1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

2024年春ドラマ「注目3女優の主演作」を爆速レビュー。今田美桜、生見愛瑠、広瀬アリス

日刊SPA! / 2024年4月16日 15時50分

 そのうえ松永が派遣切りに遭ったため、腹を立て、自分も会社を辞めてしまう。職場でこう宣言した。

「みんなとうまくやっていくため、つまんない服を着て、少しズルして、頑張ってきたんだと思うんです。でも、私この仕事に向いてないんです」(まこと)

 記憶喪失という設定は非日常的だが、この言葉は多くの人が胸の内に潜めているのではないか。

 まことは「私らしさって何だろう・・・」と考え込む。これも記憶喪失でなくたって、誰もが1度や2度は思うことだろう。

◆広瀬アリス『366日』
(フジテレビ 月曜午後9時)

 高校2年生のときから12年間、片思いだった同級生の男性とやっと付き合えることになった。実は相手も自分を思い続けていてくれた。4月7日のことだった。

 初デートは2日後の4月9日。だが、相手は待ち合わせの場所に来なかった。子供を救おうとして事故に遭い、後頭部を強く打ち、急性硬膜下血腫の重傷を負ってしまったからだ。1か月が過ぎても意識不明のまま。このまま一生、目覚めない可能性が高い。

 それでも主人公の雪平明日香(広瀬アリス)は、相手の水野遥斗(眞栄田郷敦)にずっと寄り添ってゆく決心をする。第2回のことだ。明日香は音楽教室の事務受付係。大ケガを負う前の遥斗は外食チェーンに勤務していた。ともに28歳である。

 この2人を中心とする物語であるものの、そこに茨城県南部にある竜ケ崎市内の高校の同級生たち男女4人の日々が交錯する。伝統的にフジが得意とする青春末期の若者たちの群像劇でもある。

 現実論者の介護福祉士・下田莉子(長濱ねる)は明日香に対し「まずは自分の生活を大事にしたほうがいいんじゃない」と助言する。病床の遥斗とは距離を置けというわけだ。しかし、薄情とは言い切れない。

 遥斗と高校の野球部で一緒だった小川智也(坂東龍汰)は足しげく病室に通う。それが友情だと考えているようだ。これも間違ってはいないだろう。やはり元野球部員でコンサルタントの吉幡和樹(綱啓永)は遥斗の受難を知らされたものの、連絡すらしてこない。これも責められないはずだ。

◆ファーストシーンの意味は?

 高校卒業から10年も過ぎると、愛情や友情に対する考え方は個人差が大きくなる。足並みは揃わない。甘ったるい筋書きにしないところが、かえって小気味いい。ましてや遥斗と和樹の間には苦い過去があるようだ。

 考察要素も伏線もない。それでも見応えがある。一番の理由は挿入される過去のエピソードに現実味があるから。ほかのドラマがほとんど描かない青春期の小さな切れ端である。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください