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男の終活「アダルトDVDの処分」に商機アリ。地方書店が“出版不況下でも増収増益”を続ける理由

日刊SPA! / 2024年4月12日 15時52分

 最近ではリアル店舗での買取が減り、ネットでの買取が伸びているそうだ。ネットのほうが大量買取のニーズが高く、数百本から1000本を超える相談もざらにあるとか。「過去最大は1万4000本のアダルトDVDがネット経由で入り、4トントラックで運ばれてきたこともある」と亀井さん。

◆故人の8000本のアダルトDVDを買い取り

 そんななか、リアル店舗で対応した「ある常連客の遺品整理が印象的だった」と話す。

「そのお客様は、故人から約8000本のアダルトDVDを託され、利根書店のリアル店舗へ買取相談にいらしたのですが、『家にもかなりの量があるので取りに来てほしい』と依頼されまして。本来は出張買取はしない方針だったのですが、地元が近くて直接うかがえる範囲だったため、私含めた3人のスタッフでお客様の自宅へおじゃましました」

 親族の方に見つからないよう、迅速にアダルトDVDの回収に急いだという。

「故人が生前からその形で保管されていた靴箱のようなケースにアダルトDVDが収められており、そのおかげで商品の状態もよく、回収も迅速に行えました。買取金額は数十万円程度で、今でも印象深いエピソードだったと感じています」

◆独自システムでスムーズな買取査定

 買取依頼は日本全国から寄せられる。買取金額は基本的に発売日が新しいものが高くなるほか、人気の女優やメーカーなどは買取価格が下がりにくい設定にしているという。

「ケースなしのDVDやサイン入りのDVDも買取対象で、査定に関しては店舗マニュアルに沿った基準をもとに、POSシステムで算出された値付けを行います。同人誌やDVDのみの場合は『1本いくら』とあらかじめ決めています。マニア向けのレアなDVDが入ってきたとしても、販路がなければ売れないので、高い値段はつきません。あくまで商品の状態や相場感を鑑みての査定が原則となっています」

◆増収増益の秘訣は2つ

 さらに利根書店では、アダルトDVDのほかフェムテックグッズやアダルトグッズ、自社で開発したレトルトカレー「絶倫カレー」など、いろいろな商品を取り扱っている。出版不況下にあっても、増収増益を続けている経営の秘訣は「創業者で現取締役会長の吉川充秀氏のモットーである徹底的な仕組み化にある」と亀井さんは言う。

「『日報革命』というお客様の声や、スタッフからの改善提案、トレンド情報などを現場から毎日吸い上げる自社アプリがありまして、それをもとにサービスの改善、品揃えの拡充を行っています。意思決定のスピードを早め、時間の効率化を高めていくのを意識してきたのが、結果として成果につながっていると考えています」

 他社にはない独自性と多角化経営が、安定的な収益基盤の構築に寄与しているわけだ。これからも男の終活などに代表されるプリマベーラの独自かつユニークな仕掛けを期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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