タマホームとアイダ設計で分かれた明暗。「注文住宅」が“激減”しても好調を維持できる理由
日刊SPA! / 2024年2月29日 8時53分
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中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
しばらく好調だった住宅市場に転機が訪れました。国土交通省は1月31日に「住宅着工統計」を発表。2023年の新設住宅着工戸数は、81万9000戸。前年比で4.6%も減少しました。
特に不調が鮮明なのが「持家」に分類される注文住宅。22万4000戸で、11.4%も減少しています。2年連続の2桁減。背景の一つには、資材高による建築費の高騰があります。この逆境の危機にさらされているのが、ローコスト住宅の販売会社です。
◆“ウッドショック”で市況が大変化、建売が有利に
国土交通省によれば、2022年の住宅建築資金の平均は3866万円(「住宅市場動向調査」)。前年比で10.8%も増加しました。自己資金は過去5年で初めて1000万円を超えています。
コロナ禍からの急速な経済の回復によって、アメリカ、ヨーロッパ、中国などで木材需要が拡大。住宅の主要な建築資材である木材が不足して価格が急騰するウッドショックが起こりました。2021年末ごろには、製材などが2.5倍程度まで跳ね上がっています。2023年に入って木材価格は落ち着いていますが、仕入れは前もって行うため、引き続き資材高の影響をうけました。
また、円安でエネルギー価格は高騰しており、人手不足による人件費高も続いています。
注文住宅が苦戦する中で堅調なのが分譲住宅、いわゆる建売住宅です。2023年の分譲住宅の着工戸数は24万6000戸で、前年比3.6%減少しています。しかし、ウッドショックを迎える2022年までは2年連続で増加していました。
◆「建売住宅」が「注文住宅」を上回る
建売住宅の着工戸数は2021年まで注文住宅を下回っていました。しかし、2022年に逆転。2023年も注文住宅を上回って推移しています。
ローコスト住宅は、一般的に建築費1000万円台のものを指します。建築費が上がってしまうと、施主は安さのメリットが感じられません。土地とセットで購入でき、価格もわかりやすい分譲住宅の方が魅力的に映るでしょう。しかも、リモートワーク時代は終わりを迎え、通勤が当たり前の時代が戻りました。立地条件の良い駅近物件の人気も再燃しており、その点でも分譲住宅が有利です。
この変化を巧みにつかんだ会社がタマホームです。
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