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ソフトバンクのスマホ教室に潜入「家族に聞けない悩みを解決しながらスマホの楽しさを伝えたい」

日刊SPA! / 2021年11月1日 8時52分

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ソフトバンク湘南台でスマホアドバイザーを務める金木浩司さん

 いまや日々の生活になくてはならないスマートフォン(以下 スマホ)。2012年あたりから、4G通信に対応したスマホが各キャリアから発売されたのを機に、スマホの普及率は一気に拡大し、今では老若男女問わずに持ち歩く端末となっている。

 近年では5G通信網の拡大や5G対応のスマホも登場しており、さらにスマホが日常生活のインフラ化していくことが予想されるだろう。一方で、携帯電話やスマホの進化が目まぐるしく、そのスピードについていけないユーザーも一定数存在している。そんなお客様向けに、携帯各社の店舗で定期的に行われているのがスマホ教室だ。

 操作の仕方や使い方などをレクチャーし、スマホの魅力を伝えるのが主な役割となっているが、ユニークなスマホ教室を運営し、多くのリピーターを獲得しているのがソフトバンクでスマホアドバイザーを務めている金木浩司さん(48歳)。

 同社が実施するスマホアドバイザーAWARDにてスマホ教室部門1位を受賞しており、100回以上参加するリピーターもいるという。

 今回は、金木さんがスマホ教室で心がけていることやリピート率を高めるコツについて話を聞いた。

◆「デジタル格差に悩むお客様の力になりたい」という想い

 金木さんは量販店で仕事をしていた際、ソフトバンクのスマホアドバイザー職を知り、「どうしてもやりたい」という思いから上司に直談判して異動を申し出たそうだ。

「実は幼少期にいじめられていた経験がありました。そんななかで母親から教わったのは『とにかく周囲の人を幸せにすること』でした。困っている人、負い目に感じている人の助けになりたい。こうした使命感を持っていた自分にとって、スマホアドバイザーはデジタル格差に悩むお客様の力になれるのでは。そう思って買って出た仕事だったんです」

 こうしてスマホ教室を行うようになった金木さんだが、最初はお客様とどうコミュニケーションを図って関係性を構築するか思い悩んだという。

「お客様は、新しいことにチャレンジするのを嫌ったりためらったりする人もいます。
家族からスマホやLINEを勧められても、使い方に困っていることも多い。そんなネガティブな状況があるなか、スマホ教室ではどう接することで興味を持ってもらい、継続的に参加してもらえるのかを考えることが大変でした」

◆スマホ教室を「受講者が成果を発表する場」に

 ソフトバンクのスマホアドバイザーは、他社キャリアのように販売スタッフが業務の延長線上で行うのではなく、スマホ教室を専任で行う職種になっている。

 ただ一方で、教室進行の工夫の仕方は個人の裁量に任されているという。

「無難に定められたカリキュラムに沿って教えても、インプットばかりの一方的な講義になってしまうので、絶対にお客様は飽きてしまうなと。当初から思っていました。そこで私が考えたのは、お客様一人ひとりが主役になれる『アウトプット型』のスマホ教室でした。ただ参加するのではなく、もっとスマホのことを意欲的に学びたいと思ってもらえるような場づくりを心がけています」

 規定のカリキュラムはあれど、単に教科書通りに教えたのではスマホの本当の魅力が伝わらない。

 金木さんは、同じカリキュラムを教えるにしても、さまざまな視点から学びにつながるアイデアを考え、参加者の主体性を引き出せるように意識しているそうだ。

「私のスマホ教室の大きな特徴は、毎回宿題を出すこと。お客様と雑談しながら趣味を把握し、興味関心のあるテーマに沿った宿題を出すようにしているんです。こうすることで、次回も参加しやすくなる。お客様があれこれと試行錯誤し、取り組んだ宿題(成果)を参加者の前で披露するようにすれば、やる気にもつながりますし、達成感も得られます。スマホ教室を『お客様が成果を発表する場』にすることで、自然とリピートが増えるようになるんです」

◆講義に使えそうなネタは、常日頃から探す工夫をしている

 ユニークかつ質の高いスマホ教室を続けるには、「事前準備も相当念入りに行っている」と金木さんは続ける。

「スマホやアプリのアップデート情報や操作の仕方はもちろん、普段の生活でスマホ教室に活かせそうなものを常にアンテナ張って探していますね。例えば、何気なく駅から店舗まで歩く途中で綺麗なお花を見つけたら写真を撮ってみたり、PayPayが使える意外なお店を探してみるなどです。一見たわいもないことでも、お客様は意外に喜んでくれたりします。クラスによって参加者の雰囲気やITリテラシーが違いますが、誰でもスマホ教室が楽しめるよう、日々引き出しについては研究していますね」

◆中には100回以上参加しているお客様も……

 このような取り組みが功を奏し、金木さんの主催するスマホ教室は「日本一ユニークなスマホ教室」と言われるようになり、自然と口コミで受講者が増えていくサイクルを生み出しているのだ。

「自分が楽しんでいるものは、人に紹介したくなるものです。私のクラスには平均して7~8名のお客様が参加しますが、お互い仲良くなってもらうことを意識しています。コロナ禍ではオンラインで人と会う機会が増えましたが、お客様は新しい人間関係を作る機会が少ない分、スマホ教室が“趣味のサークル”のような存在になれば、毎回「〇〇さんに会いたい」と思ってもらえる。気の知れた関係性を築くことができれば、参加者同士で教え合ったりフォローしたりすることができるので、挫折することも少なくなります」

 筆者も実際に金木さんが運営するスマホ教室に参加させてもらった。

 この日参加していたお客様は、Zoomでの画面共有やカメラによる写真撮影、PayPayなどを難なく使いこなしていて、ITリテラシーは非常に高い印象を受けた。

「もちろん最初の頃は、操作がおぼつかずに苦労されていましたが、回を重ねるごとにスキルが上がっていきましたね。中には100回以上もご参加いただいているお客様もいます。同じカリキュラムにしても、『毎回違う発見がある』とお伝えしていて、繰り返し出てもらうことでより理解が深まると思っています」

◆「スマホに変えて良かった」と心から思ってもらいたい

 学びには終わりがなく、新しい機種や機能のアップデートはどんどん出てくることから、金木さん自身も常にキャッチアップしながらスマホ教室を有意義なものにするべく、日々奮闘しているという。

 そんな金木さんに、今後の展望について最後に伺った。

「スマホ教室に参加するお客様は、『スマホを使用するのが苦痛』だと思っていることも少なくありません。スマホの使い方を聞こうにも、周囲には家族しかおらず、何度も聞くと怒られたり、プライドが邪魔して聞きづらかったりする。こうした状況のなか、スマホアドバイザーが受け皿となり、スマホ教室で気兼ねなく聞けるような環境を作っていければと考えています。

 最初からできないと諦めているお客様の考え方を、私のスマホ教室を通して変えられるような存在になりたいですね。できないことができるようになると、やりがいにもつながりますし、人生も楽しくなってきます。お客様に『スマホってこんなにも楽しいものなのか』と気づいてもらい、スマホへ変えて良かったと心から感じてもらえるよう、これからも尽力していきたい」

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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