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「8月20日富士山噴火説」、専門家の考えは?南海トラフ地震との密接な関係も

日刊SPA! / 2021年7月20日 8時53分

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活火山である富士山には地殻変動を調べるさまざまなセンサーが設置、常に監視下に置かれており、突如噴火することは考えづらい

富士山の噴火に備える「ハザードマップ」が今年17年ぶりに改定された。最新の研究では、従来予想の2倍の規模の被害が出るという。そんななか、巷でまことしやかに囁かれる「8月20日噴火説」。もし富士山大噴火が起きたらどうするか? 未曽有の災害に備える術はあるのか

◆300年間マグマをため、噴火はスタンバイ状態。’40年までには起きる!

 肝心の噴火の可能性を、火山研究の専門家はどう見ているのか。

「富士山は日本最大の活火山であり、直近の噴火は1707年の宝永の大噴火。これは文字で記録されている中では史上2番目の規模です。その前の噴火は1511年ですから、200年間マグマをためて大爆発したことになります。以来、300年間マグマをため続けて現在に至っており、富士山は噴火スタンバイ状態と言えます」

 淡々とクライシスを語る火山学者・鎌田浩毅氏の言葉は、あまりにもショッキングだ。

「富士山の地下20㎞には、マグマをためた『マグマだまり』があり、単純計算すればすでに前回の宝永の大噴火と比べて5割増のマグマがここに存在しますが、’11年の東日本大震災の影響により、さらに噴火しやすい状態になっています」

 かの震災で日本列島は東西方向に5mも伸長したため、マグマだまりの直上の岩盤も引っ張られてストレスがかかっていると言う。

「つまり、今までマグマにかかっていた圧力が減ったということ。もともとマグマの中には、重さの比率で言うと5%ほどの水分が含まれていて、高圧下で溶け込んでいます。それが減圧されると、押し込められていた水分が解放されて気泡になります。その際に体積は1000倍以上に膨張し、その力でマグマだまりの上の岩盤を破壊し、噴火に至るんですよ」

◆富士山の噴火と南海トラフ地震に密接な関係が!?

 加えて、富士山の噴火は周期100年で起きている南海トラフ地震と密接な関係があり、この地震は2030年代の10年間に確実に起きるだろうと鎌田氏は言う。

 現実味を帯びて迫りくる富士山噴火。これに伴う被害総額は、政府の試算では2兆5000億円とされているが、鎌田氏は懐疑的だ。

「溶岩流は小田原まで達して半月は冷えず、火山灰は都心にも降り積もって1か月は舞い上がる。地震は短期間の揺れで終わりますが、火山は年単位で活動が続きます。未知の経験なので、誰もシミュレーションできていません」

 そのため必ず想定外の事態が生じ被害額は跳ね上がるという。

◆道州制導入、首都機能移転、太平洋経済圏も地方分散へ

 噴火後、首都圏は大きな被害を受けるが、その後の日本の形はどう変わっていくのか。『富士山噴火』(集英社文庫)など災害をテーマにした作品で知られる作家の高嶋哲夫氏は、首都機能移転を含めた日本の再設計プランを提唱する。

「現在の日本の経済や人口は太平洋側に集中しすぎています。首都直下型地震や南海トラフ地震と連動して富士山が噴火した場合、経済と人口の半分以上が失われてしまう。日本の今後を考えれば首都は災害が少ない地域に移し、経済圏も日本海側にも分散すべき。都道府県も廃止し、道州制でより大きな経済規模の形成が必要です」

 このように経済や人口を全国に分散させることで、被災地域の復興を早めようという狙いだ。

「全国一律に助かるのは困難です。東日本、西日本どちらかが壊滅的ダメージを受けても残り半分で国を続け、復興支援ができる仕組みをつくるべきなのです」

 日本列島改造計画が待たれる。

【火山学者・鎌田浩毅氏】
京都大学名誉教授。日本火山学の権威として情報を発信。『富士山噴火と南海トラフ』(講談社ブルーバックス)など火山に関する著書多数

【作家・高嶋哲夫氏】
日本原子力研究所研究員などを経て執筆を開始。’10年発表の『首都感染』がコロナ禍の日本の現状を先読みした“予言書”と話題に

取材・文/沼澤典史(清談社) 写真/時事通信社・フォトライブラリー

―[[8月富士山大噴火]に備えよ]―

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