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原氏と比べて“我慢ができない”阿部監督。印象的だった「丸の送りバント」

日刊SPA! / 2024年4月13日 15時53分

阿部政権の「参謀役」としてチームを支えているが、いっそのこと野手陣の起用を二岡氏に一任してしまうことで、現状が打破されるかもしれない。

◆「捕手出身」の視点を活かした投手運用は悪くない

野手の起用法は疑問がわく一方で、投手の起用は素晴らしい。まずは、菅野智之と小林誠司の“スガコバ”のバッテリーを復活させたことだ。菅野は全盛期に近いピッチングを見せている。

リーグ優勝を果たした2019年のように小林を上手く使うことで、近年正捕手だった大城卓三を休息を与えられる。この2人をバランスよく運用していくことは、上位を争ううえでのキーポイントになるはずだ。さらに、前年からの大きな課題だったリリーフ陣を整備し、当面「勝利の方程式」の面々は3連投を避ける方針を示している。

オリックスを指揮する中嶋聡氏のように、捕手出身だからこその視点で投手陣が整備されつつある。実績がある投手の負担が軽減され、夏場にベストな形で戦うことができれば、4年ぶりのリーグ優勝も見えてくる。

◆原氏の1年目はどうだったのか

さて、前任の原氏は巨人の歴代監督としては最多となる監督通算1291勝を記録している。原氏の指導者としてのキャリアは、解説者を経て現場に復帰。ヘッドコーチから長嶋茂雄氏の後を引き継ぐ形となった。長嶋氏の感覚的な采配を継承するように就任1年目はアグレッシブなマネジメントを見せていた。

長嶋政権時、対左投手の試合で出番が少なかった清水隆行を1番打者として抜擢。期待に応えた清水は最多安打のタイトルを獲得し、申し分のない活躍ぶりを見せた。

また、阿部氏を正捕手としてスタメンに固定したことも見逃せない。我慢して起用し続けた長嶋氏の意思を引き継いだのだ。結果的に原氏政権下において、欠かせない大黒柱として君臨するようになった。

投手陣も、先発として伸び悩んでいた河原純一をリリーフに配置転換。これがハマり、シーズンを通して安定したピッチングを見せ、キャリアハイとなる5勝2敗28セーブ防御率2.70を記録した。

◆常勝を求められるとはいえ…

昨年の原氏は次世代を見据え動いていた。門脇や秋広、浅野といった新人や若手選手を起用し、阿部氏バトンを渡したのだ。

巨人の監督は常勝を求められる。しかし、結果が出ていないからといって、浅野や秋広のような未来を担う選手に出番を与えなければいずれジリ貧になってしまう。1年目だからこそ、置きにいくような形ではなく、期待されている若手を活かしていきながら、かつての原氏のように「新しい巨人」を作り上げてほしい。

<TEXT/ゴジキ>

【ゴジキ】
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55

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