会社が半リモート化で地元にUターン。週1~2日なら新幹線通勤でもいい

日刊SPA! / 2021年3月15日 8時52分

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 企業に対して政府や自治体がしきりに呼びかけている従業員のリモートワーク化。だが、導入に踏み切った企業でも業務のすべてを自宅で行うのは現実的に難しい部分もあり、定期的にオフィスにも出勤する半リモート化を実施しているケースが目立つ。

 有馬大智さん(仮名・31歳)が勤める情報サービス会社は、昨年4月から一時的な措置としてのリモートワークが続いていたが、夏になって正式に半リモート化に移行すると発表。それを受けて彼も10月に都内のアパートを引き払い、それからは栃木県内の実家で暮らしている。

◆週1~2日なら遠方からの新幹線通勤でもいい

「大学進学で上京し、卒業後に就職した今の会社も都内だったのでそのまま住んでいました。ですが、毎日出社しなくていいなら家賃の高い東京に住む必要はないですからね」

 実家から職場までの所要時間は約1時間45分。しかし、いつも新幹線を利用しており、長時間通勤による疲れは感じないとか。

「去年まで住んでいたところは、同じ都内でも通うのに1時間弱かかっていましたし、電車の中でもずっと立ちっぱなし。その点、今は週1~2日の出勤で済みますし、新幹線だから朝も夜も座れます。帰りには車内でビールや缶チューハイを飲みながらゆっくりできますし、優雅なもんですよ(笑)」

 実家には毎月5万円を入れているそうだが、ひとり暮らしのときは家賃だけで7万円。光熱費や食費を入れると13~14万円になっていたので支出は大幅に減った。

「特にひとりだと外食や弁当にすることが多かったですし、自炊でもひとりだと高くついちゃうじゃないですか。だから、実家で三度の食事を用意してくれるのが本当にありがたい。このまま甘えてしまいそうなので気をつけなきゃとは思いますが、ずっと離れて暮らしていた自分が戻って両親も喜んでくれているみたいだし、そこはよかったかなって」

 ただし、実家に住むのはあくまで一時的なもの。ずっと住み続けるつもりはないそうだ。

◆実家に戻ったことで月10万円以上の貯金が可能に

「一応、半リモート化になりましたが制度的に見切り発車的な部分が大きく、今後どうなっていくのかわからないので。そもそも部署によっては毎日出社しなければいけないところもあるし、今後異動する可能性だってあるわけじゃないですか。そこで今の状況をチャンスと捉え、頑張って貯金しようと考えました。社会人になってからコツコツ貯めてきましたが、実家に戻った今なら以前の3倍以上のペースで貯められますから」

 ちなみに毎月の貯金額は、ひとり暮らし時代の月3万円から月10万円に大幅アップ。コロナの前は、半リモート化も実家に戻ることもまったく予想していなかったため、まさに彼にとってはうれしい誤算だろう。

「もう何年も付き合っている彼女がいて、結婚を考えているんです。互いの両親にも挨拶済みですし、もう少し落ち着いたら正式に婚約という形になると思います。けど、これから結婚で一緒に住み、さらにその先の子供のことを考えると、蓄えは少しでもあったほうがいいなって」

◆彼女ともすぐに会える距離に

 あと、実家に戻ったのは単にお金の面だけではない。交際中の彼女は同じ地元の子で、すぐに会える場所に居たいという気持ちも大きかったそうだ。

「前は彼女が東京に来たり、自分が栃木に戻ったりと遠距離とまではいかなくても中距離恋愛みたいな感じでした。当然、なかなか一緒には居られませんし、会いに行くのにも時間がかかります。彼女と貯金という2つの問題を一気に解消できたので、半リモート化を導入してくれた会社には本当に感謝しています。ただ、今後もずっとこのシステムで働けるか先行きは不透明。栃木にずっと住み続けられるかはわかりませんけどね」

◆方針転換で会社が半リモート化を中止しないか心配

 とはいえ、都心ほどゴミゴミしておらず、周囲に自然が多い地元の環境はすごく気に入っている。本人は結婚後も地元で暮らし、ここでマイホームを構えたいと考えている。

「恐らく、結婚しても最初は賃貸物件でしばらく様子を見ると思います。マイホームを買った後に半リモート化が中止なんて事態だけは避けなければなりませんから。同業他社に転職できればいいですが、そもそも地元には東京のように求人も多くないので」

 社員のリモートワークや半リモート化を本格的に導入する企業は増えているが、方針転換で将来中止になる可能性がまったくないとは言えないだろう。その点を不安に思っている人も多く、簡単に移住を決断できない大きな足かせになっているようだ。<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

―[地方移住ドキュメント]―

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