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スタバで患者を号泣させて…怪しい「野良カウンセラー」が乱立する現状を被害者が告発

日刊SPA! / 2024年4月20日 15時52分

「私も『臨床心理士』だけ持ってるカウンセラーにかかったことがあるんです。通院先のカウンセリングルームだったんですけど、主治医は信頼できるし、まあ大丈夫だろう、と甘く見積もっちゃったんですよね」

◆カウンセリングで毎回「結婚」を勧められ…

 そのカウンセラーは「ユング心理学が専門」と語ったとのことだ。

「インテーク面接(初回のカウンセリング)で私にトラウマがあることはおおかた話したつもりだったんですよ。そしたらそのカウンセラーは『私は宮崎さんほど大変な経験はしてないからわからない』って……。仕事のやる気はあったみたいですけど、毎回のカウンセリングでトラウマ体験を執拗に根掘り葉掘り聞かれたので、しんどくなってしまったんですよね。私が苦しくなってカウンセリングを止めることを相談しても、次の予約を強制的に入れられまして……。止めるのに苦労しましたね。

『書く』と言ってた引継書も結局書いてくれませんでしたし。私の傷ついた体験は先生が自分の『肥やし』にするためにあるのかって、ほんと悲しくなりましたね。他にも、同じく臨床心理士の先生ですけど、カウンセリングで毎回私に『結婚』をすすめてくる人もいましたね」

◆“治療迷子”の果てに…

 現在、サチさんは「ソマティック・エクスペリエンシング」を始め、「EMDR」などの身体的なトラウマ治療を継続中だという。

「まず心理教育を通して、自分はダメだっていう考えの修正を図るんです。ある程度土台が整ってきてからEMDRのスタートです。トラウマ記憶を思い起こしながら先生が左右に振る指を目で追うんです。“パルサー”っていう、振動する道具……黒いたまごみたいなんですけど……それを手で握ったこともあります」
 
 サチさんは手元のスマホで素早く検索し、「あったあった」と“パルサー”のサイトを見せてくれた。

「ちょっとうさんくさいですよね(笑)。科学的なエビデンスに基づいたトラウマ治療なことははっきりしてるんですけど、見た目怪しげだなーって。だからこそ、公認心理師・臨床心理士2つの資格を持ってることは必須なんですよね。有資格者で、研修でトレーニングを受けた人でないとEMDRはやっちゃいけないことにもなってますしね」

 トラウマがより複雑になるほど、治療の完成までの道が長いことは事実だろう。余計な回り道をせずに済む人が一人でも増えれば幸いである。

<TEXT/二階堂ゆり>

【二階堂ゆり】
ライター。東京都在住。ギャグ漫画をこよなく愛する。好きな作品は『スナックバス江』、『無能の鷹』など。分野は医療や福祉、学問が中心だがなんでも書きまくりたいと思っている。積極的に取材も行う

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