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知らないと怖すぎる「新NISA」5つの落とし穴とは?短期の売却で“メリットが台無し”に

日刊SPA! / 2024年4月17日 8時51分

◆4.損失が出ると逆にデメリットになる

 たとえば利益に税金がかかる特定口座で、A銘柄とB銘柄を運用していたとします。それぞれを売却した際、A銘柄は40万円の利益、B銘柄は20万円の損失が発生しました。

 この場合、2つの銘柄の損益を合算した際の利益20万円にのみ課税することができるため、その分だけ税金を減らすことができます。これを損益通算と言いますが、特定口座(源泉徴収あり)なら、証券会社が合計の損益を自動で計算し、すでに支払った税金も戻ってきます。

 しかし残念なことに、損益通算はNISA口座では利用できません。そのため、先ほどの例で、B銘柄のみ新NISA口座で運用していたとすると、2つの銘柄で損益通算はできず、A銘柄の利益40万円がそのまま課税対象となってしまいます。片方の銘柄を新NISA口座で運用していたばかりに損益通算ができませんでした。

 ただし、新NISAでの運用は長期での値上がり益を目指すのが基本方針であり、インデックス投資で長く運用していれば利益は期待できるので、新NISA口座で損失が出ることは、あまり心配しすぎなくてもいいでしょう。しかし、NISA制度はけっしてメリットばかりではなく、このようなデメリットがあることは覚えておきましょう。

◆5.18歳未満は新NISAを利用できない

 2023年までは、18歳未満の未成年でも利用できるジュニアNISAがありました。しかし、新NISAは対象年齢が18歳以上であるため、18歳未満のお子様は新NISAを利用できません。そのため、今後は親名義の新NISAを活用して、将来的にお子様の大学費用などへ充てるのがいいですね。

 ちなみに、夫婦それぞれの口座で同じ銘柄を購入して元本が分散しても、複利効果は1つの口座でまとめた時と同様に期待できます。たとえば、夫婦の投資元本が各1万円ずつで、年利5%で2年間運用すると、1年後に1万500円、2年後は1万1025円となり、2つの口座で運用しているので合計2万2050円になります。

 ただし、それは合算した元本2万円を夫の口座でのみ投資し、年利5%で2年間運用した時の2万2050円と同じ金額になりますよね。このように夫婦それぞれの口座で同じ銘柄を選んでも、結局は投資先が同じなら、合計の投資額に対して複利が効くと思えばOKです。

 ちなみに、新NISAの投資資金を配偶者に渡すと、投資のための資金として贈与とみなされる恐れがあります。対策としては、贈与税の基礎控除額年110万円に抑えれば非課税となるため、その金額に抑えて夫から妻へ毎年移すのが無難でしょう。

 いかがでしょうか。将来、後悔しないためにも、新NISAの落とし穴にはじゅうぶん気を付けて、運用を続けていきましょう!

<TEXT/小林亮平>

【小林亮平】
1989年生まれ。横浜国立大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。同行退社後、ブログやSNSでNISAやiDeCoなど資産運用の入門知識を発信。現在はYouTube「BANK ACADEMY」の運営に注力しており、YouTubeのチャンネル登録者数は70万人を超える。「超初心者でも理解できるよう優しく伝える」をモットーに、自作のイラストを駆使した丁寧な解説が好評を得ている。著書に『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』(KADOKAWA)がある

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