1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

コロナ禍で二度の転職、年収800万→250万でも「充実している」ワケ

日刊SPA! / 2021年9月28日 15時54分

写真

※写真はイメージです

 コロナ禍が長引くなかで、会社の経営不振や生活環境の変化により、「転職すべきかどうか」について悩んでいる人も多いだろう。実際にコロナ禍で会社を飛び出した人たちは、その後どうなったのか。今回は2人の事例を紹介する。

◆コロナ禍で二度の転職を経験

 田部実さん(仮名・20代)は、コロナ禍で二度の転職を経験している。大学卒業後、人材サービスを主軸事業にしている会社に6年間勤めていた。年収は800万円前後もらっていたという。

「年収には理由があります。残業が多く、だいたい1日3時間以上。私は法人営業職だったこともあり、クライアントの時間に合わせざるを得ない日もありました」

 田部さんは平日のプライベートな時間が皆無だった。そして、体力に限界を感じて転職を決意。1か月の有給休暇を取得し、友人とゆっくり旅行しながら考えようとしていた矢先、新型コロナウイルスの流行が始まった。

「時間のゆとりを求めていたので、通勤時間が短くて残業がない企業を探しました。中小企業で残業がなく、事務仕事だったので年収は300万円ほどで大幅に下がりましたが、当時の私の意向にマッチしていたので嬉しく思っていました」

◆転職先はリモート不可、職場でマスクを着けない社員も

 当初は転職して良かったと感じていた田部さんだったが、月日が経つにつれて徐々に勤務先のコロナ対応に違和感を覚えるようになった。

「中小企業なので仕方がないことかもしれませんが、事務作業中心にもかかわらず、いつまでも在宅勤務に移行しないことに疑問を感じていました。繁忙期だからと休日出勤も始まり、満員電車に乗らなくてはならないことにストレスも感じ始めていました」

 また、狭い空間に向かい合わせで作業をするなか、マスクを着用しない社員も少なくなかった。それに対して、だれも指摘しないことに嫌気がさした。

「自分が納得して入社した会社でしたが、今までに感じたことのない新型コロナウイルスへの不安からくる、さまざまなストレスに押しつぶされそうになり、入社から1年経たずして退職しました」

◆年収800万円→250万円、それでも充実した日々

 現在は、在宅勤務に切り替えている企業に再就職し、年収は250万まで下がったが「充実した日々を過ごしている」そうだ。

「在宅勤務であることが自分へのストレスを払拭し、前向きな気持ちが保てるようになったので、転職して良かったと思っています。そして、副業が認められる会社なので、給料の補填をすべく自分のスキル磨きに励んでいます」

 コロナ禍で転職したことが正解だったのか、はっきりとした答えは出せていないというが、なにより「前向きな気持ちでいられること」がいちばんだと感じているとか。

◆夜勤手当と残業代で稼いでいたが…

 高校卒業後、10年以上勤めていた製鉄会社を昨年退職した小林繁樹さん(仮名・30代)。現在は転職活動中だが、なかなかうまくいかない状況だという。

 製鉄会社での給与は同業他社の知人と比べても多くもらっていた。

「社内の年齢構成がアンバランスで、50代以上の社員が非常に多かった。入社して数年で現場班長が勇退していきました。なので、当時20代後半の社員たちが現場班長の役職を与えられ、順調に昇進していったのです」

 入社10年を超える頃には、年収が600万円まであがっていた。しかし、米中貿易摩擦による鉄原料の高騰のあおりを受け、経営は悪化方向へ。そして、そんな状況下で新型コロナウイルスが世界中で蔓延した。

「会社は創業以来の経営赤字となり、社内の20代前半を中心に給与面での不安から退職者が続出しました。そんななか、私は2020年11月の配置転換により、今まで交代勤務だったポジションから日勤へと変わりました」

 年収は600万円から約480万円まで低下したという。それは、夜勤手当と残業代が減ったことが大きく影響しているようだ。

◆会社を脱出したが、転職先が見つからない

「私も給与の不安定さと経営状況、さらに現場環境から体調面を危惧して転職を決意しました。しかし高卒の私は条件に合う企業が少なく、将来を見据えてIT業界を目指していますが、現実的には難しい状況です」

 いわゆる“現場”の工場勤務だったので対外的な営業経験はなく、マーケティングスキルもない。IT業界を志望しているにもかかわらず、パソコンも基本操作しかできないという。

「会社を脱出したものの、転職先は簡単には決まらない。厳しい世界だと痛感しています。せめて、『大卒』という武器をもっていれば……。もっと『パソコンスキル』を学んでおくべきだったと思いました」

 小林さんは、これから職業訓練校や独学で「戦力になれるようなスキルを学ぶ予定」とのことだが、本当に再就職ができるのかどうか不安を抱いている。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
ライター歴5年目。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。Instagram:@chimi86.insta

―[「コロナ転職」のその後]―

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング