたほうがよいという考えがある。それでも、コロナ収束後の収益を考えると安いだけがよいという経営判断にはならない。また、大っぴらに旅行を喚起して、感染者を増やしては元も子もないという結論に至ったと解釈するのが正解だろう。
それでは、2つ目の話題としてこの複雑な社会情勢の中、2021年の春から夏にかけてお得に旅行をするにはどうすればいいのか。大手エアラインを含めた各社の動向をダイナミックパッケージという航空券+ホテルの価格で比較してみた。旅慣れた人には、パッケージツアーよりも人気のある商品だ。緊急事態宣言に連動し、GO TOトラベルが停止状態となっている現状において、春先の旅行をお得に行く参考にして頂きたい。
◆大手からLCCまで同一路線で比較してみた
関東を中心とした情報になることを先にお断りし、運賃は変動するのであくまで参考価格としてお考え頂きたい。条件は次の通り。
発着空港:大手エアラインとスカイマークは羽田発着 LCCは成田発着
ホテル:一例として全国展開するアパホテル
発時間:各社ほぼ同一時間で比較
サイト:各社自社サイト ただし、ダイナミックツアーを持たないピーチはエアトリ、スカイマークはHISで比較した。
時期:札幌は4月10日発11日帰着 週末の1泊2日
福岡は4月 6日発 7日帰着 平日の1泊2日
検索:2021年2月上旬
ここで明らかなのは、運賃は「LCC<スカイマーク<大手グループ<大手」という図式だ。
スターフライヤーのみはANA系列であるものの、JALよりも高い運賃の場合があることがわかる。同社のプレミアム戦略が功を奏しているという結果とも言える。
◆運賃の差には理由がある
LCCが安いのには理由がある。成田空港が発着であるということと、大手が2社ともに新千歳で毎日16便、福岡で17便運航しているのに対し、LCCではピーチが新千歳で6便、福岡で4便。ジェットスターは新千歳で4便、福岡で3便にとどまっているということだ。利便性を取るなら大手となる。中間を行くのはスカイマーク。新千歳で8便と福岡で12便の運航便数を考えれば、羽田空港発着を考えても使いやすい。LCCで「ジェットスター<ピーチ」の差がついているのも、この便数の差であることで納得がいく。新千歳のスプリングジャパンは、週末だけの1日1往復ということで、利用しやすい運賃設定になっている。
これらのエアライン別に運賃と利便性を比較しながら、自分のスタイルにあった選択をして欲しい。LCCが安いとはいえ、複数選択肢のある最安値での比較である。これに、受託手荷物料金や、座席指定料金などが別途かかる。
◆GO TOトラベルの再開を待てばさらに……
GO TO トラベルが再開となれば、上記ツアー料金から想定すると、新千歳は¥11,310から¥29,770で購入することができ、更に¥3,000から¥6,000の地域共通クーポンが付く。福岡の場合、¥11,765から¥24,505で購入ができ、¥3,000から¥6,000の地域共通クーポンが付く。
値段でわかる通り、このGO TOトラベル事業はかなりの集客力を持っている。長い自粛生活が続き、旅をしたいという欲求はかなり強くなっている人が多いことだろう。航空機の感染症対策は、高度に実施されている。目的地での節度ある行動で、ウィズコロナでも安心して旅ができるだろう。<文/北島幸司>
【北島幸司】
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「あびあんうぃんぐ」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。
Facebook avian.wing twitter@avianjune instagram@kitajimaavianwing
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