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朝番組「ラヴィット!」ついに1.1%。ひとり負けの現状をなんとかする秘策

日刊SPA! / 2021年4月19日 8時52分

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TBS「ラヴィット!」公式サイトより

 4月から民放4局で放送されている朝の情報番組が激変した。
 現在は、テレビ朝日の「羽鳥慎一 モーニングショー」のひとり勝ち状態だ。

 各局の番組が新しくなった初回の視聴率はテレビ朝日「羽鳥慎一 モーニングショー」が10.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。前4週間平均は10.2%)、日本テレビ「スッキリ!」が8.8%(同7.8%)、番組が新しくなったフジテレビ「めざまし8」が6・2%(同5・9%)とどの番組も視聴率を上げた。そして、TBS「ラヴィット」だけが、2.7%(同3.5%)と下げてしまった。しかし、まだこれはいい数字だった。

◆谷原章介「めざまし8」の新戦略

 4月の改編ではテレビ朝日以外は大きな変更があった。2番手の日本テレビ「スッキリ!」は16年続く長寿番組だが、メインMCの極楽とんぼの加藤浩次は残したまま、それ以外の近藤春菜などのMC陣を大きく刷新、コメンテーターの顔ぶれを増強した。

 フジテレビは番組を「とくダネ!」から「めざまし8」へと変えた。
 これは、朝6時から7時台の民放朝のニュース番組で視聴率が2018年から3年連続トップの「めざましテレビ」を意識しているのだろう。新MCは俳優の谷原章介。
 ご存知のように「王様のブランチ」や「パネルクイズ アタック25」などで実績があり、その司会ぶりは高く評価されている。そして、3月まで「めざましテレビ」のメインキャスターだったフジテレビアナウンサーの永島優美とタッグを組ませた。

 さらに、番組の冒頭は「めざましテレビ」がそのまま続いていると思わせる仕様だ。「めざましテレビ」と同じようにジャンルごとのニュース項目のランキングを背景にMCが主なニュースを短くポイントを絞って取り上げる、出勤前の社会人を意識した7時台のニュース番組作りの手法である。
 高視聴率の「めざましテレビ」の空気を壊さず、視聴層をそのまま取り込み、落ち着いたところで徐々にワイドショーの空気に変えていくやり方だ。
 名MC小倉智明が22年間続けた「とくダネ!」が、7時台までの「めざましテレビ」の空気をガラリと変える冒頭トークで番組を始めていたのと対照的だ。

◆ひとり勝ち「モーニングショー」はコメンテーターを変更

 テレビ朝日の「羽鳥慎一 モーニングショー」もコメンテーターの刷新はあった。
 長年、権力に対して批判的なコメントをし続けたジャーナリストの青木理と作家の吉永みちこを降板させ、テレビではほぼ新人の若手コメンテーターに変えた。

 ほかの民放がテレビではすでに顔なじみを中心にキャスティングしているのと比較すると、大胆な布陣で番組の自信の現れとも言える。
 玉川徹がコメンテーターとして連日出演するようになって番組は安泰となった。今や「羽鳥慎一&玉川徹 モーニングショー」と言っていい。

 番組は一貫している。政治的な話題、例えば、桜を見る会、森友学園、加計学園だけにとどまらず政権の不祥事を常に批判的に取り上げ続け、昨年2月に新型コロナウィルス問題が発覚すると連日に渡って政策の問題点を番組の大半を使って深掘りしてきた。

 こうして、一時は視聴率が13-14%台を叩き出す驚異のひとり勝ち状態になった。さらにこの1年は、主に2人の出演者によるところが大きい。それは、テレビ朝日社員でもある玉川徹と、今やワタナベプロ所属の文化人タレントにもなった、白鴎大学教授の岡田晴恵の連日の出演だった。
 番組は政権を擁護する出演者にも十分発言させながら制作された。政権を擁護する出演者が発言するからこそ、その逆の発言も十分できるという構造になっている。その役割が玉川徹であり、見ていて確かに面白い。

◆早くも視聴率2%割れの「ラヴィット!」

 TBS「ラヴィット」は連日、苦戦が続いている。初日の数字は2.7%で惨敗と言われたが、それはいい数字だった。2回目の3月30日には2.1%、31日、2.2%、4月1日には1.8%と2%を割った。その後も6日は2.0%、9日には何と1.1%と、人が寝ている朝3時台の視聴率でもおかしくない数字を出してしまった。ただし、1.0%以下にはなっていない。
 2%としても、テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニングショー」の5分の1、3位の「めざまし8」の3分の1しか見ている人がいない。とにかく一人負けなのである。

 こうなるとネット上では「ラヴィット!」の悪口だらけである。つまらない、ひどいと散々だ。
 それほど酷いのだろうか。

 番組のメイン企画はランキングだ。
 おなじみの商品、例えば、スーパーのプライベートブランドの冷凍食品、有名ピザチェーンの商品の旨さを一流シェフらによりランキングさせる。その1位を出演者がワイワイ予想するというもの。
 ほかに、掃除や料理など家事を楽にワンランクアップする生活ヒントを紹介したりもする。それを、商品カタログ番組だ、番組自体がコマーシャルのようなものだとネットでは罵詈雑言だ。

 しかし、こういったものは、すでにさまざまな時間帯で成功している手法である。ただ、ほかではそこそこの視聴率を取る。それだけの違いである。
 リポーターも吉本の芸人が登場し楽しく見られる。

◆「ラヴィット!」内で「渡る世間は鬼ばかり」再放送はどうか

 出演者も2流芸人しか出ていないなどと悪口を書かれるが、何のなんの、EXIT、ぼる塾、アインシュタイン、ミキ、宮下草薙、見取り図、ニューヨークら旬の芸人に加えて、若槻千夏、矢田亜矢子、丸山桂里奈は夫妻で登場、ジャニーズタレントなど、決して悪口を言われる陣容ではない。
 何しろ、麒麟の川島明がMCをしているので、そのスタジオの掛け合いは、朝から「アメトーク」や「ロンドンハーツ」を見る楽しさだ。違いは視聴率がないだけである。

 視聴率を取ってない番組はとにかく悪口を言われる。そして、番組アナリストなどの専門家はテレビ各局は若い年齢層の開拓を狙っていて……とか、個人視聴率の時代で……と分析はする。
 遠回しの悪口ばかりで、そこには、番組をどうすればいいのかという視点はまったくない。

 私は「ラヴィット!」を見てもらうために、とにかく数字が上がる方法を提案したい。若年層とか、F2層とかは考慮しない。ほとんど誰も見ていないのだから。そして、これは視聴率が確実に上がる秘策だ。

 それは、TBSしかできない最強コンテンツを「ラヴィット!」に取り込むことだ。
 それは、最強ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」である。

◆8時16分から「渡鬼」をやれば効果絶大?

 ここで忘れてならないことがある。

 朝8時台のテレビ番組の王者はNHKの朝の連続テレビ小説だ。
 現在放送中の「おちょやん」は新型コロナウィルス感染症のため11月30日開始という異例のスタートだった。その初回視聴率が、20%以下の18・8パーセントしか取れなかったことで大きな話題となった。
 その後、番組は4月2週目は17%ほどで推移している。この数字は朝ドラとしてはいい視聴率ではない。

 NHKの朝ドラは、事前にBSで放送し、昼間に再放送されてもなお、朝8時からの本放送が通常は20%に到達するお化け番組なのである。
 つまり、朝8時台の真の王者はワイドショーでなくNHKの朝ドラなのである。

 朝ドラは、かつては朝8時15分からの放送だった。つまり、各局ワイドショーが始まって、落ち着いてからの放送だったものが、2010年から朝8時開始となり、民放各局の朝のワイドショーにぶつけてきた。そして、「朝ドラ」一人勝ちになったのだ。その流れは、今の「あさイチ」の好視聴率にも直結している。

 そこで、だ。「ラヴィット!」は冒頭15分は、その日のメニュー紹介などとともに、短めのコーナーを行う。NHKの朝ドラを見終わった視聴者を受ける形で、8時16分過ぎから、ではみんなで「渡鬼」を見ましょう、皆さんの感想をツイッターなどでつぶやいてください、と「渡鬼」につなぐ。

 そして、「渡鬼」後は、そのままスタジオで今日の「渡鬼」をテーマに10分ほどトークする。嫁姑問題だけでなく、電話がガラケーばかりだとか、えなりかずきが若いとか、岡本信人はこの頃から道端の草を食べていたのだろうか? など、ネタは山ほどある。
 加えて視聴者の感想も紹介し「渡鬼」の視聴者をそのまま「ラヴィット!」に取り込んでしまうのだ。

◆NHKの朝ドラ→「あさイチ」の繋ぎを応用

 これは、NHKの「あさイチ」でも、毎日のようにMCが当日の朝ドラの感想から番組を始める、その進化バージョンだ。
 こうして、まずは視聴者に「ラヴィット!」を見てもらい、空気に馴染んでもらったところで独自のコーナーを始めればいいのだ。

 先日亡くなった俳優・田中邦衛の代表作「北の国から」をフジテレビは4月3日(土)に放映した。視聴率はなんと9・4%、この日は春の番組改編期で、各局力を入れた番組が並ぶ中、再放送番組が驚異の視聴率を獲得したのだ。「渡鬼」が数字を取らないわけがない。

 タレントのふかわりょうは、「ラヴィット!」の放送初回の視聴率が惨敗だったことについてMXテレビの特番でこう語っている。
「1日や2日で判定するのはかわいそうなんですよ。帯番組って日常の視聴習慣だから」
 こう本音を吐露し「正直な話、3年は欲しい」という。

 きっとTBSは2%の視聴率の帯番組を3年も続けることは難しいだろう。
 視聴者の習慣を変えるためには、それだけ強力なコンテンツが必要だ。今のような制作費削減の時代に「ラヴィット!」が生き残る特効薬として、まずは見てもらうための「渡鬼」丸呑み戦略はいかがだろうか?

<文/経済評論家・佐藤治彦>

【佐藤治彦】
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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