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男性更年期障害かも?不安になったら実践したい、専門医推奨のストレス解消法

日刊SPA! / 2021年7月16日 15時54分

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◆セロトニンは“幸せホルモン”

「以前より根気がない、集中力が途切れやすくなったと感じている」「最近イライラすることが増えて、対人関係でのトラブルが増えた」。

 こんな症状に自覚がある諸兄は、男性更年期障害かも!? 大阪府で運営する「男性更年期外来」に、北海道から九州まで患者さんが殺到する医学博士であり内科・循環器・性機能専門医である石蔵文信氏に話を聞いた(以下、「」内のコメントはすべて石蔵医師)。

「男性更年期障害の主因は精神的なストレス。男性ホルモンの分泌量低下は直接的な原因ではなく、単なるイチ症状です」という説を唱える石蔵医師は、ストレスと男性更年期障害の関係を考えるにあたり、カギの1つとなるのが「セロトニン」だと語る。

「セロトニンは実際ホルモンではありませんが、“幸せホルモン”や“癒やしのホルモン”と呼ばれる、脳内で働く神経伝達物質のひとつです。感情をコントロールする扁桃核(へんとうかく)や、思考・判断など高度な脳機能を担う大脳皮質にもセロトニンが多く存在し、喜怒哀楽をコントロールして気持ちを穏やかに保つなど、精神の状態に深く関わっています。年齢とともに生産量は低下すると言われています」

 セロトニン量が低下すると、どうなるのか。

「集中力や判断力が低下して、疲労感が強くなります。その結果、根気も忍耐も尽きて、頑張ろうにも頭や体が思うように動かず、思考は短絡的になり、イライラして怒りっぽくなります。これが抑うつ状態で、『以前より根気がない、集中力が途切れやすくなったと感じている』『最近イライラすることが増えて、対人関係でのトラブルが増えた』などが該当します。

◆ストレス解消法「コーピング」

 この状態がさらに続くと、思考力が衰えて気力や意欲が失われ、なにもできない自分は世の中に存在している意味がないと考え、漠然と『世の中から消えたい。死んでしまいたい』と思うようになります。これがうつ病です」

 精神的ストレスがうつ病にもつながってしまうとは、ゆゆしき事態。深刻な症状に陥る前に、気軽にできるストレス解消法があるという。それがコーピングだ。

「コーピングとは『対処する』という意味で、私は療法としては『ストレス対処法』と表現しています。手法はいくつかありますが、代表的な『100のリスト書き出し』を試してみてください。以下、3ステップになります」

1.ストレスを感じたとき、自分が「こうしたい」と思う発散法を100個書き出す
「100個も書けないと想うかもしれませんが、書き出すと意外にさっと書けるものです。『◯◯店のラーメン大盛りを食べる』『◯◯の音楽を聴く』など、日常でたやすく実践できそうな事柄を挙げてください」

2.実際にストレスがたまったと感じたときに、1のリストのいくつかを実践する
「仕事の締め切りがある、商談があるといった『頑張らないとならないストレス』の場合は、興奮を鎮めるための方法を。ウォーキングを20分する、音楽を聴くなどが有用です。

『我慢するストレス』の場合は、ランニングをする、1人カラオケに行くなど、気分をアップする方法が効果的です」

3.対策を実践して、ストレスが軽減したかどうかを自己判断する
「自分の感覚でいいので、『ストレスが20%にまで減った』など、割合を意識して記録しましょう。リストを実践すると、自然と自分にとってのストレス発散、軽減法が自覚でき、身につけることができます」

◆考えずにできる「石蔵流コーピング」

 だが、100個も思い浮かばない、面倒だと思う場合は、“石蔵流コーピング”として、1のリストは10~20個でもいいとのこと。これぐらいなら、簡単に実行できるのでは。

■「打つ」運動を生活に取り入れてみる
「バッティングセンターやゴルフの打ちっぱなしで力いっぱい球を飛ばす、ボクシングジムでサンドバッグを打つなど、誰にも迷惑がかからないようにモノを打つことは、ストレス改善に有用です。対象物への刺激に集中することと運動で脳の働きが活性化し、爽快感が得られます。不安やイライラを溜め込まないために必要な運動とも言えます」

■大声で叫ぶ、歌う
「ひとりの部屋で人に聞こえないように、『イライラする!』とか『わーっ!』と大声で叫ぶ。誰かに聞こえそうならクッションやタオル、ハンカチなどを口にあてて大声を出すと、かなりの確率で瞬間的に、イライラした気分が改善します。自然と大きく息を吸い込んで吐くので、腹式呼吸を行ったときのように、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。ひとりで車を運転しているときに、ボリュームアップした音楽に合わせて歌う方法もアリです」

 偶然だが筆者の知人男性(飲食店店長/40代)が、この方法を実践していた。閉店後、誰もいなくなった店内でやるべき仕事が多すぎてパニック状態寸前になったとき、「うぉーっ!!」と大声で叫んでストレスを解消しているとか。「おかげで家庭に仕事のストレスを持ち込まずに済むので、家庭生活も円満です」とのことなので、試す価値はあるかもしれない。

◆男性更年期障害の「疑似体験」

 石蔵医師によると、男性更年期障害は40~50代は過重な仕事に対するストレスなどで、定年前は「この先、どう生きようか」、定年後は「やることがなくなりストレスのないストレスを抱える」ことにより発症しやすいという。

 定年前に、仕事以外のやりがいや趣味を見つけておこうというのは、よく言われている話。だが、まだピンとこない読者もいるだろう。そこで石蔵医師は、若いうちに男性更年期障害になりやすい生活の「疑似体験」をしておくことを推奨する。

■1日の予算2000~3000円で、1日繁華街をブラついてみる
「大阪ならミナミやキタ、東京であれば銀座などの繁華街で、1日の予算2000~3000円ですごしてみてくださいと患者さんにお伝えしています。予算が3000円あったとしても、映画を観ると半額以上を使ってしまう。ノープランではすごせないはずです。そして、仕事以外のやりがいや趣味を見つけない限り、定年後はその生活が延々と続くと実感してもらえると思います。やることがなくなりストレスのないストレス生活は、逆に精神的ストレスを増大させセロトニンの量も減り、男性更年期障害にかかりやすくなります。できれば平日に休みを取得して実行していただければ、今から引き出しをいろいろと増やしておいたほうがいいと、痛感できるはずです」

◆男性更年期障害にかかるのも、悪くない?

 ただし石蔵医師は、「男性更年期障害にかかるのも、人生において悪くはない出来事です」と付け加える。

「今まで当たり前にできていたことが思い通りにできなくなり、自身の人生観を見直すターニングポイントになるからです。仕事一辺倒で生きてきた患者さんの中には男性更年期障害にかかったことで『仕事だけが人生のやりがいではない』と見直し、平日の夜や週末を家族との時間に充てることで、家族関係が修復されたケースがありました。

『更年期』は、『さらに年を重ねる時期』という意味。今までたどってきた道そのままを戻ろうとするから、心身ともに苦しくなるのです。気力・体力が落ちてきた生活リズムに戻るほうが、体にも心にも素直になることができます。価値観をアップデートできる時期と捉えてみてはいかがでしょうか」

石蔵文信氏
(いしくら・ふみのぶ)1955年京都府生まれ。医学博士。内科・循環器・性機能専門医。イシクラメディカル代表。2001年に全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を開設。現在は「眼科いしくらクリニック」内で診療を継続。日本自殺予防学会理事も務める。夫の言動がストレスとなり妻の心身に生じる不調を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。定年後の男性のための料理教室や、社会活動の拠点となる「男のええ加減料理」や、子育て支援をしている祖父母世代がお互いに気楽に愚痴を言えるサイト「孫育のグチ帳~イクメンのグチもありよ~」も運営中。『夫源病』『定年不調』など著書多数。

―[男性更年期障害]―

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